ROSSO「シャロン」- 冬の星に生まれたらチバユウスケみたいになれたかな -
まえがき
タワレコ新宿に行ってきました。
安っぽい言い方ですが、チバユウスケとTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTは私の青春でした。
世代でも何でも無い平成生まれの高校生が、解散して数年経っていたミッシェルを毎日聴きながら、拗らせた全くキラキラしていない青春を過ごしていました。
あの日々に戻りたいとは全く思わないですが、あの日々が今の私の切り離せない一部分であることも、また確かなわけで。
そういう意味では、チバユウスケは私の人生の一部に既になってしまったんだと思います。
シャロン
筆者はROSSOやThe Birthdayを全部ちゃんと聴いているかというと恥ずかしながらそうではないのですが、愛聴している曲ももちろんありました。
その筆頭がシャロンです。
どうしてサブスクどころかデジタル販売すらされてないんですかね?
MVすらYouTubeに無いですもんね。
まあ色々事情があるんでしょう。
カッコイイですよね。
説明するのが野暮になるくらいカッコイイです。
でも、歌詞は結構赤裸々で情けない気持ちを歌ってると思ってます。
(あくまで筆者の解釈では)
要するに「クリスマスに失恋した」という曲だと解釈しているわけです。
クリスマスに叶えたい夢が叶わなかった日(サンタクロースが死んだ朝)に、ヤケクソになって車を飛ばしてる。
涙で車線がにじんで見えない。(ボーダーラインがにじんで消えた)
もうこのまま死んじまおうかな、ガードレールに突っ込んじまおうか。
カーブを曲がりたくなかった。ハンドルから手を放した。
俺を振ったあの娘は、きっとクリスマスデートでパルコにでも行って、今頃はホテルで茶髪の男の横で眠ってるだろう。
どうしたら理想の自分になれるのかな?
冬の星に生まれたらなれたのかな?
ねえ、教えてよ。シャロン。
これが一般的な解釈なのか、インタビューで本人から解説とかされているのか、何にも知りません。
知りませんが、自分はずっとこういう解釈で聴いていました。
なりたい理想の自分、それが「シャロン」なのかなと。
あとがき
チバユウスケという男は、人一倍繊細な男だったと思います。
ロックを体現する豪快な男と思われやすい見た目と声ですが、実際はお茶目でポンコツでシャイだったことはファンなら異論は無いと思います。
歌詞にもその繊細さが表れている時も多々あったと思います。
こんな情けない心情でも、あの声とビートに乗せれば痺れる程カッコよくなる。
むしろカッコイイことを歌う必要なんてない。
悩みも不安も心細さも、そのままじゃ湿っぽくて言えないからこそ、轟音にのせて叫ぶんだ。
情けない気持ちをカッコよく表現する、それがロックなんだ。
チバ本人がどう思っていたかは分かりませんが、筆者はチバユウスケからそれを学んだ気がします。
もう、この世界は「アベフトシもチバユウスケもいない世界」になってしまいました。
今は、ただただ、それが悲しいです。