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マイナ保険証の解除申請が5万件超え!その理由と取るべき具体策
最近ニュースで「マイナ保険証」をやめたい人が増えているって聞きましたか? マイナンバーカードを健康保険証として使えるようにする仕組みですが、どうも現場でトラブルが相次ぎ、「やっぱり従来の保険証に戻したい…」という声がじわじわ広がっているようです。政府は便利になると言っていましたが、実際何が起きているのでしょうか。そして、この状況を受けて私たち社会人は具体的に何をすればいいのでしょう? 少し考えてみました。
ニュースまとめ:マイナ保険証で今何が起きてるの?
まずは事実関係から押さえましょう。マイナ保険証とは、マイナンバーカードを医療機関で健康保険証としても使えるようにする取り組みのこと。お財布の中のカードを1枚減らせる!…という触れ込みでした。ところが、その運用が始まると医療機関の7割近くで何らかの不具合が報告されました。例えば「患者の名前や住所の一部が正しく表示されない」ケースが約53%、カードリーダーのエラーが約36%といった具合です。「全然別の患者さんの住所が表示された」なんてヒヤリとする報告もあり、結局受付で「すみません、普通の保険証出してください…」となる例が多発しました。実際、ある調査では半数以上の医療機関が結局従来の健康保険証で確認を行ったといいます。
これでは本末転倒ですよね。
こうしたトラブル続出により、「マイナ保険証、やーめた!」と利用登録を解除する人が急増しています。厚生労働省によれば、今年1月だけで解除申請は1万3,212件にのぼり、昨年10月下旬~1月末までの累計で5万8,426件にも達しました。5万件超えって、相当な数ですよね。利用を解除すると代わりに「資格確認書」という紙の証明書を発行してもらえます。この動きに対し政府は「それでもマイナ保険証普及を進める」としていますが、解除増加は制度への不安の現れと言えるでしょう。
ちなみに、政府は当初2024年秋で従来の健康保険証を廃止すると言っていましたが、さすがに不安の声が大きく現在持っている健康保険証は2025年12月1日まで使えることになっています。(有効期限内ならそれ以降でもOK)。医療現場からも「システムが安定するまでマイナカードと保険証を併用すべきだ」という声が上がっています。では、こうした状況を踏まえて私たち社会人は具体的にどう対応すればいいのか、次で見ていきましょう。
今すぐ取れる具体的アクション
ニュースを聞いても「で、実際どうすれば?」となりますよね。ここからはすぐにできる具体的な対策を伝授します。難しいことはなしにして、一つひとつ見ていきましょう。
病院には従来の保険証も持参:
マイナンバーカードだけを頼りにしないでください。診察に行くときは、今までの健康保険証(または発行してもらった資格確認書)を必ず一緒に持って行きましょう。「カードリーダーがピッと反応しない…あれ?」となっても慌てずに、「では保険証でお願いします!」と言えばOKです。受付の方も内心「またか」と分かっているので大丈夫。筆者も病院で「マイナ保険証使えます?」と聞かれてビビりましたが、「念のため保険証もあります!」と即答しました。保険証は当面のあいだ命綱なので、くれぐれも紛失しないよう気をつけましょう。
登録情報を今一度チェック:
マイナ保険証を使っていてトラブルに遭う原因の一つが、登録情報の相違や更新漏れです。引っ越しや結婚等で住所や姓名が変わったのにカード情報が古いままだったり、勤務先変更で保険者が変わったのに切り替えが反映されていなかったりすると、受付システムで正しく表示されません。マイナポータルにログインして自分の健康保険証利用登録情報を確認してみましょう。氏名・住所・保険者などが現状と合っているか要チェックです。もし変更がある場合は、市区町村役場や保険組合への届け出手続きを忘れずに。面倒ですが、ここをサボると病院で余計に大変な目に遭います。
「マイナ保険証をやめたい」場合は早めに手続き:
それでも「もうマイナ保険証は使いたくない!」という場合は、利用解除の手続きを速やかに行いましょう。具体的には、自分の加入している健康保険の窓口(会社員なら健保組合、国民健康保険なら市区町村役場)に「マイナンバーカードの健康保険証利用登録の解除申請書」を提出します。残念ながらネットでポチッとはできず、書類を書くというアナログ方式です。郵送で受け付けてくれる場合もあります。書類の書き方や提出先がわからなければ、会社の人事担当や市役所の窓口に問い合わせてみましょう。「解除したい人結構いるんですよね~」なんて言われるかもしれませんが恥ずかしくないです。そして大事なのが資格確認書の確保。解除申請時に保険者から発行される資格確認書をもらう手続きもお忘れなく。この資格確認書は、マイナ保険証をやめた人が病院で保険診療を受けるための証明書です。後述の通り今後新しい健康保険証は発行されなくなるので、これが実質的な保険証の代わりになります。
旧保険証の期限と今後のスケジュールを把握:
今持っている従来型の健康保険証がいつまで有効か知っていますか? 一般的な会社員の保険証は有効期限の記載がなく、一見ずっと使えそうですが、国が決めたルールでは最長で2025年12月1日まで使えることになっています
(それより前に資格喪失にならない限り有効)。つまり2025年末には嫌でもマイナ保険証か資格確認書かを選ぶタイミングが来るわけです。その前に制度変更がある可能性もありますが、「このままだと自分はいつまで現状維持でいけるのか」を把握しておきましょう。また、自分の保険証の更新時期や勤務先の案内にも注意。会社から「うちの健保もボチボチマイナ対応します」的なお知らせが来ていないかチェックしてください。期限ギリギリになってバタバタしないよう、今からカレンダーに「保険証どうする?」と2025年秋ごろにメモしておくのもアリです。
保険切り替え時は要注意:
仮に2025年まで今の保険証が使えるとしても、その前に転職や引っ越しで加入する保険が変わった場合は話が別です。2024年12月以降、保険の資格が変わっても新しい従来型の健康保険証は発行されません。その代わり、マイナ保険証を利用登録している人はマイナカードでの受診、未登録の人には資格確認書が発行される段取りです。つまり、例えば2025年に転職して会社の健康保険が変わったら、自動的にマイナ保険証運用に切り替わるか、事前に資格確認書を受け取っておかないと病院で保険証が「ありません!」状態になります。転職や引っ越しの予定がある人は、この点を頭に入れて計画を立てましょう。必要なら上記の解除手続きを転職前に済ませておくことも検討してください。会社の健保担当者に「マイナ保険証辞めたいんスけど…」と相談するのはちょっと勇気がいるかもしれませんが、自分の安心のためです。
最後にもう一つ。
今後、政府や関連機関からマイナ保険証に関する新しい発表やシステム改善のアップデートがあるかもしれません。ニュースや公式発表にもアンテナを張っておくと安心です。トラブル続出とはいえ、多くの人が使っている制度でもあります。いざという時に慌てないように、「備えあれば憂いなし」でいきましょう!ちょっと手間に感じるかもしれませんが、自分の医療サービスを安心して受けるためにできることはやっておきたいですね。