見出し画像

LUMIX S5IIXのブラックデザインは、「創作意欲」を変えるのか|Keng Chi Yang

こんにちは。Keng Chi Yangです。

今回は、新発売されるLUMIX S5IIXを使用してみた感想を軸に、カメラの見た目にまつわる考えもお話しさせていただきます。


撮り手に求められるもの

最新のフルサイズカメラは、画質の差がそこまで顕著では無い気がしています。もちろん個性は様々にあって、画素数や高感度耐性、連写速度、それに各社が鎬を削って開発したレンズ群も個性のひとつでしょう。

例えばLUMIXであれば、S5Ⅱより搭載されたリアルタイムLUTや、従来から強力な手ブレ補正、生命感溢れる瑞々しい描写などが個性でしょうか。被写体をあまり選ばずにいつでも使いやすいカメラです。

ただ語弊を恐れずに極端な言い方をすれば、どのカメラを使っても良い画質が得られる現代に於いて、求められるのは撮り手のセンスとも言えます。なんて難しい時代なのでしょう。

現代のカメラ選び

では現代の、ことカメラに於いて、何を基準にして選べば良いのでしょうか。そう、見た目です(笑)

冗談めかしていますが、これはあながち間違いでも無いんじゃないかなーと思っています。使用している道具にも、撮り手のセンスや個性が現れてくるでしょう。

何の撮影で、どんなファッションで、どこの街で、そしてボディとレンズ、ストラップからカメラバッグに至る全ての組み合わせによって、あなたが何を撮ろうとしているカメラマンなのかを表現する。

「カメラをファッションにするんじゃないよ!」

なんて声も聞こえてきそうですが、私が憧れている写真家はお洒落さんがホントに多いです。服や髪型、立ち居振る舞いまで、その人の軸と言いますか、美意識のようなもので溢れています。

「カメラも込みでちゃんとファッションにしなさいよ!」と言った方が、今の時代っぽい気もしています。街で撮るのであれば、スマートな方が素敵です。

都会でスマートに持ち歩けるフルサイズミラーレスカメラ

model:

折角オールブラックになったLUMIX S5ⅡXなので私も真っ黒の服装に身を包み、S5IIXにはLUMIX 35mm F1.8を装着してサクっとお茶をするついでにモデルさんを撮影してきました。

全てリアルタムLUTを使用しているので、編集もサクッとです。

デザインに細かいこだわりが散りばめられたS5ⅡXですが、なんとストラップまでオールブラックになっていました。実はこれまでLUMIX純正のストラップは全く使っていなかったのですが、このストラップなら使えそうだなと思い、初めて純正ストラップをボディに通してみました。

ストラップのメーカー名や機材名が書いてあるストラップをあまり使いたく無いと言うカメラマンは、実は周りでも昔から地味に多いです。でもこれなら街中でブラ下げていても、違和感が薄そうですね。実際にブラ下げてましたが、主張は控えめで、カメラを持つことや出すことについて遠慮せず、いつもより少し気軽に撮れました。

LUMIX S5Ⅱとスチルとしての機能は全く同じであるのに、カメラのデザインが変わるだけでここまで気分が変わるとは思いませんでした。

LUMIX S5ⅡXで変わったデザイン

ここからは、もう少し細かくデザインのレビューをしていきます。ただ黒くなっただけではありません。

ブランドロゴマーク

よくある白のロゴから黒の塗りつぶしになりました。一番わかりやすい変化かな、と思います。ブランド名を黒にすることは、社内でかなりの議論が起こったのではないのかなと想像に難くありませんが、個人的には素晴らしい変化だと思います。よくパーマセルテープでメーカーロゴを隠す人も居ますし、実際の実用的な部分でもガラスや瞳への写り込みが解消できるからです。

個人的な話しですが、パーマセルテープを貼ると、貼った後にベタっとしてしまうので少し気になっていました。いかにも貼りましたって感じが少し野暮ったい印象もあったので、ここのデザイン変更は大歓迎です。

ボディ名ロゴマーク

グレー系+赤から黒一色となりました。S5IIは「II」が赤色で少し主張の強い感じがありましたが、S5IIXに関しては全てが黒となっています。ちょっとした変化ですが、印象は結構変わりますね。

