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TrySail「Make Me Happy?」(3000PVリクエスト企画①)

まえがき

つい最近2000PV記念をやったばかりのような気もしますが、今回からは3000PV記念の読者様リクエスト企画となります。

1000PV刻みだとすぐ節目を迎えるくらい、このブログも多くの方に読んで頂けるようになったということでしょうか。
大変ありがたい限りです。
過去のリクエスト企画をまとめたマガジン↓も作ったので、ヒマだからなんか怪文書でも読んで時間潰すか~となった際のお供にどうぞ。

さっそく今回は①TrySail「Make Me Happy?」を紹介していきます。

曲紹介

作詞:ハヤシケイ(LIVE LAB.) 作曲:秋葉広大(LIVE LAB.) 編曲:小松一也

2018年11月14日発売のシングル「azure」のカップリング曲。
アニソン界で存在感を高めつつあるクリエイター集団「LIVE LAB.」の楽曲ということで、聴く前から良い曲なのはもはや確定と言ってもいいでしょう。

筆者の最推しClariSにも関わっている作家陣の方々ですね。
・「CheerS」(作詞:ハヤシケイ)
・「Brave」(作曲:秋葉広大)

歌詞

この曲を初めて聴いて「なんか80's(1980年代)の洋楽みたいな懐かしさを感じるな」とまず思いました。

パッと連想したのはThe Jam「Town Called Malice」とか、

Wham!「Last Christmas」とか。

音色とか編曲の雰囲気が80'sっぽいのも影響してると思うんですが、それ以上に曲構成が洋楽のコーラス~ヴァースっぽい構成になってるので洋楽感が強まってる気がします。

なので、今回の歌詞ブロック表記は「ヴァース」「コーラス」「ブリッジ」で行きたいと思います。

というわけで、さっそく歌詞を読んでいきましょう。
※歌詞は歌ネット(https://www.uta-net.com/song/258810/)からの引用

ヴァース①

襟を立てたコート
歩道の落ち葉蹴って
急いでいるあの人は
待ってる誰かがいるのかな

すっかり冷めたcoffee
今日はちょっと苦い
ショーウィンドウの新作に
見惚れるだけは もうやめよう

「襟を立てたコート」「歩道の落ち葉」なので、冬が近づいてきて風も冷たくなってきた秋の終わり頃(11月後半くらい?)をイメージします。
曲の発売日が11月14日なので、季節感を意識してるのかもですね。
ジャケット写真の3人の服装もちょうどそれくらいの季節な感じがします。(夏川さん生足ですけど・・・笑)

「急いでいるあの人は 待ってる誰かがいるのかな」
ここ良いですね。
この後の歌詞を読んでいくと分かるんですが、主人公はどうやら好きな人にまだ告白出来ていないっぽい状況のようです。
なので、歩道の落ち葉を舞い上げるような勢いで駆け足で急いでいる人を見かけて「誰か大切な人とのデートに遅れそうだからあんなに急いでるのかな・・・」って想像しながら、まだ告白できてない自分と対比しちゃってる、という場面だと思います。

こういう歌詞、凄く好きです。
歌詞がとても映像的で、言葉で内面の心情を説明的に語るんじゃなく、映像から自然に主人公の心情を想像させる感じがとても筆者の好みです。
ClariSの記事でも丸山真由子さんの歌詞に同じ事を言っていますが、筆者はとにかく映像が見える歌詞が好きなようですね。再実感。

「すっかり冷めたcoffee 今日はちょっと苦い」
ここも映像的ですね。
直前の歌詞で告白できない自分の弱さを実感した後なので、いつもよりコーヒーが苦く感じる、って心情描写だと思います。
猫舌だから時間を掛けて冷ましながら飲んでるのかな?っていう可愛らしい女の子の様子も想像できますし、好きな人のことを考えていたらいつの間にか時間が経ってすっかり冷めちゃったのかもしれない、とか色々想像が膨らみます。

