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LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.【My Favorites#04】 

こんにちは、光学設計部の岸田です。制御ソフト設計を担当させて頂いております。

設計メンバーのお気に入りレンズを紹介させていただく【My Favorites】のコーナー、今回は私のお気に入りレンズとして、マイクロフォーサーズの LEICA DGシリーズ 大口径・超広角ズームレンズLEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH. を紹介をさせていただきます。

マイクロフォーサーズのレンズは、フルサイズのレンズよりも小型・軽量な設計が可能です。さらにこのレンズは、大三元レンズのF2.8通しでなく、望遠側をF4とすることで大幅な小型・軽量を実現しています。そのため、広角レンズを持っていきたくなる旅には必需品となっているレンズです。
私の撮影スタイルは、静止画と動画の撮影比率が半々で、動画を撮影する機会も比較的多いです。このレンズは、ジンバルに搭載しても、約315g(小ぶりのりんご1個相当)と軽量で、更にインナーズーム構成なのでズーム時のバランスが保たれ、使い勝手が抜群です。またプライベートでドローンの空撮も行うのですが、地上を撮影する場合にこの超広角レンズの相性はすごく良いです。まずは私が撮影した動画を紹介します。

私は海と雲の撮影が好きで、このレンズで夜明けや夕日の撮影を楽しんでいます。超広角レンズで発生しがちな歪曲収差もほとんどなく、きれいな水平線が表現できます。超広角レンズで撮影するので、変化の少ない写真になりがちですが、タイムラプス撮影をすることで、雲の動きや空の色の変化が面白いです。タイムラプス撮影はカメラ設定のみで撮影が可能なため、簡単ですので是非試してください。(輝度差が多いシーンは、露出モードはA(絞り優先)がおすすめです)

それでは、私が旅で撮影してきた写真を紹介させていただきます。

GH5II, LEICA DG 8-18 F2.8-4.0 / 8mm(35mm判換算:16mm), 1/60sec, F8, ISO:400

この写真は、風景に人物のシルエットを小さく入れたもので、広角レンズでの技法ですね。主題が空・雲、副題が夕日、副副題が人物・シルエットになります。私は広大な風景を撮影する場合には、アスペクト比16:9とすることが多いです。

G9PROII, LEICA DG 8-18 F2.8-4.0 / 8mm(35mm判換算:16mm), SS:1/200, F5.6, ISO:100

次の写真は超広角レンズでのパースを効かした灯台と近接の花です。
解像、ゴースト・フレアも無く、やはりライカの厳しい品質を満足したレンズだな思いました。花の手前は壁だったので、狭いスペース・低い姿勢での撮影で苦労しましたが、このレンズの特徴である小型・軽量の機動力や最短撮影距離0.23mを活かすことでなんとか撮影できました。

G9PROII, LEICA DG 8-18 F2.8-4.0 / 8mm(35mm判換算:16mm), 1/400sec, F8, ISO:100
G9PROII, LEICA DG 8-18 F2.8-4.0 / 8mm(35mm判換算:16mm), 1/320sec, F8, ISO:100

この2枚は超広角を活かした花の写真です。1枚目はローアングルでパースを効かした元気なヒマワリを表現し、2枚目はヒマワリの背景にあるヤシの木と青空を主題として表現してみました。

G9PROII, LEICA DG 8-18 F2.8-4.0 / 18mm(35mm判換算:36mm), SS:1/100, F4, ISO:100

次は望遠側の18mm F4の写真です。主被写体の花と背景との距離を遠くすることで、ほどよくボケて背景の綺麗な玉ボケを表現できていると思います。

G9PROII, LEICA DG 8-18 F2.8-4.0 /
18mm(35mm判換算:40mmアスペクト比考慮),1/60sec, F4, ISO:1250
4K60p(動画切り出し保存・カメラ内機能)

この2枚は動画をイメージした屋久島登山での作例になります。広角ローポジションでトロッコの線路を前・後ボケにすることで、遠近感や臨場感が強調された超広角ズームならではのダイナミックな表現が可能です。動画作品で使われる足元のBロールのショットをイメージした作例です。
このレンズは防塵・防滴にも配慮されているので、雨が降りやすい屋久島登山でも、気にせず撮影をすることができました。またマイナス10℃の耐低温設計の為、雪山でも撮影を楽しめます。さらにフィルター径は67mmで小径なので、風景や動画撮影で活躍するNDやPLフィルターも追加で持っていってもかさばりにくいです。

またアクチュエータ制御についても紹介させてください。このレンズは広角レンズなのでフォーカスのストロークも短く、小型・軽量に適したステッピングモーターを採用、高速・高精度でなめらかに駆動させる制御をふんだんに導入しています。また絞りにもステッピングモーターを採用し、動画撮影でも満足いただけるような特別な制御を導入しています。静止画・動画のハイブリッドレンズに適したフォーカス・絞り制御を実現しています。

今回の作例紹介は以上になります。
最後に、作品作りにおいて超広角の本レンズと、さらに超望遠レンズを組み合わせることで様々な表現が可能になります。私のおすすめは、本レンズの兄弟レンズH-ES50200のと2倍テレコンバーター(DMW-TC20A)です。これらのレンズを組み合わせることで、小型・軽量システムで、広角は8mmから望遠は400mm(35mm換算で16~800mm(標準焦点距離の37~119mm領域の省く))までカバーできます。

・LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S. (H-ES50200)
・DMW-TC20A

記事に関するご感想やご質問などがありましたらコメント欄にお願いします。今後も設計メンバーお気に入りのレンズをこの【My Favorites】でご紹介する予定です。お楽しみに。


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