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羊水過多と診断された話①羊水ってなに?
いつもありがとうございます。
助産師なつきです☺
お腹の中にいる赤ちゃんを守っている羊水。
助産師という職業柄、分娩時に羊水を顔面に浴びたこともあります。
少ししょっぱくて、海水のようだなぁと感じました。その日から、人類は海から生まれたんやなと信じています。
羊水ってなに?
羊水は子宮内の環境を整える役割があります。出産が終わるまでは、赤ちゃんがお腹の中で元気に成長していくためになくてはならないもの。
妊娠初期は無色透明なのですが、妊娠後期には赤ちゃんの尿産生や肺からの分泌液により乳白色に変わっていきます。
羊水は赤ちゃんをいろいろな衝撃や刺激から守る役割があります。それに加えて、子宮内に一定の空間を作ることで赤ちゃんが運動しやすくなったり、胎児の体温を一定に保ちやすくしています。また、羊水に含まれる成長因子や生理活性物質の作用により消化管や気道など臓器の発達を促進することも知られています。
羊水は母体を守る役割も持っています。胎動が直接母体に伝わらないようにする事で、お母ちゃんが感じる痛みを緩和しています。
これから以外にも、羊水は分娩時の子宮の収縮による圧力を分散したり、羊水の入った袋(胎胞)により子宮頸管を開大させたりすることで、分娩時にも重要な役割を担っています。
羊水って、赤ちゃんとお母ちゃんをしっかり守っているんですね。
たくさんのすごいお役目を果たしているんです。なくてはならない物なんですよ。
羊水って何で出来てる?
羊水には電解質や、ブドウ糖、アミノ酸、脂質など様々な物質が含まれています。これらは、母体や胎児の血液から漏れ出てくる成分、胎児の排泄(尿)や肺からの分泌液が主なものとして考えられています。妊娠中期以降には、赤ちゃんは羊水を飲み込んで、気道や肺へ取り込んだ後、腸などで吸収されたのち尿として排泄します。
それを再び飲み込んで排泄することを繰り返して羊水は循環しています。
こうやって、飲み込む→排泄する練習をする事で、産まれてきてすぐ母乳を飲めるようになるとも言います。
赤ちゃんは、産まれる準備をお腹の中でしているんですね。
羊水の量ってどうやって測るの?
羊水の量を測る方法は、胎児エコー検査です。
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妊娠中期に入ると、赤ちゃんに異常がないかの診断をするために、入念にエコー検査をします。その時に、羊水量のチェックをされることが多いです。
なぜなら、羊水量が赤ちゃんの発育に影響を与えたりするからです。
羊水過多の場合
・特に原因のない特発性。全体の60%はこれにあたると言われています。
赤ちゃんにも、お母ちゃんにも大きな異常はなく、単純に羊水が多い。
・赤ちゃんに異常がある。(横隔膜ヘルニア、上部消化管通過障害,染色体異常,臍帯ヘルニア,中枢神経系異常,筋骨格系異常,双胎間輸血症候群,胎児腫瘍や胎盤腫瘍などの疾患)(19%)
・多胎妊娠。(7.5%)
・糖尿病合併妊娠(5%)
異常と言われると、ドキッとするけれど、何にも問題ないことがほとんどで、羊水が多いことによって起こる、切迫早産やお腹に圧迫されて、動機息切れにならないように、妊娠期間中はゆったりと過ごす事が大切かなと思います。
羊水過少の場合
・胎児腎尿路系の器質的異常(ポッター症候群などの腎臓低形成)
・胎児尿産生の機能的な減少
・利尿薬,非ステロイド性抗炎症薬の母体への投与などが原因のことも
35週に入るころまでは、羊水は増えていき、その後は落ち着いていきます。
治療法は特にありません。
妊娠経過を診ていき、分娩時のリスクを最小限になるよう準備していきます。
ここまでが、教科書や参考書に書いてある内容です。
長くなったので、次回に私の想いを書いていきたいと思います。