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ベルリン生活7年目の記録(その1)
最後に記事を書いてから1年以上が経ってしまいました。今回は7年目となるベルリンでの生活について、移住当初と比較しながら書きたいと思います。
移住当初と現在の違い
物価の変化
移住当初(2017年秋)と比べて一番変わったのが物価です。当時は1€が130円程度で(現在は1€=160円程度)、東京から引っ越した際は物価が比較的安く感じられましたが、特にコロナ以降は為替の変動に加え、家賃や食費などの生活費が目に見えて上昇しました。そのためか、当時多かった日本円収入でベルリン生活を送る日本人フリーランサーは、残念ながら最近では減少傾向にあるように思います。
物価について具体的な話をすると、2017年当時は2部屋のアパート(約70平米)が光熱費含めて600-1000€ほどでしたが、現在は2000€することも珍しくないようです。実際に最近家族でベルリンに戻ってきた友達はその程度の家賃で契約したと聞きました。そもそもアパートが見つからないという別の問題もありますが、この状況は年々悪化していると感じます。
家賃以外でいうと、カフェやレストランの価格も上昇しました。ベルリンのB級グルメの代表格であるケバブも、当時は3.5€ほどだったのですが、現在は7€と倍程度になっています。
ただ、それでも野菜や果物は東京よりずっと豊富で安いと感じます。スーパーで買い物して自炊すれば栄養があるものを安く摂取できるのは健康的で良いです。
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それ以外の変化
物価以外では、街の変化よりも私個人の状況の変化が大きいので比較が難しいのですが(大学院生→フルタイム会社員、定住許可も取得しました)、あまり変わったという印象はありません。ウクライナ戦争等もあり移民・難民は増えているようですが、ベルリンは大分前からインターナショナルですし、個人的には以前より治安が悪化したとはあまり感じません。人口密度が低いのと街中に公園や森など緑が多いことは以前と同じで、総合的にはとても住みやすいと思っています。
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ただ、2024年末現在はドイツの景気後退やテック業界のレイオフなどもあり、失業中の知人に会うことが多くなりました。多くの人が失業保険を受給しているので深刻な状況にある人は少なそうな印象がありますが、今就職・転職活動をするのはかなり厳しいので、もう少し経済状況が良くなってくれるといいなと思っています。
住んでいた地域の変遷
引っ越し履歴
7年間ずっとベルリンに住みながらも市内で何度も引っ越しをしました。個人的に引っ越しするのは嫌いではないので特に苦ではなかったのですが、そもそも短期の契約だったり、パートナーと住むことになったりと色々な理由で引っ越しています。
変遷は以下の通りです。
2017年東側BaumschulenwegでWG(シェアアパート)
2018年東側Rummelsburgで当時のパートナーと同棲
2019年東側PrenzlauerbergでWG
2020年西側CharlottenburgでWG(直後にコロナ流行)
2023年西側Moabitで一人暮らし
2024年初から東側Prenzlauerbergで現在のパートナーと同棲
西側も東側も住んでみましたが、特に好きなエリアは公園が多い西側のCharlottenburgと今住んでいる東側のPrenzlauer Bergです。近所はお洒落なカフェやレストランが多いのに、一つ路地を入れば閑静な住宅街という雰囲気なのが気に入っています。また、中心部なのでメトロやトラムの駅が多くどこへでも行きやすいです。
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家探しについて
ベルリンでの家探しというのは大きなテーマで、先ほども書きましたがこの街で家を探すのは本当に難しいです。
来た当初は大学院生で、全く何のツテもコネも(お金も)なかったので、MixBという日本人向けのウェブサイトでWGと呼ばれるシェアアパートを見つけました。一人用の長期のアパートを探す場合は色々と書類(収入証明書やSchufaと呼ばれる信用スコア証明書など)が必要なので、やはり移住初期はWGに住むのが手っ取り早いと思います。コロナ前は300-500€ほどで家具付きの一部屋を借りることができたのですが、最近は同じ条件で400-800€程度でしょうか。
何年かWGで暮らしていましたが、一人暮らしのために長期のアパートを探した際は本当に大変でした。Ebay KleinanzeigenやFacebookグループでも探しましたが詐欺やスパムなどが横行しており難航したので、結局Immoscout24という不動産サイトの有料アカウントを作ってアパートを見つけました。
内見に呼ばれるのも一苦労な上に、内見に呼ばれた複数人(基本的に5人以上)の候補者の中で選ばれる必要があるので、高倍率を突破しなければなりませんでした。晴れて一人暮らしをしていた間も、次々と起きる家のトラブルを全部自分で処理しなければならず苦労しました。
現在のアパートはコネもあり、中心部で4部屋あるのに光熱費込みで2000€以下という破格の条件で住めているのですが、数年後は家賃が上がるかもしれず、その時は郊外に住むか、もしくはドイツ国外への転居も視野に入れています。
少し長くなってしまったので、今回はこの辺で。
次は仕事や日常生活、今後の展望について書きたいと思います。