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Razer Seiren Xを設置してみたので、マイクの違いについて解説するおはなし

新年あけました

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ルミナスタジオ作品をご愛顧頂いている皆様、新年あけましておめでとうございます。ルミナスタジオのバーチャルYouTuber、シャボン玉の輝鳴紅葉(Kouyou Terunari)です。
こんな体のナリをしていますが、2020年もビシッとした動きで理想の『リアル×バーチャルビデオブログ』の制作を目指してまいります。
ついでに映像制作も一緒にがんばりますので適度にオファーリングお待ちしております。(何ぶんリアルアバターは一つしか動かせないもので)

バーチャルYouTuberの業界は興って恐らく2年が経過したと思われます。
この業界の成長速度はリアルYouTuberの5倍は早いと提言していたのが2018年1月末、ちょうどルミナスダイアリーの収録で新潟にてフェリーの出発を待機するべくアパホテルでアンジェリカのキャラ原案を書いていた頃でした。
俺のVTuber進展の予想はおおよそ6割ぐらい外れ、個人的な表現手法の拡張とソーシャルVRの発展ぐらいしか当たっていませんでした。
ねえ、なんでUUUMをマネしなかったの?どうして?

まあその話は追々noteで投稿させていただきますので割愛。
今回は色々なことをやってきた、元々は音屋で生きていこうと思っていたルミナスタジオの本領を、2020年の景気付けにご紹介させていただきます。
本年もルミナスタジオおよび輝鳴紅葉・アンジェリカ、そしてルミナスダイアリーのルミ、音声作品シリーズのミレーニアをよろしくお願い申し上げます。


それは年末のツクモで見つけてしまった

俺のWindowsマシンはゲーミング以外にもVR収録・ライブストリーミングをシングルマシンで実現させることを目的としている。
そのため、どんなにAMD X570チップセットマザーを搭載していようともUSBポートが標準状態では不足する
そこで、大体PCパーツショップであれば売っているPCIE USB3.0拡張ボードを探しにツクモ(北海道であれば札幌駅西口を出てすぐ目の前にある)へ行ったのだ。

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こいつ、知っているぞ。

この卓上マイクはゲーミングマイクとしては海外ストリーマーに定評のあるRazer Seiren X

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USBコンデンサーマイクとしてはバランスの取れた集音性能とスーパーカーディオイド型のマイクカプセルを搭載した単一指向性USBマイク。
それでいて本体がかなり軽量なので、遠方へ出征した際のモバイルゲーミングマイクとしても適していて、それでいて市場価格は1万円少々。
初めてのゲーミングマイクを考えている人も、卓上収録としてのセカンダリマイクが欲しいという人にも一定の性能を保証してくれる一品だ。

ただしUSB接続のため、XLR端子の持つオーディオインターフェースやミキサーに接続したいのであれば、この上位版であるSeiren Pro(既に販売終了)か、同形状のSHURE製やBLUE製などのデスクトップマイクを選択すると良いだろう。
Seirenシリーズの良いところは、『簡単なUSB接続で必要十分な品質を得られる』ことにある。デスクトップ収録のバーチャルYouTuberコンテンツやコントローラー持ちのゲーミング、または身体負荷を抑えてシューターゲームに集中したい場合におすすめできるのが本品だ。

そんな偉そうなこと言ってお前使ったことないやろ。そう思われるはもちろん承知している。





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買ったぜ。衝動買いや。
早速使ってみようじゃないの。

Razer Seiren Xファーストインプレッション

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Seiren Xの箱のサイズはそこまで大きいというわけではない。というのも、スタンドも実際最小限の構成なのでガチのスタンドアーム等が欲しい場合は楽器屋で買ってこい、というスタンスなのだろう。
実際OBSで卓録り(もとい卓配信)を前提として購入したので、それはまったく問題ない。必要になれば島村楽器で買ってくればいいわけだ。

本品は一般的なUSBマイクとしても認識するため、Razer Synapse(デバイスソフトウェア)をインストールしなくても、接続さえすれば問題なく動作する。
それもあってか、XsplitやOBSなどのメジャー配信ツールにて変なソフトウェアを挟まずに使うことができるのが特徴でもある。

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箱を開けると早速本体のお目見えである。
こういう形状のマイクは実にプロっぽいので個人的には結構好きである。

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早速同梱品を確認してみたが、マジでこれだけである。
マイク本体に最早スペーサーレベルのアームに自由雲台と同じタイプのスタンド、そして耐久性の高いRazerおなじみ布被覆のUSBケーブル。
ドライバ不要なので実際これだけで問題なく使うことができるわけだ。

