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春節の帰省ラッシュに負けじと駅に凸るも惨敗して帰国できなくなった話

2月5日

今頃私は札幌にいるはずだったが、なぜかまだ中国棗荘にいる。

もともと私は冬休みが始まった1月16日に一時帰国予定で2月20日まで約一ケ月日本で過ごすはずだった。

が、しかし、猫にかじられ狂犬病ワクチンを五回打つことになり、急遽予定変更。春節をぼっちで過ごすことになる(それはそれで至福)。

返金変更不可の安い便だったので、本来お金は戻ってこないが、ダメ元で狂犬病感染の疑いでワクチン接種必要と医師に診断書を書いてもらい提出、この辺のくだりはかなり苦労したので、別記事に書くけど、とにかく奮闘した結果、全額戻ってきた。

これは国際便
日本国内便のほうもねじ込んで全額返金

そして新たにチケットを取りなおす。

私の五回目の最後のワクチンの日は2月4日。
帰国するならこの後だ。

2月4日午前中ワクチン接種

昼間休息

夜、上海へ移動

夜中2時20分上海発✈早朝6時20分東京着

11時頃東京発✈お昼到北海道着

こんな感じの予定だった。

この時期は札幌が雪まつりなので、国内便がどうしても高い。

どうしても東京から北海道までの便が二万近くしてしまい(中国から日本までとほぼ変わらない)、全体で一万ぐらい高くなってしまう。

それでも一万ぐらいの損で済むはずだった。

昨日までは!!!!!!

高鉄の春節ラッシュ

2月4日
朝、私は最後のワクチン接種のため病院に行く。

そこで謎の犬集団発見。

もう一匹いて全部で五匹。お見舞い???

この日、私は受付に必要なQRコードもパスポートも忘れてきていたが、受付の人も看護師さんも顔見知りなので何とかなった。

今日が最後の「ワクチン終了記念」で、みんなで写真を撮る。
ここらのある程度年配の人は、すぐ記念写真を撮りたがり、なんでもお祝いしたがり。

まあ、そんなノリの中暮らしていたので、高鉄のチケットがなくても何とかなるだろうと高をくくっていた。

そう、私は上海に行くまでの高鉄のチケットがなかったのである。

まず、私は1月16日帰国できなくなった時点で次の予定の航空便を探した。少しでも安いチケットを探すために必死だった。

しかし、高鉄のチケットは乗車日の二週間前じゃなければ購入ができない。

それが1月21日。

たぶん18時頃発売だろうってぬるい気持ちでいた。

まさか人気のチケット争奪戦な状況とは思ってなかった。

結果、予約した時には、すべての時間のチケットが売り切れていた!!!!

今まで高鉄のチケットが取れなかったことなんて一度もない。

が、しかし、2月4日は春節最後の日だそうで、帰省ラッシュなのだ。

知らなかった!!!!!!

どうも日本人の感覚で、正月休みはせいぜい三日ぐらいだろうと思ってたし、みんながみんなふるさと帰って一週間も休むとは考えられなかった。

後から知ったことだけど、2月5日、つまり今日が仕事始めなのだそう。

で、どうしたかというと、候补票(ウェイティングチケット)というキャンセル待ち。

学生のアプリを使って8枚、私のアプリで5枚、予約待ちすることに。

学生のアプリでのチケット獲得成功率は85%となっていた。
だから何とかなると思っていた。

いざとなったら立ち乗りでもいいから乗り込もうと思っていた。

2日の日に一緒にごはんを食べた駐在員さんにもまだチケット取れてないと言ったら調べてくれて、当日チケットを窓口で買えば何とかなるって話だったし、当日キャンセルが出るかもしれないとまだ甘い気持ちでいた。

思えばこの時駐在員さんと話した内容がもうフラグだった気がする。
私はべたべたにウェットな人情派の人間だが、女の人のほうが一般的にドライだということを駐在員さんは言っていた。

それでも私はこの棗荘の人なら田舎の人情があると信じていたし、実際、病院のおばさんたちはみんな人情家だ。そう!おばさんなら!!!!

結局当日午後になってもキャンセルは出ない。

私は前日に作った嘆願書を手に家を出る。

「私は今キャンセル待ち中ですが、何が何でも今晩上海に到着しなければなりません。今夜の飛行機で私は日本に帰国したいのです。
国には年老いた父が私の帰りを待ちわびています。※別に待っていない
私も帰国後病院に行かねばなりません。※歯医者
席がないなら立ってでも上海に行きたいのです。
何卒ご慈悲を~、そのお情けに非常に感謝する次第」

こんな感じ

しかし、窓口の女性はちらっと文書を見ると、あっさり

「チケットはありません」

30代ぐらいの女の人だ。

「え、立ってもいいけど!この時間帯ならどれでもいいけど!」

そう言って、私はキャンセル待ちしている高鉄の時間帯を見せる。
(写真のちいかわメモ参照)

しかし答えは同じ。

「ありません」

まさに取り付く島がない。

一度ここで私は引く。

中国あるあるで、人が代われば対応も変わる。

この時の時間15時半ぐらい。

(この人17時ぐらいに帰るかもしれないし、そしたら再突撃をかまそう)

しかし、ここまでダメとはまったく予想外だった。

なんか本当にコロナ後にこの田舎の地方都市も顔認証やらで大学もマンションも自由に入れないし、「決まりですから」みたいのが厳格。

そもそもこの国は国としては規制は厳しくても民間はわりとゆるゆるだったはず。

まるでこれじゃマニュアル通りの日本じゃないか!

