ボルテNSを主催しました。
『SOUNDVOLTEX Next Stage』。略して『ボルテNS』。
「ボルテNS」だったり、「NS杯」という名称で行われたボルテの個人大会(非公式大会)です。
先日開催された第3回大会の反省点もいっぱいありますので、大会作りに関することと、回顧録的な意味も込めて主催者目線で書き留めます。
・特定のチームや人物名、人物写真は基本出さないようにしています。
・また、大会結果については言及しません。各出場選手のXやnoteを執筆されていますのでそちらを見てくださいね。動画配信もありますよ!
本題を前に...G-stage小倉店様、大会に参加していただいた皆様、スタッフ、有志のみんな、本当にありがとうございました!
この支援のおかげで大会が無事終了できました 🙇
目次
1.自己紹介
2.主催としての心構え
3.主催のお仕事
4.大会経費
5.ボルテNS vol.3 大会を振り返る
6.今後の展望
1.自己紹介
LUROI(ルロイ)といいます。
高校で音ゲーに出会い、プレー歴は約13年。
メイン機種はリフレク→チュウニズム→ボルテ&ノスタルジアといった感じ。
2016年に初めてチュウニズムの店舗大会を開催してからは、ノスタルジア、ボルテで実店舗、オンライン共に数十回企画してきました。
2022年からはボルテNSを主催で企画。大会当日は司会進行を担当。
X:@Luroisan
2.主催としての心構え
主催者としてどのような意識で取り組んでいるか紹介します。
<基本方針>
選手、観客が楽しかった!福岡に来て良かった!また行きたい!と思ってくれるような大会づくりが大前提として根幹にあります。
どうしたら盛り上がるか、どうしたら反応が生まれるか、というルールや演出面も考えながら構築しています。盛り上がるポイントってみなさんの記憶に結構残りやすいので、構想中の優先順位はかなり上位です。
結果としては第1回大会からすべて盛り上がったなぁと実感しています。
<大会規模>
あるあるCityの地下ステージ の会場でやる!と決まったとき、普通の店舗大会には絶対にしたくないと思いました。何か特別感を。
今まで数十回行ってきた店舗大会のノウハウを生かして、できる限りの規模拡大と環境構築に努めました。
その努力が実ったのか、第1回大会からプロ選手をはじめとしたランカーが参加。(地元のスター、村上様のおかげでもある)
第2回大会では公式大会常連のプレーヤーが多く参加していただき、第3回大会は他の個人大会とは比べ物にならない程のレベルの高い選手が福岡に集結。韓国勢も来ていただき、白熱した対戦を目の前で見ることができました。
ちなみに、会場設営と大会進行は第2回大会で一定の完成形となったと思っています。
<資金面>
プロチームのイベントや日韓イベントは企業が中心に動いているので、お金の出所が違うし、規模もクオリティも全く違う。そりゃそう。
個人大会として、限られた資金でいかに公式環境に近づけられるかを常に考えて、アイディアを出していくかが勝負のカギと思っています。
(結果としてまぁまぁな赤字なんですけどね(後述))
<誠実さ、明確さ>
個人大会でよくあるトラブルは、不誠実、不明確な対応によるものがほとんど。
質疑応答は迅速に、出来る限りの情報は選手に共有する。大会運営の面で、選手側に不安を与えることは致命傷だと思っています。
だから、誤っていればすぐ謝罪と修正。質問があればすぐ返信。やれることはすぐ対応。丁寧さが選手に伝われば、選手たちも気兼ねなく本気で大会に挑んでくれる。それは過去の店舗大会から学んだ経験です。
3.主催のお仕事
第3回大会をベースに、自分が行った内容を簡単に挙げていきます。
・大会企画の持ち込み、提案(ゲーセンとの日程調整)
・絵師へのイラスト依頼
・イラストの補正指示、素材の管理
・X(旧Twitter)の管理、投稿
・X用テロップ画像の作成
