【CP+2023 Archive】上田家流LUMIXの使いこなし-撮って出しが美しいLUMIXで撮る旅スナップの魅力-
4年ぶりのリアル開催を実現し、大盛況のなか閉場した「CP+2023」。
LUMIXブースでは連日豪華な登壇者をお迎えし、LUMIXで写真や動画を撮影する楽しみや強み、クリエイターが作品制作する際の視点や思考についてお話しいただきました
「CP+2023 archive」では、そんなトークショーの中からいくつかの回を記事にしてご紹介していきます。
今回は、数あるセミナーの中でも「LUMIXで撮る旅スナップ」と「LUMIXの絵作り」にフォーカスを当ててお話しいただいた、写真家・上田晃司さんと写真家・コムロミホさんによる「上田家流LUMIXの使いこなし-撮って出しが美しいLUMIXで撮る旅スナップの魅力-」の様子をお伝えします。
夫婦共に写真家として活動しながら、世界中を飛び回って作品を撮り続けているお二人。YouTubeでは「写真家夫婦・上田家」として、リアルな作品づくりの様子や機材のレビューなどについて発信し、多くのカメラユーザーから人気を集めています。そんなお二人から発信される「LUMIXの写真の美しさ」や「LUMIXだから楽をできること」にも注目です。
LUMIXの撮って出しの美しさを、旅スナップで再確認した
上田さん:
コロナ禍の影響で、2020年あたりはずっと国内を撮ってましたが、最近はやっと海外にも行けるようになりました。
今回ご紹介する写真はすべて撮って出しなのですが、やっぱりLUMIXは撮影する感覚を大事にしながら、1枚1枚撮っていけるという感じがありますよね。
こちらは、冬の沖縄です。こんなに鮮やかに海を撮れて、撮った時の感覚そのまま乗せていけるのがLUMIXの良いところだと思います。
コムロさん:
撮って出しでこの美しさを表現できるのはありがたいですよね。
上田さん:
写真はあとで編集することもできますが、撮って出しの美しさは撮影時のモチベーションに影響するので、その場で美しい世界を撮れれば、それに越したことはないですよね。
今回見ていただくのは、ほとんどがGH6で撮った写真です。GH6は動画のイメージがあると思うんですけど、実は静止画もバリバリ撮れるいいカメラです。
夜のスナップ撮影で、進化した「高感度性能」を実感
コムロさん:
続いて、私の写真も見ていただこうかと思います。今回はせっかくなのでLUMIXのS5Ⅱで撮影した写真をたくさんご用意しました。
こちらも先程の上田さんの写真と一緒で撮って出しなんですね。後からRAW現像をしたりとかレタッチした写真ではなく、撮って出しでも見たままの美しさを表現できるのがやっぱりLUMIXの良さだと思っています。
これは淡路島で撮影した写真なんですけど、やっぱり、LUMIXの良いところは透明感だと改めて思いました。
これも淡路島に行ったときに漁港を撮影しました。今回は50mmF1.8というレンズで撮影した1枚なのですが、これは漁師の網なんですよ。
上田さん:
色がすごく綺麗ですね。
コムロさん:
そうなんですよ。この絶妙なハイライトからアンダーまでの美しさっていうのをしっかりと表現できるところに魅力を感じます。
コムロさん:
香港で撮影した夜の雰囲気も、LUMIXならしっかりと引き出すことができました。今回S5Ⅱを使っていて、一番びっくりしたのは高感度性能なんですね。
上田さん:
手ブレ補正が効くのは聞いていますけど、高感度性能も手ブレ補正だけでは絶対シャッタースピードは稼げないわけですから、すごいですよね。
コムロさん:
こういったノイズの目立ちやすい場所は、しっかりとノイズ除去をしてくれるので、使っていて驚きました。
LUMIXの色を活用すれば、写真のトーンを揃えられる
上田さん:
撮って出しの最大のメリットは、トーンを揃えられること。組み写真などでトーンや色の濃さなど揃えなければならない要素が多い場合、ボディ内で作り上げておけば、露出のところだけ一定にすると揃うんですよね。これがものすごく楽なんです。
コムロさん:
モノクロも、天気も違う・光も違う・場所も違うという中でRAW現像でトーンを揃えるのってめちゃくちゃ難しいんです。でも、それが撮って出しで揃っているので、そのまま作品として展示もできちゃうんです。
上田さん:
カラーは色の情報に引っ張られるところがあるんですけど、モノクロは誤魔化せないですよね。そこがちゃんと揃えられるのがありがたいですね。
撮って出しに必要な「設定の基礎」をご紹介!
