「日本スゴイ」で今日も乾杯!現実逃避の桃源郷、テレビの中のニッポン
やあ、やあ、画面の前の皆さん。今日も「日本スゴイ」系の番組や動画を見てきましたか? 白人(なぜかアジア人や黒人には言わせない徹底ぶり)が口をそろえて「ニッポン、スバラシイ!」「ワタシ、ニッポン、ダイスキ!」と連呼する、あの甘美な映像に、今日もまた陶酔しているところでしょうか?
いやはや、お気持ちはよくわかりますよ。だって、現実の日本はちょっと、いや、かなり息苦しいじゃないですか。経済は低迷、給料は上がらず、将来への不安は募るばかり…。そんな時、金髪碧眼のイケメンや美女が「日本の技術は世界一!」「日本の文化は最高!」「日本人はなんて優しいの!」なんて言ってくれたら、そりゃあ嬉しいですよね。まるで自分が褒められているような気分になって、ちょっと自信が湧いてきたりなんかしてね。
でもね、ちょっと待ってくださいよ。その「日本スゴイ」って、本当に「スゴイ」んですかね?
まずは、あの頻繁に登場する「日本の技術は世界一!」ってやつ。いやいやいや、冷静に考えてみてくださいよ。今や世界を席巻しているスマートフォンやパソコン、AI技術、宇宙開発、家電…どれもこれも、アメリカや散々見下してきたアジア諸国がリードしている分野ばかりじゃないですか。
それ以外で「日本スゴイ」番組で取り上げられるのは、たいていガラパゴス化したニッチな技術だったりするんですよ。「世界で唯一!〇〇を作る機械!」「世界に誇る!〇〇職人の技!」みたいなね。いや、素晴らしい技術であることは認めますよ?でも、それって世界中で必要とされている技術なんですかね?世界経済に大きな影響を与えている技術なんですかね?諸外国も作ろうと思えば作れませんかね?
それから「日本の文化は最高!」ってやつ。これもねぇ…。「時間に正確」「他人に迷惑をかけない」「優しい」…なるほどなるほど。確かにそういった側面もあるでしょう。でもね、それって単に文化や価値観の違いであって、優劣の問題じゃないんですよ。
それに、「時間に正確」って、そもそも時間に縛られすぎている社会の裏返しとも言えますよね。時間に縛られてるのは、実は西欧の国も同じだったりしますよ。そして「他人に迷惑をかけない」ってのは、裏を返せば「他人に不寛容」ってことでもありますし、「人助けしない」「見て見ぬふり」といった冷たい一面も日本の風習は有しており、実際に、困っている人がいても見て見ぬふりをする人が多いのは、残念ながら日本の現実の一部です。人助けや優しさランキングでも日本はいつも下位です。優しさって、もっと能動的で、積極的な行動であって、単に迷惑をかけないこととは違うと思います。
そして、何よりも言いたいのは、「日本スゴイ」番組は、明らかに「ヤラセ」だってことです。明らかに、事前に用意された台本を読まされているだけですよ。
でも、なぜそんなヤラセ番組に人々は惹かれるのか?それは、現実逃避の手段として、そして、心の奥底に潜む「白人コンプレックス」を刺激するからなんですよ。白人に褒められることで、失われた自信を取り戻し、現状への不満を一時的に忘れられる…。まるで麻薬のような効果があるわけです。
さらに悪いことに、中には他のアジアの国々を貶めるような内容が含まれていることさえあります。これは「日本スゴイ」を際立たせるための、姑息な手段であり、非常に悪質です。
そろそろ「日本スゴイ」劇場の虚構に気づいてもらえたでしょうか?日本は素晴らしい国です。そう思う方もいるかもしれませんし、実際に白人でもアジア人でも黒人でもそう言う人はいます。日本の文化が好きなだけだったり、価値観が日本のカラーに合致したりと。でも、それは「世界一」とか「唯一無二」とか、そういう話じゃないんです。良いところもあれば、悪いところもある。他の国々と同じようにね。
さあ、皆さん。「日本スゴイ」劇場から出て、現実の世界に目を向けてみませんか?現実の日本を、もっと客観的に、冷静に見つめてみませんか?新興国から抜かされまくって悔しいと思いませんか?そうすれば、本当の意味で日本をより良くしていくための、第一歩を踏み出せるはずですから。