「あなたの宗教って何?」Vol.2 〜カナダで宗教観を説明してみる〜
(こちらは姉妹版note で過去に掲載した記事を一部加筆修正したものです)
(前回記事、「あなたの宗教って何?」カナダで答えに窮した瞬間の続編です。)
その答えにはまだ辿り着いていないのだが、
最近読んだ漫画と、聴いた Podcast に、日本人の宗教観を説明する一節があったのでここに引用したいと思う。
一神教の教徒から見た日本人の宗教観…「サトコとナダ」
まずは「サトコとナダ」。
日本人の女の子サトコと、サウジアラビア出身のナダがアメリカでルームメイトになって友好を深めていく物語。各種メディアで話題になっていたので知っている方や読んだことのある方も多いのでは。
私は普段あまり漫画を読まないのだけれど、今回の件を機に読んでみることにした。これは、イスラム教徒のナダ、キリスト教徒のもう一人の友達と、サトコが3人で話している場面。
これを読んで、「あぁ、海外に出てみて日本の宗教観(あくまでも一般的な、という意味で)を説明するのに困ってるのは私だけじゃないんだ」と思えた。
私は漫画の中のサトコとは若干違う立場だ。たとえば「アッラーもイエスもちゃんと敬う」のは私には難しいかもしれない。一方で「おひさまにも山にも海にも神さまがいる」感覚にはすごく共感する。
いずれにせよ、そうでない人からすれば曖昧な宗教観であることは変わりない。
それに友だちに「神は一人しかいないわ」と言い返されるあたり、リアリティがある。前出の私のクラスメートも、明らかに「神は一人しかいないわ」という姿勢で生活している。
アメリカ人が日本で暮らしてみたら…The Austin and Arthur Show
また、"The Austin and Arthur Show" という Podcast のチャンネルがあるのだが(YouTubeも同名で配信されているよう)、日本暮らしの長いアメリカ人の番組ホストお二人がこんなことを言っていて、これまたなるほど、と思った(口語英語なので筆者意訳・要約)
そう、「すごく宗教的なものに溢れているのに誰も宗教的じゃない」のが日本なのだ。それは一神教で育った人から見ると奇異な点が多いと思うのだが、お二人の日本を見る目は鋭いながらも温かいように思える。
(ちなみにこのお二人の日本を見る視点には学ぶ点が多く、英語の勉強にもなるのでおすすめ☆)
「宗教観」という言葉ですら、意識せずに暮らしているのが当たり前だったので、本格的に考えたのはこれが初めてだったけれど、こうやって色々と考えてみて気づいたことは、私はこの曖昧模糊とした自分の宗教観が好きだということ。そしてどんな宗教の人でも許容している日本のあり方も好きだ。
さぁ、次に「あなたの宗教は何?」と聞かれた時はどうしよう?
まだ満足のいく回答は見つけられていないけれど、ひとまずは「私は曖昧な宗教観を持っており、それを気に入っている」と答えようかな。もちろん安全かつ安心できる状況であれば、だけれど。