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【読了】降田天「さんず」

降田天「さんず」
「ほんタメ」で紹介されていた本。


もう後がなく死ぬよりほかにないほどに追い詰められた時、白いカードを手にすることがある。申し込めば自死の手助けをしてくれるという会社の名は「さんず」といった。


作者名で「すみれ屋敷」のひとだ〜と手に取ってみたらタイトルにも既視感があって、メモを確認したら「ほんタメ」で紹介されていて納得でした。

死にたくなるほどの何かがあり、もう本当にそれしかないのだと思い定めてしまったとして、それでも最後の一歩を踏み出せない時に手助けしてもらえるとしたら。
それはたまらなく魅力的に違いない。

社長の道楽で運営されている「さんず」では、決行前に心残りをなくすというサービスもついてくる。
カウンセリングと呼ばれるそれは派遣されてくる社員が担当し、万が一の場合はキャンセルもできる。
一風変わったどころではない有限会社の社員たちが様々な依頼者と出会い、別れていく物語。

テーマ的に心が痛むものもありますが、ひねりが効いていて興味深く、同時に考えてしまう作品でした。

(20240525投稿文の再掲)


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