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どうしてそんなに"リサーチ"するのか

note書く書く詐欺師こと、なかみぞです。

最近わたしは、人様の夢に勝手にお邪魔して、シンガポールまで拉致軟禁され、最後にはそのマフィアに馴染んでいたらしい。

心配になって迎えに来てくれた(らしい)ねえやんに心から感謝申し上げたい。
現実のなかみぞは、今日も元気に世田谷の事務所部屋でコツコツ仕事をしています。
夢の中でシンガポールまで追いかけてきてくれるなんて感激です。
ありがとうございます。


そんな風になかみぞを心配してくれた、LINOさんは店頭に立つひと。

ずっと現役で店頭を貫いて、お客様の消費の、その場面その先を見続けて、夢の中では※マフィアを追いかけてシンガポールまで来ちゃうような、すごい人なのです。

※2018.9.20 大事なことなので、「うにくまを助けにシンガポールまで来てくれちゃう」に訂正させていただきます。(キリリ ※下記貼り付け参照


そして確かにこの7月、私はシンガポールにもリサーチに行っていました。

マフィアには拉致されずに無事生還を果たしました!めでてえ・・・。

その前のフィンランドも、ベトナムも、タイも、フィレンツェもローマもバルセロナもエストニアもパリもあれもこれも。

私は旅先でも必ずリサーチを入れ込みます。

なのでよく周りからは、

「なぜそんなにリサーチするんですか」
「リサーチで何を見るんですか」
「そんな頻繁にやらなくてももの作ってたら自然とわかりませんか」(わかりません)
「ネットで見ればよくないですか」(よくないです)

途中心の声が漏れましたが、こほんこほん!!

なんてことを言われます!
なので、なかみぞの独断と偏見による、
リサーチって何が大事なの?
どうしてするの?
最後に私が思うリサーチのお作法について
まで、お伝えしようと思います。


なんでそんなにリサーチするの?

A. 一次情報を取りに行くためです。

あと天才じゃないからです。(真顔
とりあえずそれはこの記事でどうぞ。

これ以降の項目にも重なることですが、なによりも一次情報を取りに行くために行っています。

自分がいまこの季節、この日この時の街を歩いて何を感じるのかという、消費者としての自分を客観的に見るところから始まり、

街の雰囲気、女の子・女性たちの体型、表情、メイク、服装。もちろん男の子・男性のそういうものも確認します。

その日の天気や、花粉が飛んできたな、とか、新しいオフィスができたな、とか、百貨店のブランド配置変わったなとか、

全て自分の目で。

私は、企画の本質の一つは差別化ではなく独自性だと思っていますが、そのためには必ず自分のフィルターを通すことが必要なんです。(出典:なかみぞしらべ)

そのために生々しいライブの情報を仕入れて、自分の中で咀嚼していきます。

綺麗にフィルターをかけられたものでもなく、切り取られた誰かの意見でもなく、俯瞰して見た自分の五感全部を使っていろんな角度からの情報を得るために、私はリサーチに行っています。


リサーチで何を見るの?

A.目に入るもの、聞こえるもの、匂うもの、触るもの、味わうもの全部

それは言い過ぎでしょ〜って思われることもしばしばなこの回答。

まじだぜ!!!!

目が不自由な場合を除きますが、人間の情報取得は視覚情報に頼っているところがあるとも言われています。

アパレル製品は特に「目に見える」何かが重視されることの多い商材ですので、もちろん欠かせませんよね。

でも、休憩中のカフェで聞こえる会話や、電車の中で前の人が話している内容、店内でかかる音楽...などの聞こえるもの

店内の香り、一緒に置いている香水のメーカーやライフスタイルグッズの香るものたち、隣に座った人の香水、館の水回りのにおいや、おいしそうなレストランの匂い、季節の変わり目の匂い...などの香るもの

素材の触りごごちはもちろん、糸なら毛の噴き方、ハンガーや什器の質感、包装紙、ショッパー、食器やカトラリー、記名用のペンなど...触るもの

服には関係ないでしょう、と言われるけど、ショッピングの間で口にする流行りの飲食店や、ファッション・アパレル企業が展開する飲食店、ファッション誌に載るような飲食店はもちろん、富裕層が行くようなお店から、ビール箱ひっくり返して座るようなお店、時にはコリドー街やらまで出向いて食事をしてみたり、そこに来る層が何を味わうのかも、大切なこと。

正直言うと私は好奇心旺盛ですが、オフィスにいないと急な修正対応などできかねるというのもあって出不精だったりします。

割と常時ご機嫌で周りに花畑が広がっていると言われますが、いつなんどきも好奇心とワクワク感にまみれてウィンドウショッピング代わりにリサーチに行けるかというとそうでもないです。

なので場合によってはある程度「これを見にいく」とタスクを決めて出かけることもあります。でも、その道すがら出会う様々な人の方がずっと大事な情報を持っているのでそれをみすみす見逃すなんて、もったいないですよね。


もの作ってたら自然とわかりませんか?

