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花の色と世界観を鮮やかに写す「LUMIX G100」
こんにちは。花好きなフォトグラファーの宵月絃(@__yoii_to)です。仕事の行き帰りで見かける道端の花や、休日には九州内に咲く四季の花々を撮影しています。
今回は普段花を撮る機会の多い私が感じたLUMIXの使用感や、引き出す花の魅力、色味についてお話しします。
手に馴染みやすいコンパクトさと可愛さ
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花は自ら動く被写体ではないものの、撮影をする天候によっては光の差す晴れ間が一瞬だったり風が吹いていたりするので、撮影のチャンスは一瞬で過ぎることもあります。
そんな時にサッっと撮影できる身軽さと、長時間連れ歩いても疲れないコンパクトな機材、それがG100を初めて触った印象でした。
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機材の写真を撮ることはあまりないのですが、紫陽花を見にカメラを持ち出した日の一枚がありました。この手のひらの中に収まるコンパクトさ、可愛いです。レンズをいくつか持ち歩ける大きさなのがとてもうれしい。
花の撮影で重宝したのが中望遠レンズ。主役としたい被写体の花以外の背景がボケてくれることや、木漏れ日だったり反射する光などの玉ボケで組み合わせる表現ができるからです。
花のある風景を撮影したい時や、少し身軽にカメラを持ち歩きたい時には標準単焦点レンズをつけていました。ちょうど自分が見ている風景を心地の良い距離感で残すことができ、スナップ感覚で花咲く風景を撮影できるのも楽しさのひとつです。
上記の2本のレンズを使い分けながら花を写し歩いています。
次に、これらのレンズを使った作例をもとに、私が花を撮る時に考えていることやLUMIXの使用感についてお話しさせていただきます。
繊細で綺麗な写り
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花は天候によって様々な表情や写り方をしてくれます。特に晴れた日の透明感はとても綺麗なので、光を意識しながらシャッターを切っていました。
少し木陰になっている場所で、木漏れ日が花に降り注ぐように見えたアガパンサスの花。光に透けている部分が硝子細工のように綺麗だったので、中望遠を使い、絞りはF2で撮影しました。
背景の木漏れ日が溶けてゆくような描写と、手前のボケ感、目線を引きたかった花の部分のクリアな写りにときめきを覚えた一枚です。
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背景いっぱいに玉ボケを作るのもかわいいですし、立体感がとても綺麗に出てくれる写りなので、見せたい部分をより印象的に写すことができました。
雨の日に撮る花
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花を撮りたい日が晴れの日ばかりではありません。雨の日もあります。そんな時には雨粒のついた花を撮影するのも楽しいです。
LUMIXは片手でも撮影しやすいので、少し雨が降っていても傘を差してシャッターを切る時もありました。傘を差しながら片手での撮影だったため、軽めの標準単焦点レンズにつけ変えて撮影しています。
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シャッターを切った瞬間にすぐ離れていってしまった蝶。どこかで雨宿りをしていたのか、ふわふわと姿を現して消えていきました。こういうハッとした瞬間にすぐピントを合わせられて撮れるカメラなのが楽しい。
雨粒が小さな宝石のような記憶。雨の時期のしっとりとした質感がたまらない。F値が小さいので玉ボケがとても綺麗にでてくれて曇りの柔らかな光を掬い上げてくれるような写りでした。
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少し近づいて撮影。よりきらきら感が増して綺麗です。
花のある風景
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春から初夏にかけての季節は花畑が可愛さを全力でだしてくる時期ですよね。花と風景を一緒に撮りたいときは標準単焦点レンズをメインに使用。撮影後の編集で人を消すことは今の時代簡単にできますが、それをせずとも切り取りたい気持ちがあるので可能な限り人の写らないタイミングを狙いながら撮っています。
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人がいる風景ももちろん良いのですが、見返したとき花だけの世界に心を浸らせたいのでちょっとしたこだわりなのかも。
広角レンズだと広く写りすぎたり余計なものが入って見せたいものが分かりにくくなったり、ズームレンズだと距離感を考えている間に人が写り込んだりと悩むこともあります。
好きの感覚と瞬時にピントを合わせながら、見ている景色に近い距離感をリズムよく写していけるのも標準単焦点レンズを選ぶ理由です。
