【公式】これを読めば解決!LUMIX S9使いこなしガイド
こちらの記事では、LUMIX S9の基本性能や各機能の使用方法、操作手順について解説していきます。
■S9の基本性能について
LUMIX S9は2024年6月に発売されたミラーレス一眼カメラです。
コンパクトなボディにLUMIX S5IIと同等の画質や手ブレ補正など、様々な機能が収められた、プロ・アマ問わず気軽に写真・動画撮影を楽しめるカメラになります。
S9の基本的なスペックは以下の通りです。
■画質について
S9は有効画素数2,420万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラです。
フルサイズセンサーとは、カメラのセンサーサイズの中でも標準〜大きめ程度のセンサーサイズで、趣味層だけではなくプロのフォトグラファーや写真家も多く使用しているセンサーになります。
一般的なスマートフォンのイメージセンサーや、デジタルカメラのAPS-Cセンサー、マイクロフォーサーズ(4/3型)と比較したフルサイズセンサーの特徴は以下の通りです。
一般的にセンサーが大きければ大きいほど、被写体の前後が綺麗にボケやすく、暗い屋内やコントラストが強い夕景、モノクロ撮影時などにも豊かな階調が得られ、白飛びや黒潰れを抑えやすいと言われています。また、ISO感度を上げた際のノイズも抑えられ、ディテールも残りやすいです。
S9と様々なレンズを組み合わせることで、好きな花の前後をボカして立体的に撮影したり、ノイズを抑えながら高画質な夜景スナップも撮影できるでしょう。
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■AF性能について
像面位相差AF(779点測距)とコントラストAF(315点測距)が搭載されており、歩きながらのスナップや、人物や動物、乗り物といった動く被写体にも柔軟にピントを合わせてくれます。
また、進化した認識AFには人物・動物の他に、車・バイク・動物瞳も追加され、より幅広い被写体に対して高精度なフォーカス性能を実現しています。
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■手ブレ補正について
手ブレ補正はボディ内手ブレ補正(B.I.S.)が5軸5.0段(※1)、レンズ内手ブレ補正と組み合わせた「Dual I.S.2」では5軸6.5段(※2)を実現。
また、「電子手ブレ補正(動画)」を強モードにすると、上の動画のように走りながらでもブレが抑えられた、滑らかな映像を撮影することができます!
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■サイズについて
本体、バッテリー、SDメモリーカードを含んだ質量が「約486g」。500mlペットボトル飲料よりも軽い、小型軽量化されたカメラです!
外寸はスペック上「幅 約126mm x 高さ 約73.9mm x 奥行 約46.7mm」となっており、S5IIと比較したサイズ感は写真の通りです。
S5IIに比べて「ファインダー」「メカシャッター」「ホットシュー」はありませんが、LUMIXの強みである「画質」「AF」「手ブレ補正」は同等の性能を担保しています。
それでは、以下より各機能の説明と簡単な操作方法の解説に入ります。
ボタンの名称などはこちらのリンクよりご参照ください。
■リアルタイムLUTについて
S5IIやG9PROIIより搭載されている「リアルタイムLUT」ですが、S9においても搭載されています。
これまでLUTの登録数は最大10個でしたが、S9では最大39個のLUTを登録できるようになりました。
■LUTボタンについて
これまでは、メニュー画面からフォトスタイル:リアルタイムLUTを選択し、適用するLUTを選択する操作が必要でしたが、S9からはLUTボタンが実装されたため、ボタンひとつでLUTを選択できるようになりました。
これにより、より軽快にLUTを活用した写真・動画撮影を楽しむことができるでしょう。
使用の流れは以下の通りです。
こちらは何も操作していない状態(フォトスタイル:スタンダード)です。
画面上部にある「LUTボタン」を押すと、即座にLUTの選択画面に飛びます。
