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自己負担増か?「高額療養費制度」の行方

医療費の負担を軽減する「高額療養費制度」…

このセーフティネットが見直しの岐路に立っています.

現行の仕組みは収入に応じて負担額が異なるものですが、厚生労働省はその上限額をさらに引き上げる可能性を示唆しました.

社会全体に影響を及ぼすこの改正案、どのような変化が起きるのでしょうか🤔?

今回の記事は医師側からの目線が強くなっていますが、お付き合い下さい💦笑

1. 高額療養費制度とは


高額療養費制度は、医療費の自己負担が家計に大きな負担をかけないよう、所得に応じた上限を設けた仕組みです.現在、70歳未満の自己負担上限額は5段階に分かれています.一般的な医師の平均年収は1,500万円くらいなので、おおむね最上位層に入ります😢

例えば、平均的なサラリーマン家庭の月額自己負担上限は8~10万円(※1)程度ですが、一方で高所得層では25~28万円程度(※2)になることもあります.

※1:8万100円+追加自己負担分、4回目からは多数該当が適用され3万5,700円減る

※2:25万2,600円+追加自己負担分、4回目からは多数該当が適用され11万2,500円減る

高額な医療が必要になった場合、この制度が大きな助けになる一方で、その公平性には多くの疑問が寄せられているようです.

健康組合や共済組合において、1ヵ月間の医療費の自己負担限度額を決め、限度額を超過した費用を払い戻す制度、みなさんもご存知の「付加給付制度」がある職場なら月2万円くらいで済むこともありますが、多くの病院では協会けんぽのため、この付加給付制度はありません😭私の職場も協会けんぽのため、もちろんありません💦

制度は進化してきたものの、時代に合わせた見直しの必要性が叫ばれています.例えば、2023年では新薬の価格が高騰し、特定疾患の患者さんが高額な治療を受けることがより一般的になりました.

2. 負担増が予想される理由


厚生労働省が2024年11月21日の医療保険部会で示した内容によると、次のような見直し案が検討されています.

★自己負担額の上限を全体で7~16%増加
★所得区分をさらに細分化し、所得の多い層に負担を集中

この背景には、医療技術の進歩に伴う薬剤費の高騰が挙げられます.例えば、年間薬価300万円の認知症治療薬が自己負担8,000円程度で済む高齢者と、自己負担が高額な現役世代の格差が問題視されています.また、新薬の登場による治療費の増加も見逃せません😱

さらに、治療の選択肢が増える中で、高額な治療を希望する患者が増加しています.がん治療においては、免疫療法や分子標的治療薬の使用が一般化しており、これらの薬剤は年間で数百万以上の費用がかかることも珍しくありません😯!

これらの治療を受ける患者さんにとって、高額療養費制度の自己負担額が改定されることは重大な影響を及ぼします.

3. 現役世代への影響


高齢者や非課税世帯への優遇措置は、若者や子育て世代が重い医療費負担を強いられる構図を作り出しています.これにより、次のような状況が起こっています.

★治療費を理由に治療を辞退する若者
★社会に出たばかりの現役世代の経済的負担増加

例えば、40代の医師が入院し高額な薬剤を用いた治療を受けた場合、月々の医療費負担が上限額に達することが多くなります.年収1,500万円を超える場合、実際の負担額は25万円以上になるケースが一般的で、治療期間が長引けばその負担はさらに増します😭

さらに医療技術の進歩に伴い、免疫療法や分子標的薬の使用が増えていますが、これらの治療法は年間数百万円に及ぶ薬剤費がかかるため、現役世代の負担を押し上げています.特に子育て世代では、医療費以外の出費が多い中で、医療費負担の増加が生活を圧迫する可能性が高まっています⚠️

このような状況では、現役世代が十分な医療を受けられる環境を整えるため、政府の制度設計においてさらなる配慮が求められます👀

4. 公平な医療負担とは?


高額療養費制度が真のセーフティネットであるためには、以下のような対策が必要でしょう🤔

★高齢者の受診頻度抑制や自己負担割合の見直し
★医療費の効率化、無駄の削減
★現役世代や若者への支援強化

また、現役世代の中でも家庭を持つ層への特別な配慮が必要です.子育て世代は医療費以外にも教育費や住宅費などの負担が大きいため、医療費負担が生活を圧迫しない仕組みが求められます.

家庭の総収入に応じた階層的な負担軽減策や、負担額を一定水準に抑えるキャップの導入が議論されています.高齢者に対しても、適切な負担を求めることで世代間の公平性を高める必要があります.

現役世代が抱える課題には、医療費以外の生活費負担とのバランスも含まれます.このため医療費負担が過剰にならないよう、家庭ごとの状況に応じた柔軟な制度設計が重要です.

まとめ


高額療養費制度の見直しは、医療費負担をどう公平に分配するかという日本社会の大きな課題を突きつけています😱

特に現役世代や高所得層に対する負担増加は慎重に検討されるべきです.今後の議論の進展を注視し、自身の健康や家計への影響を考えることが重要でしょう.

医療費負担は社会全体で支えるべきものであり、そのバランスを取るための知識を持つことが必要です!

あとがき


医療制度の改正は、私たちの日常に直結する大きな問題です.

「誰もが安心して医療を受けられる社会」を目指し、声を上げることも大切です.医療は誰にとっても必要不可欠なものですから、この機会にぜひ周囲の人と意見を共有してみてください😊

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No.28@呼吸器内科医
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