奇跡ではない話
この間まで働いていた会社に、10歳くらい年上のお姉さんが入社してきた。
仕事経験は豊富だけれども、がつがつした雰囲気はなく、話しやすい、素晴らしい人格の方だった。そんな方なので、会社の業務以外で個人に仕事の依頼が来ることもあり、たまたま事務所でその方とわたし2人になった際に、依頼のあった仕事について話したことがあった。
それから3か月くらいが経って、わたしは会社を離れる決意をし、転職活動を始めた。そしてある会社から内定をもらった。業界は違うものの、自分の経歴を活かせる内容で、興味のある分野だったので、すごく魅力に感じた業務内容だった。
そこである事実が判明した。なんとその会社はお姉さんが業務委託で仕事する会社だったのだ。前の会社が100人従業員がいるような会社だったら、まあ起こる話かもしれないが、その時社員がたった7名しかいなかったのに。
わたしはそれを会社の方から聞くまですっかり、お姉さんが話てくれたことを忘れていて、『そういえば、そんな話を聞いていた!』とようやく脳内で事実がリンクしていった。
まるで奇跡のように感じた。
転職情報サイトで検索している時は全く思い出さなかったし、業界も違ったから。
でももしかすると、私のなかで、お姉さんから得られた情報が無意識下に存在して、数多ある求人情報の中からその会社の情報が浮き出て見えたのかもしれない。
まるで古本屋の棚から意中の本が見つかるかのように。
そんな『奇跡』ではない話。
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