ダイヤルを回すと登録されているLUTを選択できます。
■「LUT濃度」「粒状」の調整方法
設定画面には「LUT濃度」と「粒状」の項目が追加されており、リアルタイムLUTにおける「LUTの濃度調整(10~100%)」や「粒状/色ノイズの追加」も可能。
これにより、例えばフィルムの色味に合わせたLUTを作ってカメラ内で粒状を足し、フィルムライクな写真を撮影するような遊び方ができます。
メニュー画面から「フォトスタイル」を選択し、リアルタイムLUTを選択。
リアルタイムLUTのパラメータに「LUT濃度」があります。
ダイヤルを左右に押す、もしくは回すことで濃度を調整できます。
同様に、パラメータの中に「粒状」があります。
こちらもダイヤルを左右に押す、もしくは回すことで強度を調整できます。「粒状」がONになっていると、「色ノイズ」もON/OFFを切り替えられます。
■ 「LUTの重ねがけ」の方法
フォトスタイル:MY PHOTO STYLEの中でLUTを適用する場合、「LUTの重ねがけ」も可能になりました。
撮影時のシチュエーションに合わせて好きなLUTを重ねがけし、濃度を調整して、即興で独自の絵作りを楽しむような撮影体験ができます。
MY PHOTO STYLEのパラメータにある「 LUT1」「LUT2」で任意のLUTを選択し、それぞれの濃度を調整します。
■新アプリ「LUMIX Lab」について
これまで、カメラにLUTを登録するためには、パソコンでLUTをダウンロードしてSDカードに保存し、SDカード経由でカメラに登録する必要がありました。
そのため、出先でLUTを追加するにはノートパソコンを持ち歩かなければならず、基本的には「撮影に合いそうなLUT」を自宅で予想してカメラに登録する必要があったのです。
しかし、S9発売に合わせて新開発されたスマホアプリ「LUMIX Lab」には、写真・動画の編集機能に加え、「オリジナルLUTの作成」「世界中のクリエイターが作ったLUTをダウンロード」「LUTをカメラに転送」する機能が備わっています。
新アプリを活用すればパソコンいらずで、その日一日の天候やシチュエーションに合わせて、スマホ一つでLUTを作ったり、ダウンロードしてカメラに登録できるのです。
■オリジナルLUTの作り方
アプリ右上の+マークを押すと「スマホ」か「LUMIXのカメラ」のどちらからデータを取り込むか選択できるので、任意の方を選択してください。
画像データを取り込み、真ん中の「ツール」を押します。
「ライト」や「カラー」、「トーンカーブ」など一般的な写真編集ソフトにあるパラメータを調整できるので、好きな色味やトーンになるように調整してください。
右上の保存マークを押し、「LUTを作成」を押します。
お気に入りの名前をつけてください。
調整した結果がオリジナルのLUTとして保存されました。
保存したLUTはアプリ上で他の写真にも適用できます。
■LUTのダウンロード方法
画面下部の「ダウンロード」を押すと様々な LUTが表示されるので、気になる LUTを探してタップします。
LUTの詳細画面では、サンプル画像上のバーをスライドさせることで LUT適用のbefore/afterを確認できます。
+マークを押すと、スマホ内の画像を反映することもできます。
LUTが気に入ったら「ダウンロード」を押すと、スマホ内にLUTがダウンロードされます。
ダウンロードされた LUTはカメラに転送するだけではなく、アプリの中でも使用できます。
■LUTをカメラに転送する方法
アプリで「カメラ」を選択します。カメラ側のBluetoothがOFFの場合は、カメラ側でONにしておきましょう。
メニューからBluetoothを選択し、
ONにします。
スマホ(アプリ)とカメラがBluetoothで連携すると、「画像・動画転送」か「 LUT転送」かを選択できます。今回はLUTを転送したいので「LUT転送」を押してください。
Wi-Fiとの接続を求められるので接続します。カメラとのWi-Fi接続を設定していない方は、先ほどのBluetoothと同様にメニュー画面からWi-Fiを接続してください。
接続された LUTの選択画面に移行します。画面上の「スマホ」を押すとスマホ内に保存された LUTが出てくるので、カメラに転送したい LUTを選択します。今回は、先ほど作ってみた「Osanpo_LUT」をカメラに転送します。