・予選、決勝ルールの企画、画像の作成
・予選、決勝のエントリーフォームの作成
・エントリーフォームの集計
・予選集計作業
・DMでのやり取りや、確認事項の送付
・解説スタッフの招へいと調整
・特設サイトの修正指示
・入場特典のICステッカー作成
・スタッフ用Tシャツ作成、発注
・会場設営、撤去
・決勝戦の紹介画像の作成、パンフレットの作成
・決勝会場のレイアウトや配信画面の調整
・決勝当日の集計表、シナリオ、台本の作成
・決勝当日の司会進行、全体調整
・お金まわりの清算業務
・(これから)決勝結果のサイト作成
超大まかですが、こんな感じ。
予選集計と画像作成がメッチャ大変でした。まぁこれもやりがい。
(他の主催経験者からタスク量バケモンかって言われました…笑)
ちなみに、自分がやったこと以外の作業は
・イラスト作成(素晴らしかった…)
・グッズ作成、販売、配送、BOOTH出品管理
・会場借り上げ(Gステに感謝)
・特設サイトの開設と管理
・当日の筐体運び、筐体調整(すべては有志のおかげ)
・当日の動画配信周り(Gステ店長が1日中張り付いてくれました)
・当日のそれぞれの仕事(受付、スコア集計、配信など)
・当日の夕飯会の食べ物、飲み物の調達
・大会エンディングムービー(Gステ作成)
構想スタートは年明けの1月から。4月からは本格始動、5月末に大会開催の発表、9月15日決勝戦といった感じで準備期間は8か月ほどでしょうか。
大会日前後以外は、9割5分ワンオペです。
ただこれは過去の大会も同様なので、ある程度慣れて頭の中で整理しながら進めることができています。
第2回大会はタスク量が多すぎて次回大会は分散しよう…と思っていましたが、やはり主催が知らないといけない部分がかなり多いのと、自分の構想にあまり手を加えすぎたくなかったので、結局同じくらいのタスクになりました。次回こそはタスク分散させるぞ!
4.大会経費
人によっては結構気になる項目かと思います。
詳細こそは控えますが、第3回大会は結論から言うと2泊3日旅行分くらい赤字でした。ちなみに第1回、第2回も赤字です。
この赤字分はもちろん僕のお財布から補填します。
やればやるほど、赤字は拡大。でもやることに意義があるのでやってます。
そういう面でも、大会への本気度が伝わってくれるといいなぁと。
※大会開催にあたっては公式ガイダンスに従う必要があります。(金銭面では、黒字になった場合は例えば選手旅費に補填して調整しなさいとか、参加費はこう設定しなさいとか。様々な項目があります。)
主にかかる経費はやはり会場借上代。これが超ネックです。
会場借上代を回収するには入場料を3,000円にしてトントンかな?というところですが、僕はさすがに高いと感じています。クオリティ面で対価がまだ似合ってないかな。(弐寺の谷口杯は3,000円なんですけどね)
これでも、第1回400円、第2回1000円、第3回1500円と跳ね上がってますが回収はできていないことを考えると、やっぱり厳しい状況…。
次に、配信周りの機材購入や、イラスト依頼、スタッフ等の旅費、グッズ作成費、食費、その他諸経費。
削ろうと思えば削れる項目もありますが、僕の外したくないこだわりもあるので、経費をかけるところにはかけています。(例えば選手に配布する弁当とか入場特典のステッカーとか)
そして、筐体代はG-stageがすべて負担してくれるため、筐体周りは経費なし。本当にありがとうございます。ここがデカすぎる。
店舗の個人大会への理解度と熱量が他店舗には絶対ない異次元レベルです。
G-stageをみんな愛して欲しい。
搬入、筐体組み立ても有志が集まり、ここも人件費なし。大感謝。
福岡の人間はみんな優しすぎる。
一方、収入源は入場料とグッズ売り上げ、スパチャがほとんど。
今回はグッズが想定以上に売れたこともあって、収入が大きかった。
現地来場者、グッズ購入された皆様、本当にありがとうございました!
