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超加工食品の大量摂取と乾癬の悪化リスク:誰でもわかる乾癬と食生活の関係

乾癬(かんせん)』という皮膚疾患を聞いたことがありますか🤔?

自己免疫の異常が原因で起こるこの疾患は、肌の見た目だけでなく、生活の質にも影響を与えます.

最近の研究*で、食生活、特に超加工食品の大量摂取乾癬の悪化関連している可能性があることが示されました.

*参考文献📖 Penso L, et al. JAMA Dermatol. 2024 Nov 27.

この記事では、乾癬についての基礎知識から、超加工食品と乾癬の関連性まで、わかりやすく解説します😊


1. 乾癬とは?


★乾癬の概要
乾癬は自己免疫が関与する慢性の皮膚疾患で、皮膚の細胞が通常よりも速く生成され、表皮が厚くなることで特徴付けられます.

この過程により、赤くてかゆみを伴う発疹や、銀白色の鱗屑(りんせつ:剥がれ落ちる皮膚)が現れます.

★乾癬の主な症状
 ・赤く盛り上がった発疹(プラーク)
 ・発疹の表面が銀白色に見える鱗屑
 ・ひじ、ひざ、頭皮、背中などに現れやすい
 ・かゆみや痛みを伴うことがある.

★家庭でできる乾癬の診断ポイント
「乾癬かもしれない」と疑うポイント💡
 1. 皮膚が赤く盛り上がり、白っぽい膜がかぶっている
 2. ひじやひざ、頭皮など、圧力がかかる部分に症状が現れやすい
 3. 症状が慢性的に続いている

※ただし、診断には専門医の診察が必要です.
 自己判断で放置せず、皮膚科を受診してください.

2. 超加工食品とは?


★超加工食品の特徴
超加工食品とは、以下のような特徴を持つ食品を指します.

 ・人工的な添加物(着色料、香料、乳化剤など)が含まれる
 ・自然食品を加工した材料(デンプンや添加糖)を主成分とする
 ・調理せずにそのまま食べられる

代表的な例では、
 ・パッケージ入りのスナック菓子
 ・インスタント食品や冷凍食品
 ・甘いシリアルやソフトドリンク

3. 研究概要:超加工食品と活動性乾癬


★研究の目的
フランスのアンリ・モンドール病院が、超加工食品の摂取と乾癬(特に症状が重い活動性乾癬)の関連性を調査しました.

★対象者と方法
 対象者:18,528人(平均年齢62歳、女性74%)
 調査期間:2021年11月〜2022年6月
 結果:参加者の10%(1,825人)が乾癬患者
    そのうち4%(803人)が活動性乾癬と診断

★結果
・超加工食品の摂取量が多い人ほど活動性乾癬のリスクが高い
・最も摂取量が多いグループでは、最も少ないグループに比べて36%高いリスク(オッズ比1.36)
・肥満だけでは説明できない関連が示唆された

4. 超加工食品が乾癬に与える影響


1. 炎症の促進
超加工食品は、体内の炎症反応を促進する成分(例えば添加糖や飽和脂肪)を多く含みます.炎症は乾癬の悪化に関与します.

2. 免疫システムへの影響
超加工食品に含まれる添加物は、腸内環境を悪化させ、免疫バランスを崩す可能性があります.これが自己免疫疾患である乾癬の発症や悪化に影響を与えると考えられています.

5. 日常生活での対策


1. 超加工食品を減らす
 ・スナック菓子やインスタント食品を控える.
 ・自然食品(野菜、果物、ナッツなど)を中心にした食生活を心がける

2. 抗炎症作用のある食品を取り入れる
乾癬の症状を軽減する可能性がある食品として、
 ●オメガ3脂肪酸:魚、亜麻仁油、クルミ
 ●ポリフェノール:緑茶、ココア、ブルーベリー
 ●ビタミンD:魚、卵黄、サプリメント

3. ストレス管理
ストレスは乾癬を悪化させる一因です、瞑想や軽い運動などでストレスを軽減しましょう.

まとめ


乾癬は自己免疫が関与する慢性的な皮膚疾患で、超加工食品の大量摂取が活動性乾癬の悪化と関連している可能性があります.

特に添加物や飽和脂肪を含む食品は、炎症を促進し、症状を悪化させるリスクがあります.

健康的な食生活を心がけることで、乾癬のリスクを軽減できるかもしれません.

あとがき


乾癬は、見た目の問題だけでなく、生活の質にも大きな影響を与えます.

今回の記事が、乾癬を理解し、自分自身や家族の健康を守る手助けになれば幸いです😆

日々の食事から健康を意識し、乾癬やその他の自己免疫疾患へのリスクを減らしていきましょう.

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No.28@呼吸器内科医
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