任意のLUTをタップすると選択肢が出てくるので、「カメラに転送」を選択します。
カメラ内の空いている LUTライブラリにLUTを転送します。私は既に12個のLUTを登録しているため「Set13」を選択していますが、どの番号でも構いません。既に登録されている LUTを選択した場合、上書きされます。
これでLUTがカメラに転送・登録されました。
カメラ側でも即座にLUTを選択できました。
このように「オリジナルLUTの作成」「世界中のクリエイターが作ったLUTをダウンロード」「LUTをカメラに転送」するのはとっても簡単!S9とアプリがあれば、おでかけ先でもすぐにお気に入りのLUTで撮影できます。
■ハイブリッドズームについて
新機能「ハイブリッドズーム」は、光学ズームとクロップズームを組み合わせて、望遠効果を高める機能です。ズームリングの操作のみで光学ズームとクロップズームを同時に行えます。ズームリングの操作が必要なのでズームレンズでのみ操作できる機能です。
具体例を出しますと、キットレンズのLUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.にハイブリッドズームを組み合わせると、ズームリングの操作のみで「実質28-624mm」のレンズとして撮影できます。
ハイブリッドズームを駆使すれば、レンズ一本で幅広い焦点距離をカバーすることができ、機材の量も減らせるでしょう。
メニューから「ハイブリッドズーム」を選択します。
ハイブリッドズームをONにします。
「はい」を選択すると、設定完了です。
このように、ズームリングを回すだけで本来の焦点距離(200mm)以上の絵を撮影できます。
■クロップズームについて
新機能「クロップズーム」は、画像の中央部を切り出して、画質を劣化させずに望遠効果を高める機能です。ハイブリッドズームと似た機能になりますが、ズームリングではなく画面上で操作ができるため、単焦点レンズにも適用できます。
具体例を出しますと、LUMIX S 35mm F1.8なら最大109mmまでズームして撮影できます。ハイブリッドズーム同様、レンズ一本で幅広い焦点距離をカバーできる機能です。
メニューから「クロップズーム」を選択します。
クロップズームをONにします。
画面に表示されるバーを上にスライドするとクロップズームされ、下にスライドすると元に戻ります。
■認識AFについて
認識AFを活用することで、任意の被写体に対してより高い精度でフォーカスを合わせることができます。
子どもやペット、乗り物を撮影するのが好きな方には特に役立つ機能です!
設定方法は以下になります。
ダイヤルを左に押すと「AFモード」の設定画面が表示されます。
ダイヤルを上に押すと「自動認識ON/OFF」の切り替えができます。いわゆる「認識AF」のON/OFFです。
DISP.ボタンを押すと「自動認識の対象」を選択できます。子どもを撮る場合は「人物」、ペットを撮る場合は「動物」など切り替えて使ってみましょう。
■電子手ブレ補正(動画)について
「電子手ブレ補正(動画)」を「強」に設定すると、よりブレが抑えられた動画を撮影できます。
スマホよりも綺麗なVlogが撮りたい方や、リアルタイムLUTを使って自分が好きな世界観の動画を気軽に撮影したい方は、ぜひご活用ください。
設定方法は以下になります。
動画メニューから「手ブレ補正」を選択します。
「電子手ブレ補正(動画)」を選択します。
「強」を選択して、決定します。
■エクステリア張り替えサービスについて
LUMIX S9では、3つのカラーバリエーションから選べるエクステリア張り替えサービス(有償)を提供しています。
手順は以下の通りです。
公式ページ中段「お申し込み方法」の手順に添い、ボディの色に合わせて張り替えたいエクステリアの色を選択し、「ご購入はこちら」をタップ。
Panasonic Storeに飛ぶので、そのまま「カートへ入れる」を選択。
「ご注文手続きへ」を押し、手続きを進めていきます。
箱が届きましたら本体を送り、張り替えられたカメラが戻ってくる流れです。
今回の記事は以上です!
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