A.わかりません。

というよりも、"自分が一歩も動かなくても見えるもの"って大した広さじゃないと思っています。

もちろん自分や仲間が作ったものに対してのフィードバックや売れ行き、リピートや消化率などはいやでも入ってくる情報も有益ですが、それはどちらかというと私にとって過去の情報。

自分の作ったものの他に洋服も靴もバッグも捨てられるほど作られていて、たとえ1000枚売れたとしたって、それって消費者の何パーセントでござるかという話で、なんにせよめちゃくちゃ狭く感じてしまう。

そして売れてる理由も売れない理由も、大抵数字と売り上げランキングだけ見ててもわからないです。

「きっとこうなんだろうな〜」が、確信になっちゃうケースをよく見かけるんですが癖になるととても危険なので、私は実際に五感で確認しに行きます。


ネットで見ればよくないですか?

A.よくないです。

私もインターネットが発達しだした頃、「リサーチに出かけなくてもいい日が来るのかな・・・」なんてことを思っていました。

実際にそういうリサーチでものを作ろうとしていた時期もありました。

ですが、まずネットの情報は、誰かのフィルターを介しているものであることが多いこと。それに加えて、曖昧な情報も多くなってきました。

服の写真などは、縫い目線などが加工で見えにくくなってしまったり「物理的にちがうやんけ」ということも起きています。

そして触れないこと、3Dで見れないこと、体感が伴わないことなどいろんな理由が挙げられます。

一方で、消費者はそんなこと気にしないよ。

と言われます。

でも違うんです。私たちは消費者でありながら、そして作り手や企画者売り手になる時に消費者の感じ方や見え方を想像しながらも、消費者と同じ解像度でものを見てはいけないと思うのです。(出典:なかみぞしらべ)

その他にも、webの加工された世界と現実は、やっぱりまだ二層、三層になっているなとも思います。見せたい姿と本当の姿は、やっぱり違います。

どちらでも小売りが成立する社会にはなりましたが、週末になれば店頭は人でごった返していますし、ECでも店頭でも実際に触って試着してから買いたい人の方が多いのもアパレル商材の特徴です。

その時にリアルに本人たちの手に届いているものはなんなのかを知っておくにこしたことはないですね。


リサーチの時に、気をつけていること


リサーチともなると、大変な物量を1日で見て回る日もあります。

リサーチって、自分のペースをつかむまで少々時間を要しますし、効率的に回れるようになるまで焦ってしまうこともありました。でも必ず、商品は丁寧に扱いましょう。これだいじ!

リサーチ中の私たちが触る商品を定価で買う人もいて、そしてその人は業界にとってお客様ですから。

同業界の人間であることを自覚しつつ、かといってそれを感じ取らせないよう、見ている他のお客様やお店のお邪魔にならないよう気をつけています。(勘のいいお店の方には気づかれることもあります)

特に私たちは、商品に向かうやいなや、いきなり混率を見たり、縫い目を探したりと「あ〜(わかりみ」と思われることをしがちです。

なので他のお客様がいらっしゃる店ならできるだけ、素早く・目立たず・丁寧に。

空いている時なら、試着して、時には購入!ということもしますが、混み合って試着室に待ちの列ができている時は「どうしてもこれを買ってやるんだ!」という消費者100%の日以外はスルーします。

また、これはマストかどうかわかりかねますが、お店やお客様をぎょっとさせないために、私個人は目立つ服装は避けます。好きなものを着ますが、その日に回る街やお店の中にいても異分子にならないテイストに、できるだけ寄せます。

そして出口間際でのおはなし。先述しましたが、勘のいいお店の方には気づかれることもあります。気づいて声をかけてくる人もいますが、大抵の方は気づいてもそっとしておいてくれるように思います。

なので、お店を出てくる時には少し振り返って、スタッフさんに目があうならその人に、できるだけ「ありがとうございました」と言って店を出るようにしています。

別にこれならただのお客さんだと思っていても、リサーチかな〜とわかっていても、角が立ちません。

でもリサーチも行き続けるとさすがに顔を覚えられるので、店頭と自分がお互い気分が悪いことにはならないよう、こんな風にマナーには気遣っています。

完全に私の方法なので、これが絶対にいいのだ!これでいいのだ!というわけではありませんが、ざっくり「うにくまのリサーチについて」でした。


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