Lupinusの研修について(前編)
こんにちは、コーポレート統括本部の目野達朗です。
本記事では、弊社の研修について、ご紹介させていただければと思います。
簡単に自己紹介
大学では法学を専攻し、新卒で総合コンサルティングファームのアクセンチュアに入社しました。
当時のアクセンチュアは「3年で5割が辞める」と言われており、大変厳しい環境、というのが入社前のイメージでした。
しかし入社してみると、「徹底的に若手を育てる」という文化・風土が根付いていたのと、素晴らしい上司・先輩・同僚・クライアントに恵まれたことにより、自分自身とても健やかに成長できたと思っています。
ちなみにアクセンチュアに入社した理由は、色々あり、話す人によってメッセージを変えていますが、アクセンチュア(というか当時のコンサルティングファーム)が、”辞めるのが前提の会社”というのは大きかったと思います。
あまり人や組織に長時間ドップリ浸かるのが苦手な性格なので、風通しがよく、とてもフラットな会社の雰囲気が自分に合っていたと思います。
アクセンチュアでは、コンサルタントとしてクライアントの変革を支援する立場でしたが、現在はCFOとして自社の仕組みを整え、より有機的な成長を組織として目指せるように日々奮闘しています。
私が思う「コンサルティングファームの教育」
外部からのイメージ
研修について各コンサルティングファームは、”グローバルでエクセレンスされた研修パッケージ”みたいな、うたい文句を元に、新卒・中途を問わず、求職者に対して訴求していると思います。具体的には、
i. 入社時のオンボーディングプログラム
ii. 職位別に課されるマネジメント系の研修
iii. 定期的にアップデートされるテクノロジー系の研修
がある、というようなイメージだと思います。
そして、コンサルティングファーム出身の経営者・マネジメント層が世に多く活躍するようになり、そこに優れた育成メソッドのようなものが存在すると思われていても不思議ではありません。
例えば、資料の作成方法や、示唆深いメッセージを抽出する分析手法、洗練されたプレゼンテーションの技術など、一貫した研修が提供されているように見えるかもしれません。
しかし実態は・・・
クライアントに向き合っている現場のプロジェクトマネージャーからしてみると、「チームメンバが社内の研修を受けたことで、クライアントに対するサービスの質が向上した」という感覚は、とても低いと思います。
例えば、「プロジェクトマネジメント」みたいな研修をメンバーが受けてくれるのは、会社の一員としては嬉しいのですが、いちプロジェクトマネージャーとしては、
「プロジェクトマネジメント学ぶ前に自分のタスク終わらせられるようにしてくれw」(冗談です)って思ったり、
「スコープチェンジやスケジュール変更に対して、いちいちリアクションしてクライアントと交渉している方が時間かかるわw」(仕事できないMGRですいませんでした)と思ったりしていました。
それよりも、実際のプロジェクトにおいては、「研修にするほどでもない振る舞いやお作法」が、とても大事だったりします。
ごく初歩的な事例を挙げれば、クライアントとの会議調整の方法・心得みたいな話が研修で語られることはないのですが、プロジェクト推進上はかなりクリティカルなスキルだと思います。誰を会議に呼ぶか、その前にだれと何を話しておくべきか、ということに気が回っている人がメンバーにいると、プロジェクトマネージャーはとても助かります。
じゃあコンサルタントはどのように育っているのか?
では、気の利いた研修がないにも関わらず、なぜコンサルティングファームが多くの人材を教育できているのかというと、それは研修制度ではなく、圧倒的に現場の「習うより慣れよ」式の教育が徹底されているからだと思います。
これは教育熱心な人が多い、ということより、
「ジョブマネージャーはチームメンバの能力を引き上げないと、いつまでも自分がさらに高付加価値の仕事に取り組めない」というプロジェクト型の仕事を行うコンサルティングファームの仕事の特性に起因すると思います。
コンサルファームの「上司の仕事を奪え」という言葉の意味
これは、「マネージャーはマネージャーにしかできない仕事にコミットすべきであり、スタッフは自分で出来ることは全てやる。
マネージャーはクライアントへの付加価値を最大化できるし、スタッフはできることが増やせる(≒スキルがつく)」という意味だと思います。
(最近あまり言われなくなりましたが・・)
これは、ジョブマネージャーが楽をしたい、ということではなく、どちらかというと、マネージャーは誰でもできる作業に逃げるな!という戒めであったように思います。
コンサル業務に、一般的な「研修」がマッチしない理由
じゃあ、なぜ長年プロジェクトを推進してきた老舗コンサルティングファームにおいても、現場で役に立つ研修プログラムがないのか、というと、以下のような原因に由来すると思います。
i.定型的な業務が少ない
曜日ごとや営業日ごとにやることが決まっているタイプの仕事であれば、ある程度定型的に業務手順を研修に落とし込むことが可能と思います。
日々仮説検証を繰り返したり、論点や課題が大きく動くコンサルタントに、「これをやれば大丈夫」という業務がそもそも少ないです。
ii. プロジェクト単位でやることが大きく変わる
上記のポイントともかぶりますが、コンサルタントはお客様の業界や、改革のフェーズが異なれば、やることは大きく変わります。
なんなら、同じクライアント・同じプロジェクトであっても、カウンターパートに誰がつくかで、やるべきことが変わります。
iii. 一流のコンサルタントは現場に出払っている(講師ができない)
これはコンサルティングファームに限らないことかもしれませんが、最前線で活躍している人が研修の講師になることはほとんどありません。
現場でクライアントに向き合い、自分のメンバーの育成に心血を注いでおり、全社の研修に赴くモチベーションがあまりないというのが実情と思います。
ここまでは、コンサルティングファームの現状の研修プログラムについて、所感をつらつら書いてみました。
後半では、弊社がコンサルタントに求めるスキル体系や、研修プログラムの中身について説明しようと思います。
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