「ショーウィンドウの新作に見惚れるだけは もうやめよう」
これも間接的な心情表現ですね。
筆者の想像通りこの曲の季節が秋の終わり頃だとすると、洋服屋さんのショーウィンドウには冬物の新作が並んでいる時期のはず。
それを見て「欲しいな~、でもお金節約しなきゃいけないし・・・」ってただ羨ましそうに眺めている自分と、好きな人を遠くから眺めてるだけでいつまでも告白できない自分を重ねてるんだと思います。

でも「見惚れるだけはもうやめよう」って決心して、主人公は一歩踏み出すわけです。

映像的な歌詞ってこれがいいんですよね。
「告白できない私はなんて情けないんだ」「そろそろ一歩踏み出そう」って直接書かれたらただの説明にしかならないし、その説明文以上の情報は何も受け取れないんですが。
映像で間接的に心情を描写してくれることで、いくらでも想像が膨らむ余地がある色んな情報を1行に詰めることができます。

以前ClariSの記事でも同じことを書いたんですが、やっぱり筆者はこういう想像する余白を残してくれるタイプの詩の方が断然好きです。

ボカロ曲や動画サイトなどの影響もあって、最近のJ-POPの歌詞は心情を全部文字にして余白ゼロで全部説明する傾向があるように思います。
もちろんその中にも好きな曲や詩がありますし、それを否定するつもりは無いですが、個人的には余白で色々想像させてくれる昔ながらの歌詞の作り方の方が好きですね。

上記「Neo Moon」記事から抜粋

コーラス①

Wish!! I will be happy
季節が変わるみたいに
イルミネーション 灯るように
私も変われる気がしてる

Wish!! You make me happy
勇気 ふっと消えちゃう前に
伸びていた髪を切って
明日はきっと 会いに行こう

季節が秋から冬に変わるみたいに。
冬になったら灯るクリスマスのイルミネーションみたいに。
(そして、イルミネーションを一緒に見る恋人同士みたいに)
私も、私とあなたの関係も、変われる気がしてる。
そういう風に幸せになれるって信じてる。(Wish!! I will be happy)

君がそこにいるだけで、私は幸せになれる(You make me happy)
一歩踏み出そうと思えた勇気が消えちゃう前に、明日は会いに行こう。

ストレートな甘酸っぱい恋心で素敵ですね。
「伸びていた髪を切って」が特に良いなと思います。
告白なんてどうせ無理・・・って諦めていたけど、心機一転気合を入れる感じというか。
会いに行くなら、一番可愛い状態の自分で会いに行きたいって思えた感じというか。

女性にとって「髪を切る」って象徴的な行為だと思います。
気分転換や新しい自分になる決意っていう意味合いもあり、「髪は女の命」という言葉があるくらいなのでかなりの勇気も伴う行為です。
「勇気ふっと消えちゃう前に」の象徴のような気がしますね。
勇気出して、髪も切って、明日はきっと君に会いに行こう。
そんな気持ちになれたんじゃないでしょうか。

ヴァース②

寄り添って歩く
マフラーの老夫婦
繋いだ手のしわの分だけ
刻んだ思い出があるのでしょう

信号が変わる
時計を見上げる
このまんまじゃ いられないよね
動き出す交差点 さあ渡ろう

仲良さそうに歩く老夫婦を見ている主人公は、「自分も好きな人とこういう風になれたらいいな」って自然と憧れてるように思えます。
「繋いだ手のしわの分だけ 刻んだ思い出があるのでしょう」ってとっても素敵なフレーズですね。

信号が変わって「時計を見上げる」なので、腕時計とかじゃなくて街中に設置されてる高い所にある時計だと思います。
「このまんまじゃ いられないよね」という言葉通り、気持ちが前向きになって顔を上げた感じがしますね。

ずっと告白できないまま立ち止まっていたけど、私も前に踏み出そう。
「動き出す交差点 さあ渡ろう」の一歩踏み出す感じが好きです。

コーラス②

Wish!! I will be happy
黄昏れた街が次第に
銀色に染まるように
まっさらな日々を迎えてく

Wish!! You make me happy
せーので一歩 踏み出す Magic
下ろし立てのソックス履いて
笑顔で 会いに行こう

「黄昏れた街が次第に銀色に染まるように」は夕方から夜になっていく景色を描写していると思います。
星が光る夜空を銀色って表現してるんじゃないかなと。
(ヴァース①の歌詞も夕方のカフェっぽいですね)

