うつほ物語 あらすじ
うつほ物語は、全20巻から成りますが、巻の順番と時系列が一致していないなど、読みにくい所があります。これに関しては、色々な考察がされていますが、ここでは分かりやすくするため、全20巻の内容を3つに分けて、概ね時系列に沿ってご紹介していきます。
・俊蔭の琴の伝授(巻1)
・あて宮求婚譚(巻2から巻10)
・続 俊蔭の琴の伝授(巻11から巻20)
俊陰の琴の伝授(巻1)
●巻1『俊陰』
遣唐使として海を渡った俊蔭は、天人が作った琴と奏法を持ち帰り、娘に伝授します。
俊蔭の死後、娘は太政大臣の若小君(藤原兼雅)と一夜の契りを交わし、仲忠が誕生します。
困窮した俊蔭の娘と仲忠は、山中のうつほ(巨木の窪み)に移り住み、俊蔭の娘は仲忠に琴の奏法を伝授します。
仲忠が12歳の時、藤原兼雅は親子を見出し、都へ連れて帰ります。
あて宮求婚譚(巻2から巻10)
●巻2『藤原の君』
源正頼の九女「あて宮」への求婚が始まります。
●巻5『嵯峨の院』
主人公仲忠が、あて宮求婚者に加わります。
●巻3『忠こそ』
忠こその誕生から出家までが語られます。
●巻4『春日詣』
忠こそがあて宮求婚者に加わります。
●巻7『吹上 上』
仲忠たちが吹上を訪れ、涼に出会います。
●巻6『祭の使』
学者の藤英があて宮求婚者に加わります。
●巻8『吹上 下』
涼があて宮求婚者に加わります。
●巻9『菊の宴』
あて宮の東宮への入内が決定的になります。
●巻10『あて宮』
あて宮が東宮へ入内。寵愛を受けて御子を出産します。
続 俊蔭の琴の伝授(巻11から巻20)
●巻11『内侍のかみ』
俊蔭の娘が朱雀帝の前で琴を弾き、尚侍(ないしのかみ・帝の后の位)に任ぜられます。
●巻12『沖つ白波』
仲忠は、朱雀帝の長女 女一の宮と結婚します。
●巻13『蔵開 上 』
仲忠は、祖父の俊蔭が遺した蔵を開けます。
仲忠の長女いぬ宮が誕生します。
●巻14『蔵開 中』
仲忠は、俊蔭の蔵で見つけた俊蔭の詩集を、朱雀帝に講じます。
●巻15『蔵開 下』
いぬ宮の百日の祝いが行われます。
●巻16『国譲 上』
仲忠の異母妹である梨壺が東宮の御子を出産します。
●巻17『国譲 中』
次の東宮になるのは、藤壺(あて宮)が産んだ御子か、梨壺が産んだ御子か、宮中で様々な思惑が飛び交います。
巻18『国譲 下』
朱雀帝が譲位し、東宮が帝になります。
新帝は、藤壺の御子を東宮とします。
巻19『楼の上 上』
仲忠は、俊蔭の邸を改修して楼を造ります。
尚侍といぬ宮はこの楼に移り、琴の伝授が始まります。
巻20『楼の上 下』
一年かけていぬ宮に伝授された琴が朱雀院らの前で披露されます。