軍幹部ダイヤルの質感と刻印

削り出しのヘアライン風から細かい凹凸の梨地になり、白の印字から彫り込みの刻印+グレーのスミ入れの様な感じになっています。ドライブモードダイヤルの赤いラインも黒へと変更になりました。この辺りが特にX専用パーツって感じがして、こだわりが感じられるアツいポイントです。所有欲が刺激されますね。

視認性も良く、ぱっと見でもしっかり判読できます。刻印の精度も高く、綺麗に細かいエッジが立っています。彫りの深さとか色とか、ここまで詰めるのは調整が大変だっただろうなと感じますし、物としての良さもしっかりと感じます。

各種ボタン類やボディへの印字

白からグレーになりました。写真だと判りにくいかもしれませんが、装着しているレンズの印字とボディの印字で、どの程度グレーになったのかを判断していただければと思います。実際は写真よりもう少しだけ暗い様な気もします。

基本的に全ての文字がこのグレーで印字されているので、統一感は出ていますね。

ただグレーにしただけの色では無さそうで、視認性とデザインのバランスが上手く取れている、上品で統一感のあるデザインにまとまっていると感じます。

暗所での視認性

オールブラックだと暗い場所でダイヤル類の文字などが見にくいのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。

初めて使う方や、夜のストリートスナップで手元の照度が心許ないとか、意外と薄暗いスタジオでの操作など、暗い場所で操作することも少なく無いですもんね。よくわかります。で、実際どうなのか。

オールブラックは暗所だとビックリするぐらい何も見えません。笑
が、S5ⅡXで全く見えないような暗い状況であれば、そもそもS5Ⅱでも見えません。

暗所の場合、モードダイヤルは勿論ですが、背面のボタンすらほぼ見えません。ただ、LUMIXは各ボタンやダイヤル配置が優秀で、指で覚えやすいので私の場合は困りませんでした。私は普段からボタンを見ていないのです。

配置の全てを覚えた方が撮影のスピード感は確実に上がります。ノールックで操作した方が玄人感が出てカッコ良いです。ボタンの配置や操作を覚えることは撮影に於いても良いことですし、慣れましょう。笑 カッコ良いことが正義と思えるクリエイターに向いているカメラです。

ただし、問題があるとするならば撮影モードダイヤルでしょうか。ドライブモードダイヤルは端が単写とタイマーで止まる為まだ良いのですが、グルッと一周してしまう撮影モードダイヤルの順番に関しては、私も正直あまり覚えていません。EVFや背面液晶に現在のモードが出てきますし、くるくる回して解決しましょう。

ちょっとしたワガママを言うのであれば、LUMIX S1シリーズの様にダイヤルのロックボタンが欲しかったですね。スタンダード機の購買層を考えると、モードダイヤルにロックボタンを付けると逆に操作性に難が出てしまいそうなので、仕方がないとは思いますが。

視認性に関しては、ちょっとでも明かりがあれば、傾けるなどの反射で文字は浮き上がってきます。そうなれば思っていたよりも文字は読みやすいです。個人的な感想ですが、心配していた程の見にくさでは無かったと感じています。

撮影者のポテンシャルを高めるカメラ

最後まで読んでいただきありがとうございます。LUMIX S5ⅡXを使用したインプレッションでした。

カッコ良いカメラを使うことは、とても重要なことだと感じています。不満のあるカメラだと、撮影の調子が悪い時は機材の所為にしがちです。これはとっても不健康な考え方です。撮っているのは、どこまで行っても自分なのですから。

逆に、機材が納得いっているのであれば、まず撮影時にテンションがアガって、集中力も増し、閃きも増えるはずです。結果的に柔軟で歩留まりの良い撮影になって、良いこと尽くしです。

何を表現する者なのかを見た目から表現する事も、これから写真業界で少しずつ広く一般になってくるのではないでしょうか。

スチルでの画質の良さや機能はLUMIX S5Ⅱと同等なので、LUMIX magazineの記事をご覧ください。素晴らしいカメラです。

▼関連記事


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?