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【切手サイズの進化!】皮膚パッチで連続血圧測定が実現へ

血圧測定は健康管理に欠かせないものですが、腕にカフを巻いて測定する従来の方法では見逃される重要な血圧変動が存在します.

そんな中、切手サイズのウェアラブルパッチがその課題を解決する可能性を秘めています😆✨️

米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)が開発したこの新技術*について詳しくご紹介します.

*参考文献📖 Zhou S, et al. Nat Biomed Eng. 2024 Nov 20.


1. 血圧測定の課題と新しい可能性


血圧を安定させることは、私たちの健康を守るためにとても大切です.血圧が高いままだと、心疾患や脳卒中だけでなく、腎臓病や認知症の原因にもなります.

現在、病院や家庭では「カフ」と呼ばれる器具を腕に巻いて血圧を測りますが、この方法にはいくつかの問題があります.

まず、血圧を測るのはその時の一瞬だけなので、日常生活の中での血圧の変動や、運動やストレスがどう影響するかが分かりにくいのです.さらに「白衣高血圧」といって、診察室で測ると血圧が高くなりやすい人もいれば、逆に「仮面高血圧」といって、家庭で測ったときだけ血圧が高い人もいます.こうした状況では、正しい診断が難しくなりがちです.

そこで、米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)の研究チームが開発しているのが、皮膚に貼るだけで血圧を測り続けられる「皮膚パッチ」です😯!

このパッチは、柔らかい素材でできていて、腕に貼り付けるだけで血圧をずっと測定し続けられます.これにより、日常生活の中での血圧の変化をリアルタイムで観察できるようになります.

2. 新しいパッチの仕組み


このパッチはどのようにして血圧を測るのでしょうか🤔?

パッチの中には「超音波」を出す小さな装置が入っています.超音波は病院の検査にもよく使われますが、音波が体の中を通るときに変化する様子を捉える技術です.

このパッチの場合、超音波で血管の太さがどう変わるかを測ります.血管が広がったり狭まったりすることで血圧が分かる仕組みです.

さらに、この技術のすごいところは血管の太さをリアルタイムで測定し続けられることです.これにより、1日の中で血圧がどのように変動するかを詳しく知ることができます.

たとえば、食後、運動後、あるいはストレスを感じたときなど、血圧がどのように変わるかを観察することができます.

※写真はイメージです、実際の測定パッチではありません

3. 実際に使った結果は?


このパッチは、病院での厳しい環境や日常生活の中でテストされています.

集中治療室にいる患者や心臓の検査を受けた患者を対象とした試験では、このパッチが測定した血圧値は、従来の血圧測定方法(動脈ライン)で得られた値とほとんど同じでした.動脈ラインは、体に針を刺して直接血圧を測る非常に正確な方法です.

この結果から、パッチが非侵襲(針を刺さずに体に優しい方法)でありながら、高精度な測定ができることが分かりました😯

さらに、このパッチは日常生活の中でのテストも行われています.たとえば、腕や脚を上げる、椅子から立ち上がる、自転車をこぐといった動作中でもパッチの測定値は正確でした.これは、従来のカフでは得られないデータを簡単に得られることを意味しています.

4. パッチがもたらすメリット


このパッチを使えば、血圧の連続データを詳しく知ることができるので、これまで見逃されがちだった血圧の変動を把握することができます.

これにより、以下のようなメリットが期待されます.

★白衣高血圧や仮面高血圧の早期発見
診察室や家庭での血圧の違いを正確に把握できます

薬の効果を確認
降圧薬を服用している場合、その効果が時間とともにどう現れるかを確認できます

日常生活の影響を知る
食事や運動、ストレスなどが血圧に与える影響をリアルタイムでモニタリングできます

さらに、このパッチは医療現場だけでなく、スポーツ選手のトレーニング管理や個人の健康モニタリングにも応用できる可能性がありますね🏃

5. 次のステップ


研究チームは、このパッチをさらに改良し、大規模な臨床試験を実施する計画を立てています.より多くの患者や健康な人を対象にテストすることで、さまざまな条件下での正確性や使い勝手を検証していく予定です.

またパッチのデザインをさらに小型化し、使いやすさを向上させることにも取り組んでいます.

6. 未来の応用可能性


このパッチ技術は、血圧管理に大きな変化をもたらすだけでなく、心疾患や腎臓病、脳卒中などの予防や治療にも役立つ可能性があります.

また、ウェアラブルデバイスとしてスマートフォンと連携し、個人が血圧データを簡単に記録・分析できるようになる未来も期待されています.

こうした技術は、健康管理をより身近で便利なものに変えてくれるでしょう.

まとめ


ウェアラブル技術が進化し、血圧測定の常識を大きく変えようとしています.

UCSDの研究チームが開発している皮膚パッチは、非侵襲でありながら高精度な連続血圧測定を可能にし、医療現場から日常生活まで幅広く活用されることが期待されています.

血圧測定がもっと手軽になり、健康管理がさらに身近になる日もそう遠くないかもしれません.

あとがき


新しい技術が、私たちの健康を守る方法をどんどん変えていきます.

今回の皮膚パッチもその一つ.手軽に血圧を管理できる未来が来ることで、私たちの健康意識もより高まることでしょう.

日々の生活をもっと健康的にするため、こうした技術に注目してみるのも良いかもしれません😊

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No.28@呼吸器内科医
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