しばらく外で呆然とする。

駅はそこまで混みあってなかった
誰かのお迎えの人と帰りたそうな犬
トイレで充電してる人がいたので真似る

時間は17時。

よし、再突撃じゃ!

が、しかし、窓口はさっきと同じ女の人。

それでももう一度嘆願してみる。

「上海行はありません」

はい、撃沈。

その後しばらく窓口横ではる。

もし他の人がOKなら(そんなこともあるのがこれまでの中国)、それに便乗して「じゃ、私もいいよね! 一人も二人も変わらないよね!」とねじ込むつもりだった。

が、他の人が頼んでもダメ、おじいさんが必死に頼んでもダメ……

ああ、だめだ。
お年寄や外国人に優しい田舎のこの土地で、それでもだめならもうだめだ。

もう、じいさんが「頼むよぉ!!!」とやってもダメなのを見た時、絶望的な気分になった。

私が通ってた病院だったら、おじいさんがこれだけ頼んだら即OKと思う。

しかし中国の人は、ダメなときはダメだとあっさり引き下がる印象。

私もこの感覚身についてるけど、いけそうな時とそうじゃない時ってのがある。今回は明らかにいけなさそう。

もうこうなったらキャンセル待ち成功の奇跡にすがるしかない。

日が暮れて寒くなってきたので、私は少しでも建物の中に近いところで待機。

目の前を、高鉄に乗車する人たちが通り過ぎていく。

この透明パネルの向こうに上海行の夢の高鉄乗り場

透明なパネル越しに別れの挨拶をする家族、恋人、友だちなど。

なんか色んなドラマがあった。

見送りに来た年取ったお母さんは「見送りでもパネルの向こう行けるよ」とお嫁さんに言われて「あたしゃいいよぉ」とか。でも遠ざかる息子夫婦を寂しそうに見ている。

娘を見送るお父さんは一見そっけない様子だけど、娘がゲートに入るまでずっと見送っている。

大きな荷物をみんな持たされて(中国の土産はでかい)、家族との別れを惜しんでる。

座り込みおにぎりを食べながらそれを見ている駅のホームの裸の大将な私

てりやきチキンおにぎりとチーズおかかおにぎりを持参していた

なんか寒くておなかすいてると人間悲しくなってきて、私が冬休み餌やりに行っていた大学の野良猫たちの気持ちもわかるというか、透明なパネルの向こうに行けない自分が惨めだった……。

そして悲観妄想爆走。

友人の理系女子にチャット。

私「ああ、目の前を高貴な方々が高鉄に乗るために並んでいる。特権階級」

リケジョ「普通にチケットとれた人では?」

私「私はいつも選ばれない(´;ω;`)ウッ…」

リケジョ「またいつもとか言ってる。例外なんてすぐにみつかりますよ」

別の友人にもただのうっかりと無知とメンヘラと言われる

そうは言っても、キャンセル待ちチケット8枚とってくれてる男子学生から時間が過ぎるたびに「先生、今回もダメでした」と連絡がきて、残りの列車がどんどん減っていく虚しさと寒さ……

悲観と妄想で頭おかしくなってる自分

駅でおにぎり食べながら奇跡を信じてねばること約五時間。

諦めたら試合終了だが、タイムオーバーのゲームセットで諦めた……。

乗合タクシーで上海に行く手もあったが、昼の時点で12時間かかるとのこと。この時20時で、夜でも少なくとも8時間の乗車。

無理だ……。

私は駅からタクシーでマンションに引き返す。

帰宅時間たぶん20時半ぐらい。

もう一個のおにぎり、持参していた大根の糖漬け、果物を食べ、もう爆裂疲れてたのでベッドにちょっと横になってそのまま寝落ち。

朝方一回起きて、顔洗ってもう一度ベッドへ。

余談だが私は前日寝方が悪かったのか背骨がずっと痛かった。

それが起きた時にボキッとうまいぐあいに入り、痛みが治った。

すると、なんか急に元気になり、リベンジに向けてベッドに寝ころがりながら、航空券を探し始めた。

三度目の正直なるか!帰国計画

昨日はとにかく体がきつかったのだ。
ワクチン打った日というのも関係あったのか知らんけど、何より背骨が朝から痛かった。しかしそれが回復!