大会日翌日の清算作業はドキドキしながら入力していましたね。
といった感じで、個人大会はやはり規模が大きければ大きいほど収入源をどうするかが問題になってきます。現状、第3回大会で行った内容を今後も継続。もっとたくさんの人に知ってもらう必要はありますね。(みなさんの拡散が超大事です)
5.ボルテNS vol.3 大会を振り返る
おまたせしました。本編です。
大会を通して試したこと、良かったこと、悪かったこと、その他に分けて紹介します。
<試したこと編>
・ペア大会
→これは第2回大会終了後のアンケートで、2番目に多かった対戦形式でした。1位はBPL方式でしたが、運営できる自信がなかったのとやるなら筐体4台でやりたいので断念。
・エンジョイコースと大会コースに分けてオンライン予選を開催
→実は当初は大会コースのみでしたが、大会発表後の反応を見てエンジョイコースを追加しています。ボルテNSを広く知って欲しいという狙いもありました。これによってエントリーできる実力層を拡大しました。
約90人分の集計作業を自分で全部やるという膨大なタスク量になってしまいましたが、結果として話題にもなり、認知度は上昇。やってよかったと思います。
・特設サイトの開設
→リア友がサイトを作ってくれました。
第1,2回大会ではルールや各種情報がX上で上がっていたものの、遡らないと分からないという状況が、みなさんから見ると把握しづらいだろうなと思っていました。
そこでサイトを作成。X上では変わらず情報発信をしていましたが、フィードバック出来るようにまとめサイト的な立ち位置でサイトに誘導させました。
結果としては、やってよかったかなと思っています。
特に、自選曲リスト一覧は切り抜き画像がX上で多数見られたので作成したかいがありました。出来も良かったですしね。
ちなみに、大会後アンケートではサイトは必要と答えたユーザーは7割でした。わからないが1.5割。不要が1.5割。まあ、今後も継続かな。
あ、でも毎月運用代が発生してます。次まで一旦閉鎖?
<良かったこと編>
・選手が大会を楽しんでいた
→自分自身も驚くほど、選手達が真剣に大会に挑み、戦い、喜びや悲しみを表現していました。
大きなガッツポーズ、勝利に抱き合うペア、ゴメンと手合わせする姿、自選曲リストを見て話し合うチーム、かけ声で観客と一体になるチーム。見ていて楽しかった。
終了後の夕飯会ではみんなが楽しかったと伝わってくるような笑顔や労いの言葉をいただき、ホッと救われた感じがしました。
お土産もたくさん頂き、本当に大大大感謝です。
各選手が投稿しているnoteを拝見すると、真剣に戦略を立てて挑んでいたんだなと実感できました。
・自選曲リストを公開するシステムが好評だった
各チームの自選曲リストをあらかじめ公開して、練習や対策ができる仕様をとりました。これが選手には新鮮味があり、好印象だったようです。
このようなシステムにした理由は、情報開示することで各チームの戦略が立てやすくなり「ペア戦」というこの大会の特性を活かすことができます。要は駆け引きですね。
あと、課題曲が分かっていれば膨大な楽曲数から予想しなくてよくなるので、選手への負担軽減策という意図もあります。
今後も活用したいと思います。
・ボルテNSの知名度上昇
→大会の「ブランド化」ができると、注目度も上昇。それが視聴者数の増加や支援者の増加、そして何より全力応援してくれているG-stageの宣伝にもなります。
今回は大変ありがたいことにプロ選手も多く参加していただき、ご本人から関係者まで幅広く拡散して頂きました。
その分、大会に対するクオリティも求められることになりますが、それはどんとこい!という意気込みです。
・大会当日までの大きなミスがなかった
→紆余曲折ありましたが、大会発表から予選まで重大なミスがなかったのは良かったと思います。多少のミスはご容赦ください。
でも大会当日はしくじりまくってます。(後述)
<悪かったこと編>
決勝大会まで特段大きな失態はなかったのですが、決勝大会で大失態をかましました。
・決勝大会のタイムスケジュールを見誤った
→正直致命傷。大失態です。
第1、第2回大会の経験から、1試合13分あれば余裕をもって進められると過去の自分に頼りすぎました。
ふたを開けると、1試合平均17分。結果として試合数が減ったのに1時間半以上の遅延で終了しました。
他にも原因は様々あります。
・自選曲発表の時間を短く積算した
・配信の表や画像の編集時間を考慮していなかった(初の試みだったので完全にすっぽかしていた)