マイク本体の重量も軽く、確かに持ち運びしやすい合計重量になっている。
ゲーミングノートPCと一緒に持ち運んでも重量に余裕ができるレベルだが、一方で軽さによる安っぽさも気になってしまう。
天蓋部と根元の基底部はプラスチックのため、それが起因かもしれない。
というのも、こういった形状のマイクは全体がスチール製のことが多く、得てして高級品であることが多い。(ベリンガー製のエントリーコンデンサーマイク等を除く)
かくいう俺も専門学校時代、こういうタイプのマイクはアホみたいに高いという印象を持たされていたが、それが1万円台で手にできるようになったのは良い時代である。楽器屋で恨めしそうに眺めるだけの時代は終わったのだ

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使用感はコンデンサーマイクの特徴でもある高い集音性のおかげで、極端に近づかなくても十分なレベルの入力を得ることができる。
これまではSHUREのヘッドウォーンダイナミックマイクWH20をあらゆるすべてのライブや収録で使っていたため、耳にかけた時の接触ノイズや耳への負荷が非常に気になる部分でもあったため、卓上へ切り替えたことによりかなりゲーミングに集中できるようになった。じつに素晴らしい。

だがコンデンサーマイクの欠点もしっかり存在しているが、それは後述の項目にて解説することにしよう。

マイクの種類と指向性

よくあるマイクの種類で説明されるものは、構造がシンプルで耐久性の高い『ダイナミックマイク』、高額だが高音質で収録できる『コンデンサーマイク』と言われている。
Googleで検索しても、大半の解説サイトでは要約するとこのように解説されていて、あたかもコンデンサーマイク最強!みたいな誘導をされがちなものばかりである。
だが実際の運用は大きく違い、結論から言うと俺のオススメは『音声収録はダイナミックマイク』『楽器・環境音収録はコンデンサーマイク』だ。
もちろんそれには理由があるので、順を追って説明させてもらおう。

ダイナミックマイク

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(写真はSHURE SM58)
ダイナミックマイクはコイルの間に取り付けられた振動板(ダイアフラム)を空気振動で揺らすことで電気信号を生み出す。
構造がシンプルであり、なおかつ電力を必要としないため、ミキサーやオーディオインターフェースへ何も考えず接続するだけで一定の音を認識することができるだろう。

メリットでありデメリットでもあるのが『集音感度の範囲が狭め』で『感度が控えめ』であること。これはつまり、中音域をしっかり集音してくれるということでもある。
これは特にボーカルやライブ中の話声収録に適しており、体を動かしながら収録する場合にはとても役に立つ。電源を通さないので電気ノイズが入りにくいのも特徴だ。

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先ほども書いた、俺が収録時に使っているのがこのSHURE WH20。
こちらもダイナミックマイクで、耐久性に優れ中音域の音声収録に強い。そのため、ライブストリーミングやバーチャルYouTuberコンテンツの制作に最適だと思う。
一時期Gugenka社の東雲めぐもこのマイクを使用していると、どこかの講演で説明されていたのを覚えている。俺がこれを使っているのもそれが理由である。
これまでダイナミックマイクは小型化が難しいと言われていたが、このWH20を見る限りその問題は解決できているように見える。

ヘッドウォーンマイクはハンズフリーで使える反面、しっかり接触ノイズ対策をする必要がある。
動いていれば間違いなく固定位置がずれて雑音となってしまうため、針金部分をうまく調整して行くことになるだろう。

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大掃除前なのでひどく埃が被っているが、現役のオーディオインターフェース。
ダイナミックマイクは特にオーディオインターフェースやミキサーで音質をコントロールしやすい傾向にある。
音質が良すぎると慣れない限りミキサーで調整するのが難しく、初めて音声用マイクとミキサー類を扱う人にはダイナミックマイクを使った組み合わせが丁度良いと思う。

コンデンサーマイク

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(写真はSHURE BETA 98A)
ダイナミックマイクと比べると構造が複雑で、コンデンサーの片方の電極を振動板にすることで、蓄えられる電気量を変化させてそれを信号にするものをコンデンサーマイクという。
コンデンサーへ入力される電気の量を、可変する電極によって増減させて、その差を音の信号とするわけだ。
コンデンサーマイクに電源が必要とされているのは、コンデンサーに相当するマイクカプセルへ電力を加えて電気を蓄えさせる必要があるからだ。
そのため、基本的にはオーディオインターフェースやUSB接続で運用することになる。

コンデンサーマイクは真っ先に小型化されていて、今ではスマートフォンやラベリアマイク等、様々なもので活用されている。そのため、ビデオカメラやその他一般的用途に見られるコンデンサーマイクはエレクトレット方式のもので、マイク本体部分ではなくアンプに電源を要するものが多い。
一方、音響機器やルミナスタジオの本業で使っているシネマカメラに使うDCバイアス方式はかなり本格的な収録用途で使われている。