空が色を変えていくように、自分もまっさらな新しい気持ちで「下ろし立てのソックス履いて」笑顔で君に会いに行こう。
「せーので一歩 踏み出す Magic」とか、やはりこの曲は「前に一歩踏み出す勇気」がテーマなんでしょうね。

あと、夕方から夜に時間が進んで行くので、どんどん「明日」に近づいていってるんですね。
主人公の気持ちがどんどん前向きになって、明日が来るのが楽しみになっているような気がします。
早く明日になって君に会いに行きたいって気持ちが溢れ出してそうです。

ブリッジ

ぬくもりをポケットへ
しまいこむ駅前
別れ惜しみながら
みんなそれぞれ 歩き出す

「ぬくもりをポケットへしまいこむ駅前」も素敵な表現だなと思います。
大切な人と過ごして得たぬくもりを無くさないようにポケットへしまい込んで、駅でお別れをして人々はそれぞれの家に帰っていく。
ポケットに入れて大事にぬくもりを家まで持って帰る感じが素敵ですよね。

これもコーラス②の時間帯が夜であることの表れだと思います。
大切な人との別れを惜しみながら、みんながそれぞれの場所に帰って行く。
夜を美しく表現していて素敵です。

コーラス③

Wish!! I will be happy
百年先もきっと同じ
すれ違ったり また出会ったり
そうやって季節は巡ってく

Wish!! You make me happy, yeah yeah
Won't you make me happy?
白い息 切らしながら
思い切り駆けて行こう
下ろし立ての この気持ちで
明日はきっと 会いに行こう

「百年先もきっと同じ~そうやって季節は巡ってく」に主人公の心境の変化が出てる気がします。
昔も今も、みんな同じように悩んですれ違ってを繰り返しながら、それでも好きな人に想いを伝えてきたんだ。私も頑張ろう。
そんな前向きさを感じます。

最後だけ「Won't you make me happy?」なのがやっぱり前向きですよね。
君はどう?私を幸せにしたいって君も思ってくれてる?
ずっと自分の心の中だけでグルグル迷ってた主人公が、ここで初めて君に呼び掛けてるんです。
曲の最初の方の迷いはもう完全に無くなってますね。

「白い息」の秋の終わり感と、一歩踏み出すどころか「思い切り駆けて行こう」の気持ちの盛り上がり方が曲のクライマックスに合ってて好きです。「下ろし立てのこの気持ちで 明日はきっと会いに行こう」が締めくくりの1行として気持ちいいですね。
主人公が秋の並木道を駆け抜けていく映像で最後終わる感じがして、映画のラストシーンみたいで素敵です。

リクエスト主が「原宿から代々木公園(LINE CUBE SHIBUYA付近)を散歩するイメージ」と事前に言っていましたが、実際に原宿から代々木公園の中を通ってLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)に行こうとすると代々木公園のケヤキ並木を通るので、確かにイメージ通りですね。

この曲を聴きながら代々木公園を散歩してみるのも、曲の世界をより感じられて楽しいかもしれません。

あとがき

というわけで、初めてのTrySail楽曲「Make Me Happy?」でした。

書き始めて真剣に歌詞を読んでみると、かなり筆者が好きなタイプの歌詞だしメロディーも編曲も素敵だし、この曲が凄く好きになりました。

やはりリクエスト企画は良いですね。
人からのオススメ曲に思わぬ素敵な出会いがあったりして、これだから音楽聴くのはやめられません。

素敵な曲に出会わせてくれたリクエスト主様、改めてお礼申し上げます。

次のリクエスト曲はかなり難解な歌詞で書くのに時間が掛かりそうですが、なんとか頑張ってみたいと思います。

ではでは、また次回お会いしましょう。

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