【ミドルからシニアへ】ドイツでUXデザイナー転職
今週、アメリカに本社のあるIT企業からオファーがありました。欧州にいくつか支社があるのですが、ベルリンにはオフィスがないので、オフィスのある都市に移動しない限りは当分フルリモートワークになります。
ベルリンに来てこの秋で丸5年で、今回の転職で4回目になります。ITの職種では転職が前提とはいえ、数と頻度で見ると少し多いかもしれません。良いのか悪いのかわかりませんが、常に転職活動をしている感じです。今回は特に運が良く、UXブートキャンプを受講中に間に知り合ったデザイナーからリファラルされて面接を受けることになりました。
ちなみに、なぜこんなに転職しているかというと、不可抗力もありましたが、これが給与を上げるのに一番早い方法だからです。
最初にベルリンで働いた3社は全てスタートアップで非常に不安定だったので、より安定した次の仕事を見つけなければいけなかったのもありますが、それは別として、基本的には転職すると大体給与が上がります。また、私はまだデザイナーとしてキャリアが浅いので、色んな職場で様々な経験を積むことも重要だと思っています。
転職回数が多すぎて不利になるといったことは日本ではあるかと思いますが、米国・欧州のIT業界ではあまりなく、実際にLinkedinを見ると本当に皆年中転職しています。
また、年齢制限といったものもほぼ無く、面接官が年齢を聞くのはタブーで(確かアメリカだと違法だったはず)一度も面接で聞かれたことはありません。さらには働いている同僚の年齢も知りません。こういうところは本当にフラットで良いと思います。
今回の主な転職理由は、基本的にはやはり給与と、よりインパクトのある仕事ができそうだからというところです。こちらではインフレが加速していて、純粋に生活防衛のためにできるだけ収入を高めたいと思っていました。同じ会社にいても残念ながら給与は上がらないので、やはり転職は遅かれ早かれ避けられなかったと思います。そしてできれば本格的なリセッションが来る前に転職したいなと考えていたところです。
また、今まではミドルのランクでしたが、シニアのランクとなるところも大きなポイントでした。
まだ今の職場の上司には伝えていないのですが、オファーをもらった会社から既に契約書が届いているため、来週以降には伝えようと思っています。今の会社にほとんど特に不満はなく、楽しく働かせてもらってとても感謝しています。むしろ日独で今まで働いたどの会社より、良い環境を与えてもらっていたと思います。
ただ、今の会社は非常に安定したプロダクトを10年以上運営しているのですが、コアの機能は既に実装されているだけに、プロダクトとしてこれ以上拡大・成長していくのは難しそうな印象がありました。
次の会社は、より成長過程のプロダクトのデザインを担当することになるので楽しみです。
転職面接について
今回の面接は割とスタンダード(かもしくはよりライト)で、
HR面接(30分)
→ Head of Design面接(1時間)
→ Senior Designer複数との面接(1時間、ケーススタディのプレゼンあり)
→ Head of Product面接(1時間)
という感じでした。
全体的にとても和やかなムードで、それほど緊張せずに話せたのが良かったのかなと思います。
聞かれた質問も、「なぜ転職したいのか」「デザインシステムに関わった経験」「今の会社での仕事の流れ」など一般的なものが多かったです。
会社によっては課題などを課すところもあるのですが、今回は無かったので安心しました。ポートフォリオの準備とケーススタディのプレゼンにプラスして、さらに時間のかかるデザインチャレンジを行うのはやはりとても大変です。
また、プレゼンに関しては、オンラインのポートフォリオを見せるのではなく、別にスライドを作って説明できたのが良かったかなと思います。このプレゼンはほぼ100%の会社が面接で求めてくるので、面接を受ける前に準備しておくのがおすすめです。一度別の会社の面接で、リクルーターにプレゼンが必要かを聞いたら不要だと言われたのですが、結局面接時に求められて戸惑ったことがあります。
転職時の給与交渉とレベルについて
交渉というほどのことはしていないのですが、今の給与よりも4割高い給与額をもらえることになりました。
具体的にしたこととしては、リクルーターが給与額を示した時に、「シニアUXデザイナーの給与はXXくらいが市場平均だけど、フレキシビリティはありますか」と聞いてみたことです。やはり、すぐにOKするのではなく、一度できるだけ根拠をあげてとりあえず聞いてみることが大事だと感じます。アグレッシブになる必要はないので、丁寧に聞くのが良いと思います。
ちなみに、ベルリンのシニアUXデザイナーの給与平均はGlassdoorのサイトによると、€74,819(日本円換算1€=142だと約1千万円)です。
ただ、理想としては、市場平均より高い額を指定して、徐々に交渉して現実的な額に持っていく、といった的な展開がより良い給与額を引き出すのに重要な気がするので、気が引けるところもありますが、今後はもう少し大胆になりたいです。
ソフトウェアエンジニアの友達複数とこの話題について話していたところ、やはりみんなこういった交渉は普通に行っているとのことでした。日本人、特に女性は謙虚な人が多いですし、あまり慣れていないかもしれませんが、リクルーターは基本的に何も言わずに給与を上げてくれたりはしないので、思う以上に積極的になるのが良いと思います。一度会社に入ってから給与を上げてもらうのは至難の技のため、オファーが出た後に納得のいく給与を交渉するのは本当に大切です。
とはいえ、正直に言って、給与がどう決まるのか、ミドルやシニアというレベルの括りがどう決まるのかいまだによくわかりません。何年もテック企業でリクルーターをしている友達に聞いてもよくわからないと言っていたので、厳格な基準があるわけではないと思います。単に会社と会社が決める予算によります。
私はUXデザイナーに転職してまだ3年ほどしか経っていないので、既にシニアという肩書きがつくことに戸惑いがないわけではないのですが、ビジネスコンサルタントとして働いていたそれ以前の経験や、今持っているスキルが評価されたのかもしれません。
ただ、同じように同時期にUXデザインのブートキャンプを出た友人の中でも、既にシニアの肩書きを持っている人もいるため、そこまで稀というわけではないと思います。本当にレベルや給与の決定は会社によって違うので、まず聞いてみることをおすすめしたいです。
ちなみに、日本だと源泉徴収票をリクルーターに提出して現在の給与額を申告するといったことがあるようですが、こちらでは全くありません。たまに現在の給与額を聞いてくる会社もありますが、要は自分がその仕事をこなせるかによるので特に正直に答える必要もないと思います。
以上が転職体験記になります。入社は12月ごろになりそうですが、また試用期間が6ヶ月あるため、まずはそこを突破できるように頑張ります。
そろそろベルリンも寒くなってきてしまったので、できれば冬の期間は天気の良い東京かスペインで数ヶ月くらいリモートワークしたいなあ、と思っているところです。
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