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【読了】高丘哲次「最果ての泥徒」
高丘哲次「最果ての泥徒」
タイトルと装丁にグッときた本。
列強に囲まれ自らの軍事力を持たないレンカフ自由都市は、ゴーレムの製造という特殊性によりその存在を認められている。名家に生まれた主人公は十二歳の誕生日に初めてのゴーレムを生み出したのだった。
「最果て」という響きからファンタジックで少しおセンチな物語を想像していたら、近代でしかもゴーレムが産業として成立していたのに驚かされました。
主人公の一代期として語られるゴーレムが当たり前に存在している世界は、どこか馴染みがあるようで、けれど明確に新しくて引き込まれ力がすごかった〜!
世界や人の輪郭がくっきりしているというのかな。
読み進むとその情景が立体的に立ち上がってくるようでした。
ただちょっと、猫の話はもらい泣きなのか思い出し泣きなのかわからないけど心にきすぎてつらかった…。
そうだよね、生きてほしいよね…って書きながら今もう泣いてるぐらいダメ。
ともあれ、ゴーレムというものを巡る物語は骨太で、考えてしまうことも多いし楽しいばかりではないけれど、それもひっくるめてとても面白かったです。
今作はデビュー2作目だそうなので、デビュー作もぜひ読んでみたいと思います。ちなみに文庫版の方が加筆されていてオススメだとか。
それにしても、世界には才能が溢れているな〜✨享受できる幸せに感謝を。
(20231217投稿文の再掲)