【国内大規模研究】1歳半までのケガが7歳までの再発リスクを高める

｢1歳半までのケガが、将来のリスクを高めるって本当？｣🤔

岡山大学の研究チームは、約2万人の子供を対象にした大規模な調査*で、1歳半までにケガを経験した子供が7歳までに再びケガをする可能性が高いことを明らかにしました．

*参考文献📖 Hiraoka T, et al. Sci Rep. 2024;14:24716.

この記事では、その研究の詳細と、家庭での注意点について解説します．

1. 研究の目的と背景

---

子供は発達過程でさまざまなケガを負いやすく、その一部は重大な健康リスクを伴います．これまでの研究では、頭部外傷で死亡した子供の多くに過去の受傷歴があることが指摘されていました．

しかし、多くの研究は過去のデータを用いた後方視的研究であり、子供のケガの再発リスクを前向きに調査した研究は限られていました．この課題を解決するため、岡山大学の研究チームは、日本全国のデータを活用して詳細な分析を行いました．

2. 研究の方法

---

★対象と期間
・調査対象：2010年5月10日～24日に出生した子供4万3,767人
・フォローアップ期間：7歳まで(2010年～2021年の10年間)
・最終解析対象：2万191人の家庭

★データ収集方法
・厚生労働省｢21世紀出生児縦断調査｣のデータを使用
・ケガのタイプ分類
　　やけど
　　誤飲
　　転倒
　　溺水
　　挟まれ
　　切り傷･噛み傷
　　交通事故

3. 研究結果

---

★ケガの発生状況
・1歳半までにケガを経験した子供：80.4％ (1万6,239人)
・1歳半以降のケガの発生率：35.6％ (7,179人)

★1歳半までのケガと7歳までのケガの関連
1歳半までにケガを経験した子供は、7歳までに1.48倍のリスクで再びケガを経験
(調整オッズ比〔aOR〕1.48、95％信頼区間1.37～1.60）

★ケガの種類別再発リスク
　・やけど：aOR 1.47（1.31～1.65）
　・誤飲：aOR 1.35（1.17～1.55）
　・転倒：aOR 1.34（1.26～1.43）
　・溺水：aOR 1.29（1.19～1.40）
　・挟まれ：aOR 1.22（1.15～1.29）

⚠️切り傷、噛み傷、交通事故などは、1歳半での受傷歴とは有意差が見られませんでした．

4. 5歳半時点の行動とケガの関係

---

研究チームは、5歳半の時点での問題行動(話を聞かない、我慢できない、約束を守らないなど)との関連性も調査しました．

・問題行動のない群：aOR 1.44（1.31～1.57）
・問題行動のある群：aOR 1.72（1.42～2.08）

どちらの群でも1歳半までのケガ歴があるとケガの再発リスクが高いことが明らかに😯！

5. 研究の考察と提言

---

この研究から、以下の重要なポイントが示唆されました．

★1歳半健診の重要性
やけどや誤飲などのケガ経験がある場合、家庭での安全対策を徹底する必要がある．

★乳幼児のケガ予防強化
約80％の子供が1歳半までに何らかのケガを経験していることから、普遍的な安全対策の普及が求められる．

★問題行動の影響は限定的
ケガの再発リスクは子供の行動特性だけでなく、環境要因が大きく関与している可能性が高い．

まとめ

---

この研究は、1歳半までのケガが将来的なケガの再発リスクを高めることを示した国内初の大規模縦断研究です．

★特に注意すべきポイント
　・やけどや誤飲は特に再発リスクが高い
　・家庭内の物理的な安全対策が重要
　・1歳半健診でケガ歴のある子供には追加の指導が必要

あとがき

---

子供の安全は、親や保護者の意識次第で大きく変わります．

特に乳幼児期のケガは、将来的な健康リスクに直結する可能性があります．

日常生活での予防意識を高め、一人でも多くの子供が安全に成長できるよう、家庭内の安全対策を見直してみませんか😆？