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カメラの未来を考えてみた。

昔「写ルンです」が出たときに
「もうコンパクトカメラ市場は消えるんじゃないか?」
…という話が出た時があった。
「写ルンです」は、当時、それだけ破壊力のある商品だったのだ。

結果としては、コンパクト市場は消えなかった。
ズーム採用とか、防水とか、様々に付加価値をつけ、また、カメラの高級感を高めることで、所持する喜びに訴えたりしてきたからだ。
撮影したらもうおしまい、というのは味気無いとするユーザーが多かったのである。

時代が流れて、デジタル主流に写真が変わった今…コンパクトカメラは瀕死の状態にある。
新製品はほぼ発表されることなく数年が経過している。
パナソニックがTZシリーズをリニューアルして出してきたが、一年ほどで生産中止を発表した。
やはりコスト的に無理があったのだろうか?。

こうなった原因は言わずもがな「スマートフォン」の存在にある。

スマホのカメラは、設計思想が今までとは全く異なっている。
光学的に発生する収差を解決するのではなく、データを補正することで画像を「作り出している」のだ。
そもデジタルカメラとは、アナログカメラと違って、化学反応を頼り、画像の作成を行ってはいない。
センサーによって光を信号に置き換えて、それを「映像エンジン」によって色のデータとして再構成して、画像を作り上げるモノだ。

デジタルデータだから、加工はいかようにも可能となる。
その極致、結晶と言うべきモノが、民生品ではスマホカメラというモノだろうと思う。

そして「AI」というものが介入することで、デジタル画像はまた飛躍的に良質な画像を提供することが可能になった。
大きな輝度差を埋めてしまったり(!)、飽和を押さえていくことも出来る。
誰が撮っても素晴らしい画像になる。

スマホカメラ使用
コンデジ使用

2020年製スマホと、2010年製コンデジで撮るとこうなる。
共に無補正だ。
どちらもオートモードで、WBもAWBとなる。
細かな描写はコンデジ優勢だが、トータルでの仕上がりはスマホだろう。
特に空の再現は圧倒的だ。
山影も薄くならず、細かなところは潰れるが、実際の見た目には近い。

つくづく今回比較してわかったのは
「デジタル写真は光学と電子処理のハイブリッド」
…なのだ、ということ。
フィルム時代「写ルンです」にコンパクトカメラが駆逐されなかったのは「純粋光学式」だったらだと言うことが分かった。

先の時代を予測するに、光学に重点を置くカメラは、マニアックな人やプロだけが使うデバイスになるのだろう。
「写ルンです」の時とは比較にならない破壊力で、カメラ市場は収縮される。
コンデジはほぼ国内メーカーは撤退し、海外メーカーのみが簡素なモノを作るだけになるだろう。

私のように、スナップを主とするユーザーも、それに合わせて減少していくだろう。
スマホは性能としては素晴らしいのだが、撮影行為そのものを言えば、非常に不便な代物だ。

カメラメーカーは、少なくともコンデジサイズの小さなミラーレスを発売する必要はあると思うが、Nikon1やPENTAX Qは大きく支持はされなかった。
予測としてもユーザー数は増えると思えず、この分野も淘汰されていく可能性は高いだろう。

海外メーカーに一縷の望みを託すしかないだろう。
安価で、ズーム比も低くて良い。
日中にキチンと見えれば、画素数も多くは要らない。
暗所性能もそう高くなくて良い。
そういうカメラを作って欲しいと思う。

Kodakとアグファには是非頑張って欲しいものだ。
あ、LGもか?。




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