【読了】知念実希人「リアルフェイス」
知念実希人「リアルフェイス」
棚で見かけて、そういえばこのひとの本は読んだことがあったかな?と思って手に取った本。
麻酔科医の主人公が働くことになったのは、腕は超一流だが金に汚いと評判の整形外科クリニックだった。時にグレーな院長の方針に反発を覚える彼女に、院長の裏の顔を暴きたいという記者が接触してくる。
「整形」というと、ついネガティブな印象をもってしまうのだけど、ここで語られる整形は院長の美意識に沿って施されるからなのか、潔い気持ちよさを感じました。
主人公の日常の合間に差し込まれる不穏な独白が良いアクセントになって、記者の言う裏の顔とどう繋がるのか興味をもって読み進められた気がします。
美しさというものがしっかりと結末に現れているのも良かった。
ただ、あらすじに「どんでん返し」と書かれていると気がついてしまったときのガッカリ感がそこそこあるので、個人的にはあまり煽らないでほしいところかも。
(20231014投稿文の再掲)