
M.B.ゴフスタインの愛くるしい小さな絵本『画家AN ARTIST』
絵本作家M.B.ゴフスタインの作品。谷川俊太郎訳。
小さめで布張りの、丁寧な本作りで、薄葉紙に包まれた本を開く瞬間は、毎回神聖な気持ちになる、大人のための詩集のような凛とした本で、お守りのように大切にしています。

涼しくなった長野の夜。虫の声を聞きながら編集に取り組んでいた動画が、すっと形になりました。
撮影した映像を、どう編集するのか、ずっと悩んでいました。夏の暑さが通り過ぎるのとともに、ふっと我がなくなり、その日のままからすっと抽出されていって、繋ぎ合わされていって、いくつかのシリーズが生まれました。
いつもなら作品ができて感動して興奮しているのでしょうが、今回はあまりに自然な流れが一気に体の中にきて、カタチになり、大きな導きのようなものにのっただけという感覚だけがのこっています。そして不思議と、今までになく満たされています。
そんな流れをへて、今日ふと絵本『画家 AN ARTIST』を手に取りたくなり、あらためて開きました。
画家が絵を描く。
それはなぜ?
なぜ描こうとするの?
ゴフスタインの詩と線画を読みながら、あ、今のわたしの感覚だ、と。こんな風に感じたのははじめて。愛するゴフスタインの絵本が、より愛するものになった気がしました。
