ウクライナ ロシアの深掘り考察 2
この数日で、メディアの流れも一気にロシアへの煽りが加速中。
今の現状を考えるに辺り、まず思い出して欲しいのが、
1、1964年、トンキン湾で北ベトナム軍がアメリカ海軍に対して攻撃を仕掛けたとされる事件。そしてこれがきっかけでアメリカはベトナム戦争に本格介入することになる。しかし後年、これはアメリカによる捏造であることをニューヨークタイムズが暴露した。
2、ナイラという少女が泣きながらイラク兵がクエートの病院に攻めてきて赤ちゃんを殺害したということを、何回も世界中のメディアで報道されて、反イラク感情とイラクへの批判が高まった。それまではアメリカは戦争をするかしないか迷っていたところ、アメリカの世論が戦争の方へ向かっていき、湾岸戦争へ突入。しかし後に「ナイラ」なる女性は存在せず、クウェート政府の意を受けた反イラク扇動キャンペーンの一環であったことが判明した。
3、イラク武装解除問題の大量破壊兵器保持における進展義務違反を理由とする『イラクの自由作戦』の名の下に、イラクへ侵攻したことで始まった軍事介入では、その後イラクは911の主犯であるアルカイダと繋がっていなかった、大量破壊兵器も所有していなかった、と公式に結論付けた。
「民衆が自由を獲得し、政府が彼らを力づくで制御出来なくなった時、広告産業が登場しました。人々の態度や意見を操作するプロパガンダは今はマーケティングと名を変えている。経済学では教えてくれません」(ノーム・チョムスキー「世界」6月号)
彼のこちらの本も個人的に面白かった。
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イギリスの政治家アーサー・ポンソンビーは彼の著書の中で、次の10要素を導き出した。第一次世界大戦でイギリス政府が行った戦争プロパガンダを分析して、主張される事に関する10の要素。
1.われわれは戦争をしたくはない。
2.しかし敵側が一方的に戦争を望んだ。
3.敵の指導者は悪魔のような人間だ。
4.われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命(大義)のために戦う。(正戦論)
5.そしてこの大義は神聖(崇高)なものである。(聖戦論)
6.われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが、敵はわざと残虐行為におよんでいる。
7.敵は卑劣な兵器や戦略を用いている。
8.われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大。
9.芸術家や知識人も正義の戦いを支持している。
10.この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である。
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事実として、現在EUは天然ガスの41%、原油の27%をロシアからの輸入に依存。EU側としては、無くなれば、死活問題。ウクライナ侵攻で、原油と天然ガスの価格は上がってる為、これに中東も便乗して、輸出が伸びて値上げ、利益を受ける(漁夫の利)
ロシアへの経済制裁されても、もし資源を止められたりで、痛いのはEU側。その値上がりなどの影響を直接受けるのは、私達である。現実、イギリスの電気、ガスの料金は約2倍になった。そんな事実がある為、戦争への煽りはあるが、具体的にはまだ動けないでいるNATO。
また、アメリカ合衆国は2008年まで原油の産出量は減少傾向にあったが、フラッキングと呼ばれる水圧粉砕法技術の開発によって、それまでは困難であったシェール層からの原油や天然ガスの抽出が可能となり、2017年には世界最大の原油産出国となった。
それまでの原油の産出量は、サウジアラビアとロシアが世界トップ2であったが、現在アメリカがトップとなる。こうした一連の変化をシェールガス革命と呼び、このシェールガス革命によって、アメリカ合衆国は天然ガスの産出量も増えた。
さて、現在のロシア、ウクライナ問題で、誰が得をするのか?一番は紛れもなくアメリカと、資源のある中東。あとは、台湾侵攻をしやすくなる中国。軍事力の強いロシアとウクライナを一気に潰せるEU諸国。
EUがロシアから天然ガス、原油を買いにくい流れになると、EU諸国は、アメリカから買うようになっていく。
更に紛争や、戦争が起きれば、軍需産業世界一のアメリカは武器の輸出により更に儲かるわけ。
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が公表した軍需産業に関する新たなデータによると、武器製造や軍事関連サービス企業の世界トップ100社による2017年の売上は、前年比で2.5%増加し、総額3982億ドル(約44兆2800億円)に達した。トップ100社の売上はこれで、3年連続の増加となったという。
100社のうち42社はアメリカ企業で、合計売上額は2255億ドル(約25兆円)だった。
色々と、書きたい記事が、全てここに簡潔にお話しされていたので、こちらを是非ご覧下さい。これも一つの情報。
ウクライナにしても、ロシアにしても、世界経済フォーラムのメンバーであり、グレートリセットを推奨しているわけで。その為、個人的に、勿論どちらを応援しているわけでもない。情報戦争がお得意なだけに、どちらからも民意を誘導する様な情報を流す為、真実がどれなのかは、掴みにくい。ただ、色んな戦いの中でいつも犠牲を負うのは、民間人の弱者たち。この仕組みがどうなっているのかとまずは原因を突き詰めていく。何世代も変わらず世界が平和にならないのはそこに理由があるから。色んな角度から考察していくことで、彼らが世論を誘導したい意図がわかれば、そこで私たちが賢くなれば、予防線を張ることによってそれを食い止めることだって出来る。戦争を起こしたい人間、得する人間の誘導に惑わされずその裏にある背景を見ていかないと真理は見えてこない。