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【読了】 ケイト・モートン 「忘れられた花園」

ケイト・モートン「忘れられた花園」
翻訳もののミステリを読みたくなって


隠れんぼに誘われて少女は物陰に腰を下ろした。ルールは物語のおば様が戻ってくるまで動かないこと。それから自分の名前を秘密にすること。


本の後ろの方にある広告を見るのが結構好きで、この本もそうやって知りました。
「秘密の花園」が好きなら気にいるはず…という謳い文句に簡単になびいてしまうのは仕方ないよね。

目次に都市名と西暦が並んでいるのは、それぞれの場所でその時々の主人公の暮らしが描かれるから。
三人称なので誰の話かわからなくなることはないけれど、それはそれとして細かく行き来する場所と時代に慣れるまで少し大変でした。

彼女たちの関係性は、ある人物が隠されていた事実を知り、真実を知ろうとすることで少しずつ近づいていきますが、時代という流れに分断されて親しみを交わすことはできない寂しさとともに読みました。
不意に現れる不思議な童話も面白く、味わい深い作品でした。

(20240901投稿文の再掲)


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