それでも昼間の夜行性動物のように、動くべき時の活動に向けて体力温存するかのようにずっと横になっていた。

そうして横になりながら、私はまず高鉄のチケットから探した。

昨日の教訓として、当たり前だけど、空港まで行けなければ意味がないのだ。

窓口の鉄の女は「明日もチケットはありません」と言っていた。

確かに直行だと明日も明後日も完売状態は変わらない。

でも女子学生の一人が「先生!乗り換えならあります!」と言った。

それは、ここからすぐの徐州東まで行き、そこから乗り換えて上海を目指すというもの。

それなら明日の夜にある!

七千円

そして航空券は、預け荷物ありで安かったのがこれ

38000円が水の泡になったが、今回は25670円である。

今更言ってもしかたないけど、だったら最初からこの日に帰ればよかったんだよぅ!!!!

しかし後の祭りである。

今回はまず夜に到着した上海虹橋駅からどうやって浦東空港まで夜中移動するかが第一関門。

学生がDIDIで順風車を呼んでくれることになっている。

順風車といえば2018年にドライバーが殺人事件を起こして中国でも有名な映画にもなってるが、学生は大丈夫と言っている。

まあ、その後徹底的に調査とか入ったようだ。

ただ相乗りだと変な人が一緒だと心配だから一人にしていいかと聞かれた。

「一人貸し切りは80元(1600円)で高いですが」

「いや、安いしいいよ」

車で45分はかかるところを1600円なら日本人の感覚でいうと安いし、普通に空港のタクシーで行けばもっと高い。

いい運転手さんであることを祈る。

順調にいけば2時には空港到着するだろう。

私は無料でラウンジを予約していて仮眠するつもりだったが、さっき確認したらラウンジは6時から……。

こんなことなら韓国の空港の方を無料ラウンジ使用にすればよかった……。

飛行機は8時なんだから6時からなら1時間ぐらいしか使えないじゃないか。

でも韓国は韓国で初めてだし、荷物は一度受け取ってまた預け直ししなきゃないので、3時間半のうちどれだけ時間余るかわからない。

でも1時間以上はある気がするんだけど……

友だちが仁川空港のスンドゥブがおいしいと言っていた……。
でもクレジットカードは古いカードしかないし、元か円の現金使えないなら食べれないのでは……悲しみ。

何より英語も韓国語も話せない。
空港なら中国よりは日本語通じそうな気がするけど。

何にしても知らん空港、初の韓国でトランジット不安。
水すら買えないんだろうか……。
中国なら無料でお湯とか汲む場所あるけど。

いやあ、マジで無料ラウンジ使うのなんで中国にしたんだー。
仁川国際空港のVIPラウンジのほうがいいと思うしー。
何より水分心配。

あと乗り換え間違えないだろうか……。
きっと中国からの同じ飛行機に札幌の雪まつりに行く人もいるはずだ。

雪まつりに浮かれてそうな中国人をみつけてついていくしかない。
韓国人が雪まつり行くと浮かれてても韓国語だからきっとわからないし。
「雪」って韓国語ぐらい覚えておこうかな……。

まあそんな雪に浮かれる人探すよりは、普通に簡単な英語ぐらい覚えておいたほうが……。

まあ、何とかなることを祈る。

札幌に着いたらお向かいさんが泊めてくれることになっている。

毎回父の家に帰ると自分の寝床確保にたいへんな目に遭うからだ。

夏は部屋がかび臭くて夜窓全開で換気しながら、寒さで泣きながら腹筋して体を温めた。

前に冬帰った時は、地震でガラスが散乱した状態で、夜、ストーブもつけられず、泣きながらガラスを拾い集めた。

あと、冬、玄関につくまで雪かきをしなければ入れないということもあった。

今回、徹夜の大移動でおそらく泥のように疲れているから、それはごめんだ。

お向かいさんは暖かい部屋、私のための食事(晩御飯、朝ごはん)を用意して待っていてくれるという。ありがたい。

6日の歯医者はキャンセルして諦めたが、8日の予定は何とか間に合いそうだ。8日には以前の回転寿司バイトのみなさんと会うことになっている。結婚した女子のことも祝いたい。私の一度目の帰国変更で予定変更させてしまったので、何がなんでも今回はというのもあった。

でも7日夜に到着で疲れてるので、翌日午前中に備えて、父の家で体力気力消耗したくないから、お向かいさんが泊めてくれるのは本当にありがたい。

明日はなるべく昼は動かず夜に向けて体力温存。
今日は近くのスーパーで今日明日の食料を買ってきた。

明日食べる予定の火鍋

晩御飯は冷凍していたハヤシライスを食べる。
もしこれでおなか壊しても一日前なら間に合う(下しタイム)。

明日は火鍋を食べ、またおにぎりを作る。

バナナも二本買ってきた(足つらないため)。
デコポンみたいのも(なんか旅行といえばミカンな昭和)。

そして昼は筋トレをしていた。

三度目の帰国チャレンジ!体力気力勝負!

今度こそリベンジじゃ!!!!!




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