板金設計製作のポイント5
温度上昇による検討
板金について、ここのところキュービクルの話しがつづいているので、今回は、キュービクル内部の温度上昇についてです。
図1 密閉自然冷却形の放熱計算図 は日照の影響の無い、例えば屋内に設置された場合、キュービクル内に設置された電子機器の消費電力(発熱量)の合算から内部の温度上昇を求めるグラフです。
使い方は、キュービクルの正面、裏面、左右側面、天井面の面積を計算し、発熱量はキュービクルに内蔵している電気機器等の消費電力等の合算を求めます。
図の例は、
発熱量 0.5 kW
面積 7.4 m2
求めるキュービクルの内部温度上昇 13°C
この時の外気温度が 30°C の場合、キュービクルの内部温度は
30°C+13°C=43°C となります。
図2 発熱量と温度差より必要換気量を求める計算図 は、キュービクルに換気扇を設けて、内部の空気を排出量とキュービクル内部の温度上昇を求めるグラフです。
外気温度に吸気と排気の温度差を足せば、キュービクルの内部温度を求められます。
発熱量はキュービクルに内蔵している電気機器等の消費電力等の合算を求めます。
図の例は、
発熱量 3.5 kW
キュービクルの内部温度上昇を何度まで許すか 10 °C
換気扇の能力の目安 17.5 m3/min
逆に換気扇の能力から、キュービクルの内部温度上昇を知る事も出来ます。
キュービクル内に設置する機器の使用温度範囲から、このような温度上昇に対しての対策が必要となります。
特に、夏場の最高気温から検討するという事になります。
屋外設置の場合、日照による温度も検討するようです。その場合、日照部分の熱量も内部発熱量に加算して検討するようです。
日照による熱量は図1 右に書いたメモを参考にして下さい。
但し、キュービクルに屋根を設けたり、壁に直接太陽光が当たらない様に、遮光板を設ける事によって、日照分は、キャンセルする事が出来ます。図3
遮光板とキュービクルの隙間が余り近すぎると遮熱の効果が無くなるので注意が必要です。私は屋根との隙間は100mm 以上、扉、側面、背面に付ける場合には、30mm位、取っていたかも知れません。参考までに。
温度によっては、換気扇や盤用クーラーを検討するようだと思います。
もし、防爆地帯に設置であれば、電気機器に制限が出来てしまうので、圧縮空気を利用した換気扇を使用した事があります。
国内向けの防爆のエアコンは無いですが、海外向けのアナライザーハウスでは防爆のエアコンは使用した事が有ります。
今でしたら、国内向けの防爆のエアコンも有るかも知れないですね。