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【読了】 宇佐見りん 「くるまの娘」
宇佐見りん「くるまの娘」
少し前から好きで観ている「ほんタメ」というYoutubeチャンネルで知って読んでみた本。
普段あまり純文学は読まないのでたまにはいいかなと思ったのだけど、想像以上にどすん!ときました。
これは地獄だ…。
家族というコミュニティのなかで傷つき傷つけて、何が問題なのかもわからずに曖昧にすることでかろうじてその日を生き繋いでいく…。
最初から最後まで徹頭徹尾しんどさしかないのがすごい。これが純文学か…(たぶん違う、というか違うといいな〜)
なんというか、やばいものを読んでしまった感がすごくてやばい。
一息に読み終えてしまえるぐらい引き込まれるものは確かにあったのだけど、生温かい沼に両足の先からゆっくり滑らかに沈んでいくような作品でした。
個々人で異なる出口のない地獄をそれでも生きのびていくなかで、ふと何かが救われる瞬間があればと祈りたくなる…というのも正直おこがましいのだけど、祈る、としか書けないこの気持ち。
でも理解するなんてとんでもないし、救おうなんてもってのほかだし、結局のところただそうとして受け止めるしかないっていうね。うん。大変やぼうございます。
とにかく抉られることこの上なしという感じだったので、これから読まれる方はお気をつけて、諸々整えた上でご賞味いただくことをお勧めします。
それにしてもなにがヤバいって、この作品を嬉々として紹介してくるあかりんが最大に最高にやばいと思います。もぅ、ほんっと好き!!
(Twitter20230107投稿文の再掲)