流量計
流体を扱うシステムで、ほぼ確実に登場するアイテムの一つではないでしょうか。
流体が液の場合、非圧縮性のため、圧力が変わっても体積が変わらないのですが、気体となると圧縮性流体となるので、圧力が変わると体積も変わります。
流れがあるという事は圧力差があるわけで、気体の場合、下流ほど圧力が下がり体積は増えて行きます。
そのためなのかも知れませんが、流量計は気体の場合、大気圧換算の目盛りで表示される事が多いようです。
その場合の単位は NL/min となります。L の単位に N が付いて NL となり、ノルマルリットルと読みます。(NL/minの温度条件としては、0℃となります。)
分析計の場合、分析の応答時間が大事になるため、気体の場合、大気圧換算した流量で応答時間を確認という事になります。
具体的にはバイパスを設けて気体の場合、応答時間(配管中の試料の体積)に対応させた NL/min 単位の流量計を用意すれば良いわけです。
バイパスによって、応答時間を短縮させるという事をよく行います。(図A)
気体で、ある圧力状況での目盛りで表示されている場合は、状況下流量といいます。
この場合の単位は L/min となります。
気体の試料の場合、圧力、密度と流量の関係となる訳で、試料が流れている事そのものが圧力損失を起こしながらというふうに考えると、NL/min を基準とするのが一番検討しやすいような気がします。
使用した流量計としては、ガラス管を利用したタイプ、金属管式のタイプがあります。ガラス管タイプは、赤いルビーの玉を浮きとして、浮きの位置をガラス越しに見て流量を読み取ります。
この流量計を使用する注意点として試料は透明でないと、赤いルビーが見えなくなってしまうので選定のとき時、注意が必要です。
例えば、墨汁、原油など、そういう利用も。
いやめったに無さそうですね。
金属管式流量計は、ガラスでは、割れる、漏れる時等、心配を感じたら採用を考えるようだと思います。
金属管式はフロートの中に磁石が埋め込まれて管の外の針が磁石に引っ張られて動く構造になっています。
ガラス管のように管部分が多部品ではなく1部品で構成されている点が漏れにくさに継ながり安心感が有るのも良い点と言えます。
使用温度範囲が高い点も良い点と思います。
ただし、カタログ上の温度範囲は試料温度であって機構部の温度範囲ではないので、温調ボックス等に入れて高温で使用する時は流量計メーカに問い合わせるようかも知れません。
試料は透明で無くても利用できます。利用としては、燃料油などが多かったと思います。
個人的には、選択した事はありませんが、学生時代電磁流量計を使用した事が有ります。その時、流れる流体の脈動を測定しました。もし、脈動のような高速的な流量の変化を求めるなら、電磁流量計は最適かも知れません。
ニードルバルブ付きの流量計で試料が液の時、沸騰温度が近い場合注意が必要です。
液試料を圧力で封じ込めて気化しないようにしているわけで、ニードルバルブを通過した後、圧力の低下により気泡が発生となる可能性があります。
ニードルバルブの位置について上付きを使えば、流量計までの圧力は保持されるため、気泡の発生は無いという事になります。
沸点が低い試料の例としてはガソリンという事がありました。
ガスの場合もニードルバルブを下付きにするとガスは膨張するとか色々な要素もあり、流してみたら、ハンチングしてしまうという事もあるかも知れません。(図B)
もちろん、ニードルバルブを付けない物もあります。微小流量の場合、ニードルバルブは別で用意した方が良いかもしれません。
流す流体が、水や空気であれば、廉価版の流量計が手に入りやすいのでそれを求めるのが一番簡単だと思います。
水、空気以外でしたら、試料や圧力、流量、材質とか求める条件を書いた購入仕様書を作り流量計メーカに、動作上問題ないか、製作可能か、を確認のうえ製作してもらうのが良いと思います。
その場合でも、液などで、液の沸点が近いなどの、試料の物性に関しては、エンジニアリングを行う側でよく検討する事が大事だと思います。
私がよく利用した流量計メーカは東京計装さんです。
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