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【読了】リカルド・アドルフォ「死んでから俺にはいろんなことがあった」

リカルド・アドルフォ「死んでから俺にはいろんなことがあった」
不思議なタイトルにひかれた本


主人公は妻と子を連れて通りを歩いていた。妻の買ったスーツケースは無駄に思えたが、それを持つと自分が偉くなったようで気分が良くなった。もちろん手のひらを返すようなことは言わないが。


タイトルと内容がいまひとつ噛み合わないように思ってましたが、読み進めていくとなるほどと。
確かにそれはある意味では死に等しいのだと腑に落ちました。

自分の決断は常に間違っていると感じつつ、頭の中でこねくり回して出した結論を手放すこともできず。
思い通りにならない苦しみのなかで願うことはささやかで卑近な幸せ。
その場しのぎを繰り返す姿は正直お近づきになりたくないと感じるけれど、本人は真面目にやっているつもりでいるのは憐れにも思う。

最近ニュースで聞くことの増えた問題でもあり、そこのルールを知ろうともせず当然尊重もしない姿勢に苦々しい思いを抱くこともあって、まっさらな気持ちで読むのが少し難しい作品でした。

(20240622投稿文の再掲)


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