どちらの方式もダイナミックマイクと比べて『高音域に強く』、そして『感度が高い』。こちらもメリットでありデメリットでもある。
感度が高いということは、ほんのわずかな音も集音してしまうため余計な音が集音ノイズと化してしまう。そのためポップガード等のオプションを取り付けて運用することになるだろう。しかしどんなにガチガチに集音ノイズ対策をしても、近くにパソコンやエアコン・ストーブ等の音源があるとすぐに拾ってしまいがちになる。さらには部屋の反響音もしっかり集音してしまうので壁を防音化しないとクリアな音にはならない。
「高音質だからコンデンサーマイクを選んだのにノイズばかりになる」のはこれが原因の一つでもある。そう、想像以上に扱いが難しいのがコンデンサーマイクなのだ。
こういった難点もあって、コンデンサーマイクは前提としてオーディオインターフェースやミキサーへ接続し、+48Vファンタム電源を供給してもらう必要がある。(エレクトレット方式はまた別の供給方法が必要)
さらに、高音域ノイズや集音ノイズを除去するためイコライザーやノイズゲート等、多くの入力調整が必要になることを忘れてはならない。

逆に言えば、これらの条件を全て満たせば最高の音質で収録することができるのがコンデンサーマイクだ。

USB接続のコンデンサーマイクや超小型のマイクは大体エレクトレット方式で、値段もそこそこ。
一方のDCバイアス方式はピンキリで、安くて数千円、高くて数十万円から数百万円はする
後者をあえて選ぶ場合は、部屋の環境やミキサーの調整をがっちり整えて購入するといいだろう。

マイクの指向性

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SHURE公式サイトより引用
よくメジャーで使われている指向性は『全指向』『カーディオイド』『スーパーカーディオイド』の三種類だろう。

『全指向』は言わずもがな、マイクの集音方向を持たない無指向性というカテゴリに属するもの。これについては説明する必要な無さそうだ。
カーディオイド・スーパーカーディオイドは集音方向がある単一指向性というカテゴリに入る。
そして音声用マイクとして使われるのがこの単一指向性マイクである。

上図を見ていただければ分かると思うが、実は言うと特定方向だけを鋭利に集音するマイクというものは実はものすごくマイナーであるというのが分かって頂けるはずだ。
今回購入したRazer Seiren Xのスーパーカーディオイド型は、たしかに前方180度の音を集音するが若干の後方20度程度の集音能力も持っている。
よく単一指向性マイクを購入する人の勘違いとして『自分の声だけを狙って拾ってくれる』と思い込んで購入し、いざ使ってみるとキーボードの音をバリバリ拾ってしまって、思ったような結果にならないことがよくあることだろう。
これはもうマイクの特性なので仕方ない。本当に自分の声だけを拾って欲しいのならば放送用の鋭指向性ガンマイクを購入しよう。ウン百万円するが

だがカーディオイド型も後方の音を可能な限り減らす工夫はできる。
例えば手っ取り早いのは、マイクスタンドをアーム等にして極力キーボード等、音声以外の音源から離して使うことだ。

改めて結論

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最初に使うマイクのオススメはダイナミックマイク。もちろんエレクトレット式コンデンサーマイクも十分視野に入る。
DCバイアス式コンデンサーマイクを主軸にする場合は環境を整えてからで十分だろう。
ただ最終的には両方揃えることになるはずだ。今は片方でいいと思っていても、いずれ沼にハマるはずだ。

この記事を読んでいる人の中には多分バーチャルYouTuberや配信者がいると思うので、それらの目的にヘッドウォーン型のマイクにしておくと無難だろう。
耳にかけるのがウザいのであればラベリアマイクもアリだが、こっちは更に接触ノイズが気になるはずなのでそれらも考慮しておこう。


チャンネルPRタイム

なおルミナスタジオ、YouTubeチャンネルとTwitchチャンネルを持っております。

ルミナスタジオ (Luminous=studio)

ロゴマーク2019

代表作『楢崎瑠美のルミナスダイアリーシリーズ』は2010年から続く、アドベンチャーゲーム風に仕上げたビデオブログ。
北海道を舞台にルミとアンジェリカが観光・ガジェット類レビューイング・アウトドア等、オールジャンルのコンテンツをお届けいたします。

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一方、俺が主役となる『輝鳴紅葉の一番いいバーチャルYouTuber』シリーズは昨年2018年10月よりスタート。
VRデバイスのソリューションを活用しクロマキー合成ベースで展開する、ルミナスダイアリーシリーズとは違う視点で観ることができるARビデオブログです。
なおプロデューサーはアンジェリカです。

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YouTubeではこの2シリーズを内容に応じて毎週アップロードしております。
一方ライブストリーミングはよくあるバーチャルYouTuberのスタイルでの配信のほかゲームプレイの配信を行っておりますので、この機会にぜひチャンネルサブスクライブ及びフォロー頂けると幸いです。

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