【読了】高橋弘希「日曜日の人々」
高橋弘希「日曜日の人々」
「ほんタメ」で紹介されていた本。
従姉から送られてきた荷物は日記のような文章の書かれた紙束だった。意味がわからないながらも読み進めるうちに、彼女の出入りしていたらしい学外サークルに辿りつく。
タイトルに感じる陽気な雰囲気とは裏腹に喉や胸を重たく塞ぐ塊を抱えた人々の物語でした。
たまたま同じ作者の本を続けて読んだことで、なんとなくこの方は曜日区切りでの生活感覚が強いのかなと思ったり。
作中にタイトルと同名の冊子が出てくるのですが、グループの主催者は安息の日を得られるようにという願いを込めて名付けたのかもしれません。
自らを傷つけることに生と死のどちらを感じるのか、どちらも感じないからこそなのか。
部外者にできることはないに等しいけれど、月曜日を迎えようともがく勇気ある人々が報われてほしいと思う。
テーマ的に読むのがしんどかったので、気持ちがもっていかれやすいタイプの方はご注意を。
(20230812投稿文の再掲)
・第39回 野間文芸新人賞