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満ちること

自分の運命を前向きに受けとめた時
人は真に生きるのだと思う。
運命を呪えば歯車はたちまち逆回転し始める。

誰にも言えない苦しいばかりの想いを
ペンを取って手紙にしたためたあの頃。
"出さない手紙"だからと思いの丈を綴っていく。
時間をかけて少しずつ。

そうしてそのうちふと気付いた。
最初は乱暴に書き殴って乱れていたそれが
いつしか心の奥にあった純なものへと変わっていることに。

自分ですら知らなかった想いがそこにはあった。
とてもシンプルな願い。
シンプルなのに遠回りしなければ辿り着けない願い。

呼吸のように満ちては引いていく波に乗り
そのひとときにこの命を生かしたい。

ただそれだけだった。

その為の道を"運命"と呼ぶのかもしれない。
振り返ればそこに道がある。
これまで歩んできた確かな軌跡。

光と影の意図が交差するこの世界で
命が生きた分だけ道は"満ち"になると信じて
ただひたむきに今を生きよう。

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