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Victorinoxと歯医者。

…いやいや待て待て!!。
まさか「ビクトリノックスのマルチツールなら、歯の治療だって出来ますよ!」…などということが書きたいわけじゃない。

私は所謂「マルチツール」というのが好きな漢(おとこ)だ。
いやまあ、普通に男でもイイ。
実際、持ってはいてもキャンプに使うわけじゃない。

この国は、時々変な法律を作るけど、最大の「悪法」と言いたいのが、原付の二段階右折と「銃刀法の一部」だ。
詳しくは省くが「刃渡り6cm以上」の刃物を、特定の理由無く持ち出しや所持をしてはいけない、ということだ。

この規定に基づくと、ビクトリノックスの主製品の一部である「ナイフつきマルチツール」が一切使えない。
まあ、キャンプ等で使うためにバッグに入れて、現地で使用した後は家の棚に置いておく分には問題ない。
そのまま車内に放置をしてはいけない。

しかし私の場合、その目的が異なっている。
私が主に使いたいのは「ミニプライヤー」や「ワイヤーカッター」なのだ。
それに出来たら栓抜きや千枚通し、毛抜きや小さいハサミ、そしてそう「つまようじ」…これが便利で!…とか書き出すときりがないくらい。

沢山の「使いたいツール」が在るという事実。
これらを有効に使いたい場合、そのシチュエイションは「旅」になるのです。
車に折り畳みの自転車を積んでの輪行。
カメラを持って(やや重装備)での撮影行。
鉄道を使っての「ぶらり旅」でも。

先に書いた「つまようじ」ですが、旅先で美味しそうなものを買って、その場で食べたいときに重宝します。
手が汚れません。
「毛抜き」は、実際に何度もトゲが刺さったりして、これで救われています。
これらは通常のナイフには無い機能です。

プライヤーはちょっとした機械の応急処置として。
ハサミはタグを切ったり、包装を開けたり。
ナイフだとやや不便ですが、ハサミだと簡単なものはいっぱいありますね。
…余談ですが、これに水で濡らすと大きくなるペーパータオルを数個持っていくと、水や烏龍茶を湿らせることで、ツールを拭いて清潔に出来ますよ。
特に烏龍茶は油分がキレイにとれるので、おすすめです!。

…以前、埼玉県の長瀞町に撮影に行ったことがありました。
ストロボをカメラとコードで接続していましたが…緩くて引くと落ちてしまう。
それで若かった私は、何も考えないで「歯」で噛んで、きつくしようとしました。
そしてその瞬間「パキッ!」と音と衝撃が走ったんです。
なんと、前歯の一部が欠けてしまってた!!。
呆然…ただ呆然…ショックで暫く動けませんでした。

ただコネクターを直そうとしただけなのに。
もう撮影どころじゃない。
家に戻り、歯医者に行きました。
直るかどうか不安でしたが、なんとか…。

この大事件以来(実際、トラウマ)撮影の時に「常に身近にある」ツールが欲しくなった。
これがマルチツールを置いておく理由なのです。

ビクトリノックスのマルチツールは、使えるツールが、キチンと整頓、格納されているのが魅力です。
ハサミも毛抜きも単純な作りですが、精度が良い。
ナイフもやはり、大きいものが必要になる時があり
(稀ですが、ストラップの切断や、布の裁断など、現地でのDIYに使うときがあります)
魚をさばく事など無くても、あれば便利なのです。

端が曲面の長方体であるのも、荷物を傷つけず、ポケットの出し入れがスムーズです。
この辺りが他のマルチツールに比べ、歴史を感じさせます。
しっかりしたカシメであり、なおかつ適度にツールを引き出しやすいのも特徴です。

マルチツールは実用品で、決して武器ではありません。
刃渡り云々というのは実の無い空論で、現在の規制は厳しすぎます。

マルチツールは男の友、旅の友です。
昔のように、安心して持ち運べる時代が来ることを望むばかりです。

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