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【読了】ミシェル・ビュッシ「黒い睡蓮」
ミシェル・ビュッシ「黒い睡蓮」
本屋さんでタイトルが気になった本。
モネの村として有名なジヴェルニーで女癖の悪い眼科医の死体が発見される。捜査本部に届いた差出人不明の写真には、謎めいた数字と眼科医の浮気現場が収められていた。
村に住むそれぞれ年齢の異なる3人の女性と捜査に奔走する警察官とに視点を変えて、事件を軸に語られる物語。
久しぶりに「ミステリ」ではなく「推理小説」を読んでいるな〜と感じてとても良かった。
描かれる村の様子は絵画の村と称されるのに相応しい明るい鮮やかさと美しさに満ちていて、老女の視点にみられる黒々とした影の濃さとのコントラストが際立っていて、絵画から切り離され、魔女と自称する彼女の虚ろさや孤独感を思わせられました。
魅力的な風景とよく動きよく喋る魅力的な人物と、彼らにまつわる絵画、そして事件と。
緻密に構築された物語の美しさにも圧倒されました。
じっくりと味わい深い良い本でした。
(Twitter20230714投稿文の再掲)