コムロさん:
フォトスタイル(ハイライト・シャドウ)、露出補正、ホワイトバランス(微調整)のこれら3つを調整しながら撮影を行っています。
上田家の2人で共通しているのが、オートホワイトバランスはあまり使わないこと」。
上田さん:
これが結構重要なんですよね。オートホワイトバランスはシーンによってはバラバラになってしまいます。ですから、僕らは基本的にホワイトバランスは固定して、撮りたいものを効果的に表現するようにしています。
コムロさん:
例えば、先程見ていただいた夕日の写真ですが、これをオートホワイトバランスに設定するとします。
ホワイトバランスのオートは、白に補正するための機能なので、夕日の赤みっていうのをしっかりと表現できないんです。このように黄色っぽくなっちゃうんですよ。
他にもこれは夜のシーンなんですけど、右側がホワイトバランスを晴天にしました。左側がオートで撮影したもの。
上田さん:
こちらは、フランスで撮ったものなんですけど、やっぱりヨーロッパの街は暖色が強いんですね。オートホワイトバランスで補正しきれないくらい暖色なので、こちらも黄色っぽくなってしまいます。
コムロさん:
このように色の表現がしたいスナップにおいて、オートホワイトバランスはほとんど使いません。ただ一つだけ使うシーンが「被写体自体の色をしっかりと表現したい」とき。
例えば、暖かみのある料理の色を残したいなと思ったらオートに設定すれば、その場の光を制御して撮影できるのでオススメです。
上田さん:
写真の明るさが変わると写真の印象は大きく変わるので、かっこよく表現したければ露出をローキーに設定し、逆に爽やかに表現したければハイキーというふうに使い分けをしています。
ロケーションとイメージから紐解くカメラの設定
コムロさん:
ここからは、撮影状況となにを表現したかったのかをご紹介しながら、カメラの設定を紐解いていきたいと思います。
上田さん:
まず、こちらは尾道に行って撮影をした写真です。そのまま見た風景をちょっとだけ色を濃い目にしつつ、懐かしさを出すのが今回のテーマだったんですね。
この日は曇りだったので、晴れに比べるとやっぱり色が出にくいため、色をちょっと濃く設定しました。
作品のイメージは「尾道の風情」ということで、フォトスタイルはシンプルに「ヴィヴィッド」にしました。これによりメリハリが出ます。
加えて、ホワイトバランスを「曇天」にすることで、ちょっとアンバーな雰囲気で懐かしさが表現できました。
コムロさん:
ヴィヴィッドの良いところは、コントラストも上げられるところですよね。
上田さん:
そうなんですよ。曇りの日は、低コントラストな撮影条件なので、メリハリをつけたい場合はヴィヴィッドが一つのチョイスかなと思います。ベースでこれだけイメージ通りに撮影できるのがLUMIXのいいところですよね。
コムロさん:
そして、こちらは木更津の海を撮影した一枚。夕日がすごく綺麗で、そのトワイライトにかけて青く染まっていくグラデーションがとても美しいと感じて撮影しました。
こちらも上田さんと一緒で、フォトスタイルはヴィヴィッドに設定しています。ヴィヴィッドに設定していただくことによって、夕日の赤み、青のグラデーション、そして水銀灯の色の、三色をしっかりと強調できるんです。
ミソは露出補正。露出補正はマイナスに設定いただくと、色の深みが出るんですね。そして、マゼンタをプラス2に設定してあげることで、夕日のオレンジが一気に深みが増すんですよ。
LUMIXのカメラの良いところはファインダーを覗きながら設定できるところなので、ぜひ試してみてください。
新搭載「リアルタイムLUT」を愛用中
コムロさん:
今回S5ⅡからリアルタイムLUTが搭載されました。自分の好きなLUTをカメラの中に登録することによって、絵作りをさらに追い込んで撮影できるというものなんです。
この絵作りをカメラの中に入れれば、写真も映像も撮って出しで撮影できちゃうという夢のような機能なんです。
上田さん:
LUTが共通していると、写真の雰囲気が統一されるよね。
コムロさん:
そうですね。ですから、好きな絵作りを見つけたら、同じLUTを使って撮影することを自分の中で大切しています。
上田さん:
特にこのS5Ⅱをお持ちの方は、自分でLUTを設定して登録しておけば、統一した絵が撮れるわけですよね。
コムロさん:
LUTはさまざまなところで配布されてますし、自分で作りだすこともできるのでカメラの中の表現がすごく広がりますよね。
上田さん:
実は羨ましいなと思って見ていたんですけど、写真でVlogが撮れるようになってたんですよ。ちなみに、再生する時も同じ色で見えるんです。そういった使い方も面白いので是非やってみていただければなと思います。
以上でお二人による「上田家流LUMIXの使いこなし-撮って出しが美しいLUMIXで撮る旅スナップの魅力-」は終了しました。
皆さんもこちらの記事を参考に、撮って出しでも美しい旅スナップを撮影してみてください!
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