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【読了】樋口直哉「月とアルマジロ」

樋口直哉「月とアルマジロ」
タイトルに妙に惹かれた本。


大学生の「ぼく」は親しいとは言えない友人からアルマジロを預かってほしいと頼まれる。届いた檻を寝室に置き、アルマジロとの同居が始まった。


主人公の目を通して語られる物語は漠として時として鋭くもあり、飛び交う思考を持て余しているようでもある。
変に理屈を捏ねたかと思えばふと過去に気を逸らす、そんな彼の日々に紛れ込んだアルマジロという異物。

ふわふわと掴みどころがなく、けれど妙に芯を感じる文体が心地よく響く作品でした。
最後の一文がたまらなく好き。

(20240212投稿文の再掲)

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