第101回 中国語検定1級二次試験不合格でした。
2021年1月10日に中検1級の二次試験を受験してきました。そして結果は残念ながら不合格となりました。
2020年11月22日に開催された一次試験については上記リンク先をご参照ください。
この記事では、謎に包まれた中検1級二次試験についてレポートしていきたいと思います。
試験会場に到着~待機
試験会場は千代田区にある某貸会議室ビルのワンフロア。フロアの中央にロビーがあり、ロビーの周囲に会議室が5部屋あるフロア構成でした。会議室5部屋はそれぞれ、スタッフ控室、受験者控室、面接室①~③となっており、面接室①、②は準1級、面接室③は1級という形で分かれていました。
ロビーで受験票と身分証明書の提示、そしてアルコール消毒と体温チェックを済ませると、試験の流れが書かれた紙を渡され、受験者控室に通されました。受検者控室は、長机が横2列、縦3列で配置されており、各長机に2席ずつ椅子があるというよくある会議室のレイアウトでした。
そして、面接室へ
控室で待っていると名前を呼ばれ、「面接室3番へお願いします」と言われます。面接室に入ると、面接官が2人(中国人1人、日本人1人)がいます。「荷物は後ろの机に置いてください」
と言われた後、椅子に座るよう、そして中国語で簡単に自己紹介するよう促されます。自己紹介を喋り終わった後、
"你怎么学中文?"
と質問されたりなど、軽いやりとりはありましたが、この部分は採点対象外です。
試験開始! まずは中文日訳!
まずは1題目。中国人面接官が中国語の文章を読み上げていきます。まずは一旦通して読まれます。その後、区切って読まれ、1区切りごとに訳していくという形で進められます。文章全体の長さはおそらく400~500文字くらい、1区切りの長さは概ね40~50文字くらいではないかと思います。文字数をカウントする余裕など当然無かったので、だいたいの感覚ですが……。全部で10回区切られたかどうかも定かではありませんが、1区切りごとに10点満点で採点しているのかな? などと試験終了後に思いました。
自分の目の前には机があるのですが、そこには1枚のA4の紙と鉛筆数本が用意されています。通しで読まれている間も、区切って読まれている間もメモは自由にできます。なので、「1区切りが長すぎて前半のほう何言ってたか忘れた!」という事態にはなりづらいと思います。
中国語の文章の内容ですが、「不眠」をテーマにした内容でした。2014年以降の二次試験の過去問の内容は不明ですが、2007年と2013年には「老い」についての内容が日文中訳にて出題されていたので、「健康」というのは1つの頻出分野であるかもしれません。
ちなみに、過去問でもそうでしたが、文章の中に成語はそれほど出てきません。今回は“坐以待毙”だけだったと思います。
続いて日文中訳!
1題目が終わると、すぐに2題目に移ります。今度は日本人面接官が日本語の文章を読み上げていきます。中文日訳と同様、まずは一旦通して読まれ、その後、1区切りごとに訳していきます。文章全体の長さと1区切りの長さは、なんとなく日文中訳のほうが短いように感じました。
文章の内容は、「アメリカ大統領選挙」をテーマにした内容でした。過去問においても、前年に発生した時事ネタをテーマにした出題があったので「おっ、来たか」という感じでした。ちなみに過去には、
第66回(2009年1月)中文日訳:2008年5月12日に発生した汶川大地震にちなんだ内容
第72回(2011年1月)中文日訳:2010年5~10月に開催された上海万博にちなんだ内容
第75回(2012年1月)日文中訳:2011年11月、東日本大震災の被災地(福島県相馬市)にブータン国王夫妻が訪問したことについての内容
といった形で前年の出来事を反映した内容が出題されています。
ただ、今回の日文中訳の文章の構成は、
・ネット上で「いさぎわるい」という言葉を見かけた。これは「いさぎよい」の対義語として使われたもののようだが、正しくない言葉である。
・「いさぎわるい」と言えば、トランプ氏が思い浮かぶ。今回の大統領選ではバイデン氏が優勢という状況にもかかわらず~~~
・160年前の大統領選ではリンカーンが勝利を収めたが、奴隷制への反対などから南部の州では1つの州においても勝利できなかった。そこからアメリカの分断が起こり、南北戦争のきっかけとなった。
……というような話題が飛ぶ構成になっていて、幅広い話題や表現への対応力を見ているような印象を受けました。
最後に
試験は20分程度で終了となります。普段、通訳はおろか中国語で会話することすらない私としては、やはりこのような面接試験はハードルが高く感じました。しかも、圧倒的対策不足でもありました。
中検1級(一次)受験前2か月は中国語をやらずにTOEIC対策ばかりやっていたし、一次試験終了後の自己採点で「これは落ちたな」と思い込んでいたので、一次試験から合格発表までの1か月弱も何の対策もしていませんでした。12/14の合格発表で自分が一次試験を通過していることを知り、そこから慌てて二次試験対策を始めたので、元々の実力不足と対策不足が相まってこのような結果になってしまったと感じています。
次の1級試験に限り一次試験が免除で、直接二次試験から受けられるので、今回得た知見をもとに、来年の1月こそは合格をもぎ取りたいと思います!
私は、中検準1級・1級の試験内容が結構好きなので、二次試験の対策としては中検の過去問を軸に組み立てていこうかなと考え中です。
・中検準1級のリスニングを活用して中文日訳の練習
中検1級二次試験の文章の難易度やテイストは中検準1級一次試験のリスニングに近いように感じます(中検1級ほど成語や難語は出現しません)。高電社の中国語検定過去問WEBを活用して、中文日訳の実力を付けていきたいです。
・中検準1級の日文中訳問題を活用して日文中訳の練習
高電社の中国語検定過去問WEBを活用して、中検準1級一次筆記の日文中訳問題で日文中訳の実力を付ける。HSK6級の過去問集を活用して、HSK6級リスニングの第1部分や第3部分の日本語訳スクリプトを中訳してみるなどもありかもしれません。
・日頃から中国語のニュースに触れておく
時事問題の出題もあるので、NHK WORLDを活用し、ニュースに触れておくのも良いかと思います。
最後に
中検1級に初挑戦するにあたり、一次試験を通過できたというのはまず大きな一歩であったと感じています。一気に合格まで突き進むことはできませんでしたが、今回二次試験を受験したことで中検1級の二次試験とは一体どんなものなのかを把握することができたので、1年後の合格を目指して邁進していこうと思います!
1年間高いモチベーションを維持し続けるのは難しいかと思いますが、休み休みでも良いので、1年かけて楽しみながら実力を付けていきたいです!
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