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カメラを持ちながら待つ時間はきらいではないですが、機材が重いと疲れてしまうのでLUMIXの小ささがちょうどいい。
手前の花のボケ方も好きなのですが、奥に向かう花やその向こうの空、重なる山々の連なりの写りも綺麗で、お気に入りの花景色です。
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絵本の挿絵にでてくるような可愛さのあるポピー。花畑には細い道がある場所もあるので、少ししゃがんで撮影。背面のフリーアングルモニターを使い、ローアングルで空が入るように地面に近い距離から撮っています。
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花のある景色に辿り着く道のりで撮影した風景も一緒に。晴れた日の阿蘇の風景、とっても空が広くて青々とした緑が凄く綺麗で壮大なんです。
5月の田んぼは水が張ってあるので、空の青が映り込んでいるのも好きな風景のひとつでした。
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人が小さく見えるこの景色、どこまでも続いているようで不思議な感覚になります。広角レンズを使えばより広い景色を撮れますが、見た時の感動をそのまま記録できるこの距離感も好きなのです。
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夕暮れ時の光も味方に
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夕暮れ時の斜めから入る光の時間帯は花の立体感を増してくれたり、花の色が日中よりも濃くでます。
温かみを感じる色に包まれた紫陽花、光と影の部分の質感がとても好きです。緑色に合うオレンジ色の夕暮れの光との重なりがとても好きです。
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逆光になる位置でも、花の隙間などに太陽がくるよう体勢を調整しながら撮ることもあります。撮影場所が斜面になっていたのと、自分の背丈より高くて大きかったのでモニターを使いながら撮影しました。
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LUMIXの青色が一番いいと感じていたのですが、夕暮れのつよめなオレンジ色の写りと掛け合わせるとお似合いでとても好きなのだと気づいた日でした。
花の色味を引き出す写りと色づくり
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LUMIXは青い花との相性が良く、とてもレタッチがしやすかったです。見たままに近い澄んだ色と、光に透ける花びらを綺麗に写してくれたネモフィラの写真では、色をつくるのがとても楽しかったことを覚えています。
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撮ってすぐの写真をモニターで確認しているときは、その写りの綺麗さにどんな編集をしようかと想像が膨らみました。ひとつひとつの色の濃淡がちょうどよく、優しい色合いになるのも好きな理由です。色の編集は後からできるものの、どれかひとつが強すぎると完成へのイメージが難しくなったり、色の調整で悩むこともあるからです。
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背景の青色と同じ色にならないように気をつけ、ネモフィラが白飛びしないようにそれぞれの青色を調整しながらレタッチしました。
また、緑色の濃淡の写りもちょうど良く、ポピーを撮影したときには透ける花びらの綺麗さと、背景や周りに多く写る緑にも目がいきました。
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濃淡があることで、背景が重たくならず光を感じやすくなります。また、レタッチする時にどこを強調させ、どの部分を淡くさせるかの調整もイメージがしやすかったです。
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奥の緑は色味をあまり触らずにシャドウを少しあげ、背景の玉ボケになった部分を目立たせました。画面半分下の緑は彩度を少し抑えめにしてポピーの色が目立つようにレタッチしました。
花の世界、好きへの表現に紡ぐ
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
LUMIXの手に馴染むコンパクトさ、天候に左右されない繊細な写り、風景をスナップ感覚で楽しめる気軽さ、色の表現。
花を撮るにも風景や街並みを撮る時にもカバンに忍ばせていたくなるG100。
好きなものを好きな時に、そのタイミングごと自由に創作していけるカメラと感じました。
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