【ルミマガ編集部】LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3使ってみた
こんにちは。ルミマガ編集部です。
先日投稿した「こちら、光学設計部_第八回【LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3】」は、もうご覧いただけましたか?
本記事では「こちら、光学設計部」で解説したレンズを使い、編集部員が撮影した作例やレンズの使用感をインプレッション記事としてお届けします!
今回のレンズは「LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3」です。
■ファーストインプレッション
このレンズの特徴は、なんと言っても世界最小・最軽量(※)のAF対応フルサイズミラーレス用交換ズームレンズであること!
読んで字の如く、小さく軽い。よくパンケーキレンズが「キャップ代わりに付けっぱなしにできる」と表現されますが、本レンズも似たような使用感でした。
S9との見た目のバランスも良いですね。単焦点F1.8シリーズやLUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.等も小さく軽い類のレンズですが、鏡筒収納時にこれだけ短いLUMIX S 18-40mm F4.5-6.3は更に小ぢんまりと可愛い印象です。
ちなみにフィルター径は62mmです。個人的に、ここに開発者の「小型化」への執念を感じます。
と言うのも、ここ数年のLUMIXのレンズラインナップを振り返ると、ユーザビリティに重きを置き「小型」と称されてきたSシリーズのレンズは、フィルターの共用というメリットも鑑みて「フィルター径67mm」のサイズが主流となっていました。
それを本レンズでは、さらに小さな「フィルター径62mm」のズームレンズとして開発し、より小回りの利くレンズとして生み出されたのかと想像すると、開発陣の「小型化」に対する執念や覚悟が感じられます。
レンズを撮りながら気付いたのですが、本レンズも印字が白ではなくグレーに近い色ですね。
これは、LUMIX S 100mm F2.8 MACROやLUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.にも対応されているデザインで、白字だと接写時に、被写体に印字が反射する可能性があるため、視認しやすい程度に暗めの色にして反射を抑えています。
本レンズも最短撮影距離が0.15mとかなり寄れるので、嬉しいポイントです。
質量は約155g(フロント・リアキャップは含まず)。調べてみたところ、だいたいバナナ1本分の重さだそうです。軽いですね。
■LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3で撮ってみた
超広角の特徴は「広さ」と「奥行き」を表現できる点にあるでしょう。
まずはその「広さ」と「奥行き」を試してみたいと思います。
被写体は地元の道端に咲いていた花です。まずは状況がわかる程度に一枚。
上の写真の通り「公園のように大量に咲いている」わけではありませんが、しかし、どなたかが管理されているのか綺麗な花が一角に密集して咲いています。
ここで、手前側の花に18mmでグッと寄って撮影すると・・・
こんな感じに撮れました。
本レンズは広角端18mm〜21mmまでの最短撮影距離が0.15mで、このようにかなり寄れています。
その上で、18mmという超広角なので周囲の花もフレームに入りつつ、主体となる被写体を浮かび上がらせるように奥行きを感じさせながら、滑らかにボケた表現がされています。
ちなみに同じ写真をグイッとトリミングしてみましたが、花びらに乗る花粉まで綺麗に描写されていました。
「小さいカメラS9」と「小さいレンズ18-40mm」の底力を感じます。
続いて、シンプルに広く撮ってみた写真です。
湖面に夕暮れの優しく淡い光が反射しており、波の紋様もキリッと描写されています。
出先の街を散策しながら、気に入った場面をパシャリ。
広く撮れると、歩いていた時には気づけなかった街の一部も記録されていて、少し得した気持ちになりますね。撮影していたときは「舟!空!空が反射された川!」と情報を追っていましたが、よく観察すると右側の壁に写る木の影もカッコいいです。
