シン•仮面ライダーを観た
真の仮面ライダー、新仮面ライダーなど色んな意味にもとれる庵野さんのシンシリーズ。
シン•ヱヴァンゲリヲン、シン•ゴジラと期待以上の作品だった反面、シン•ウルトラマンは監督のやりたいこと全開でテーマ性が見えづらく、自主制作をいまやり直した感が強く魅力に欠けた。
今回の仮面ライダーは……後者に近い映画で残念がだった。
庵野印
シン•仮面ライダーは、当たり前だが庵野監督の代名詞である構図が沢山出てくる。
マイケル・ベイ並に観ればすぐわかるのが庵野監督の構図だ。
そして、拘り抜いたライダーキックのシーンと。
正直ヱヴァンゲリヲンを思い出さずにいられないフォームは、蜘蛛オーグもバッタオーグも見事だった。
そして、浜辺美波は綾波レイだった。
テーマが伝わりにくい
いまやヒーロー映画といえども、社会が抱える問題を暗喩した作品が多く、もしかしたら下手な作品よりしっかり社会風刺してることが多い。
白石監督の仮面ライダーブラックサンは、正に社会風刺が強烈な仕上がりとしつつも、硬派な仮面ライダーてしても非常に面白い作品だった。
シン•仮面ライダーはどうだっただろうか?
テーマがなかったわけではないが…伝わってこないのかなぜか?
いや、伝わりやすかったのか?
人類補完計画という人を信じない計画と似た計画が遂行されようとして、最後には人を信じてみよう
そんな話である。
ファンは観たことあるだろう。
これを仮面ライダーでもやっているのだ。
コアなファン向け
相当オリジナルが好きじゃないと、正直オタク度高くてキツすぎる。
ライダーが変身したり、キックでめっちゃ吹っ飛ばしたり、ライダーが飛びまくったり、子供の頃の創造に合わせて上位互換したかのような映像が並べられ、ニセライダーとか出てきてファンは興奮気味するだろう。
でも、それだけだった。
噂のアクション
カットシーン多くて何してるかわからないと言われていた時代もあったハリウッドですら、いまは香港のマーシャルアーツ映画などを研究してしっかりと何をしているか魅せる。
そんなアクションが主流となっているのに、敢えてリアルに拘りぬいたアクションシーンは作風にあっていて悪くはなかった。
映像の質
iPhoneでも撮影してるのかもしれないが、シーン毎に解像度にバラつきがあるのもデカいスクリーンでは気になった。
また、これもわざとだろうが手ブレを多様し過ぎて観づらさを感じるなど、どこまでリアルを追求してんねん、というほど粗かった。(狙いだから粗いわけではないかも…)
途中で飽きてしまった。
なによりもこれがデカい。
ダブルライダーとか、子供心を思い出すがその興奮だけで引っ張っていく作品だったからだろう。
シン•ゴジラは、まったく飽きることがなかった。
それは311という未曾有の体験をし、震災だけはなく原発問題に寝ずに取り組む政府の動きをテレビの画面越しに見守り、一緒に焦った体験を見事に映像化し、ゴジラの真のテーマを力強く描ききったのが最大の魅力だった。
そのような強いテーマがあれば、もっと魅力的だったと思う。
なんども見せられてきた個人の趣味過ぎて飽きてしまったのだ。
残念。