・配信トラブルが発生してしまった
・そもそも試合数を詰め込みすぎた
などなど…
結果としてメガミックスバトルはすべてカットとなり、休憩時間もカットでぶっ続け7時間配信という狂気染みた大会となってしまいました。
アンケートでは「休憩時間がなく疲れた」という旨のコメントが複数。本当に申し訳ありませんでした。これは本当にミス。次回は熟考します。
・想定外の筐体エラーが発生した①
→前述でメガミックスバトルをすべてカットしたと記載しましたが、カットした理由はもう一つあって、それは筐体エラーが発生することでした。
配信接続をした状態で、メガミックスバトルをプレーすると割と高い確率で筐体がエラー(アプリケーションエラー)を吐いて画面が真っ暗に。
再起動が必須となり、復旧には15分以上かかる、という状況がテストプレーで判明しました。
発生原因ははっきり分かりませんが、運営ではどうしようも出来ない。これを受けて、大会中に試合が数十分止まる可能性が非常に高く、あまりにリスクが大きいと判断し、当日の開始直前(15分前)になってルール変更を行いました。
これに関しては、選手のみなさんが理解して承諾頂いたことに本当に感謝です。観客のみなさんや配信視聴者にはご迷惑をおかけしました。
アンケートでは「メガミックスバトルが見られなくて残念」「当日ルールを変更するのはいかがなものか」とお声をいただきましたが、調整不足で本当に申し訳ございませんでした。
・想定外の筐体エラーが発生した②
こちらはあまり大きな話ではないですが、アリーナモードのアルティメットマッチを選択するとこれもアプリケーションエラーを吐く現象が100%の確率で発生したため、通常のアリーナモードで実施しました。
どうやら、配信用のコードを接続していると発生するようです。メガミックスバトルも同様でしょうね。情報提供頂いた選手に感謝です。
・配信周りのトラブルが多発した
これに関しては配信PCのスペックと機材の問題ですので、解決策はあります。
ですが、ここは個人大会。もちろん高いクオリティを目指して調整していますが、資金面に限界がありますのであまり厳しいことを言わないで頂けると幸いです。石油王の支援をお待ちしております。
アンケートではおそらく配信視聴者の満足度が低く、10点中2点をつけた方もいらっしゃいました。(うーん、現地に見に来てほしい。)
現地に来たと思われる方は総じて高評価でした。
その他、個人的にやっちまった部分はありますが、心の中で眠ってもらうことにします。
<その他>
・筐体数について
筐体は、G-stage小倉店から2台、G-stage七隈店から1台搬入し、計3台となりました。
正直、4台だとルールの幅が広がったのですが、贅沢なことは言えません。3台にしてくれただけでも感謝です。
・筐体差問題
いわゆる生産ロットの違いにより、筐体によって判定が異なります。
もっと選手にテストプレーをさせてあげるべきでした。仕方なし。
・ルールについて
3台というなかで、ペア戦。どうしたらいいか考えた結果が、1グループ3チームとし2対1を3試合行う、というレギュレーションでした。
1対1対1では、ペア戦の意味が薄れるので、1回戦のみ採用しました。
勝ち上がり形式については、大会2週間前くらいに別の方法にすればよかったかなと思い始めましたがそれはまた別のお話。
6.今後の展望
第1回大会から行ってきたボルテNSは、地下ステージの今年中の閉鎖を受け、第3回大会をもって一旦終了となりました。
閉鎖については大会2日前くらいに知り、呆然。
ただ、同系列の大会「谷口杯(弐寺)」は今後、同あるあるCityの7階にあるホールで開催準備を進めているとのこと。
こんな感じなので、もちろん貸料金もしっかり上昇。
人をとにかく集めないとKing of 赤字になるので、開催するとなれば全力で応援してください。こんな会場になったらNS杯はマジでどうなっちゃうの?
大会頻度については、年1回開催が限界。精神がもちません。第3回終了後に疲れからか3年ぶりにぜん息になりました。つらい。
そんな重圧にも負けないように、特別な個人大会であり続けるために、皆さんの声援と支援が必要です。
今後動きがありましたら、何かしらの形で報告できたらいいなぁって思っています。
その時が来るまで。またお会いしましょう😄
p.s.
音ゲー大会を行っている方で、大会に関しての質問があればリプライやDMで頂けると答えられる範囲で協力いたします。
X:@Luroisan まで。