移動中に橋の上から道路を撮りました。奥にグッと伸びる道路は、目で見たよりも奥行きがあるように感じられます。何度も通っている道ですが、超広角で撮ると見慣れた風景も印象が変わりますね。
こちらは多くのフォトグラファーに好まれている「焦点距離35mm」で撮影しました。ロケーションがそもそも拓かれた風景のため、35mmでも広く感じますね。
続いて、下の写真が同じ立ち位置から「焦点距離18mm」で撮影した写真です。
18mmだと、湖面に浮かぶブイがあんなにも小さく見えます。
このロケーションで18mmだとちょっと広すぎるくらいですが、ズームレンズなので好みに合わせて微調整しながら広い範囲を撮影できます。カメラ初心者の方も、簡単に好きな範囲を写真で切り取り、残すことができるでしょう。
場面が変わりまして、本レンズで撮影した時期が秋だったこともあり、歩いていたら見つけたコスモスを軸に何パターンか撮影してみました。
まずは青空をバックに撮影。広角でコスモスと言えば、この見上げる構図を撮りたくなりますよね。長く重いレンズだと重心が前に行くので、見上げる構図を撮るためにレンズを上に向けようとすると手首や腕に少し負担がかかりがちです。
しかし、このレンズは超広角ながら短く軽いので、レンズを上に向けるような角度でカメラを持っても全く負担がありませんでした。
コスモスを前ボケでワンポイントにしたスナップ。どうしても広角端18mmに注目してしまいますが、40mmまでズームできることも絶妙に便利で、このようなボケを活かしたスナップも撮りやすいです。
コスモスの色とカーブミラーの柱の色が似ていてグッときた場面。
軽いレンズなので、スナップ用コンデジのようなスタイルで気に入った場面をサクサク切り取るような振り回し方もできます。
最後は逆光で、コスモスにグイッと寄ってみました。花びらの透け感が綺麗ですね。かなり強い西日を逆光で受け止めていますが、極々小さなゴーストが中央部に発生している程度で、特段大きな破綻は見られないように感じます。
少し雰囲気を変えて、超広角〜標準域でモノクロのスナップを撮ってみました。
超広角のモノクロは、臨場感と迫力がより感じられるような気がします。
これまでにも18mmで撮影した写真を数点ご紹介しましたが、18mmという焦点距離が「常日頃からどのようなロケーションにも最適な焦点距離か」と問われると、ある意味では「写り過ぎてしまう」側面もあり、常用するには難しさもあるのかなと感じていました。
もちろんズームレンズなので好きな焦点距離で撮影すれば良いのですが、もう少し18mmを使って遊びたいと模索している中で行き着いたのが「カメラ内でアスペクト比を65:24に変更」して撮る方法です。
LUMIX Sシリーズではカメラ内の設定でアスペクト比を65:24に変更できます。望遠域でこのアスペクト比にすると、良くも悪くも写る情報量がかなり狭まるのですが、18mmほどに広いとアスペクト比を変えても横長に適度な情報が切り取られ、まさに映画やゲームのようなストーリー性を感じる絵になります。
■世界最小(※)のレンズから生まれる「広大な世界」に病みつきになる一本
前回の記事では、LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6を「『はじめの一本』に相応しい万能感と機動力」があるレンズと評したのですが、LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3も負けず劣らず万能感と機動力を感じるレンズです。
広角レンズを使用されたことがある方は共感していただけるかと思うのですが、20mm付近から「1mmの差」が顕著に出ると感じています。
このレンズは、キットレンズでありながら18mmの「広さ」と「奥行き」を体験できるので、特にカメラビギナーの皆様に驚きと興奮を与えることでしょう。スマホでは撮りづらいダイナミックで綺麗な写真が撮れる喜びを是非、味わっていただきたいです。
S9であれば、ハイブリッドズームを活用すると「これ一本で実質18mmから125mmまでをカバー」できるので、様々な被写体を写真に残すカメラライフを楽しめるかと思います。
もちろん、「LUMIX S」の名に恥じない繊細な描写も実現されているのでご安心ください。
今回の記事はここまで!それではまた次回お会いしましょう。
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