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思いは続く!

最近昔のアイドルの話題をポストする若い人が多くなったのに驚く。
河合奈保子さんとか、松田聖子さんとか、年代も幅がある。
昭和ブームだからかな?と、一寸斜めに見ていたのだけど…どうもそればかりじゃ無いな?と思うようになった。

ポストの内容を見ると、かなり詳しく調べているのが分かる。
これは本当に彼女達を好きじゃ無いと書けないものだ。
言葉通り「愛している」と言って過言無いだろう。

彼らをそこまで夢中にさせる理由は何だろう?。
おそらくは単に懐古主義だという事では無く、日常の中で求められている「もの」として、過去アイドル達の世界が「必要だから」なのだろうと推測した。

若者達は…殊にZ世代と言われている人達にとって、今の世界は窮屈に感じられているのかも知れない。
「やるべき事は既にやっている…が、やりたい事について何も見えない」という逆転現象が起きている気がする。

まだ若者だった頃の自分は、やりたい事は目前に絶えず有ったけれど、その方法については無知だった。
知らなかったからこそ、あやふやな情報でも信じたし、信用する他無かった。
それで幾つも失敗をした。

そんな若者達に対し、アイドル達はいつも優しかった。
いつでも笑顔で元気で、我々を慰撫してくれた。
現実はどうあれ、彼女達はミューズであり、救いであった。

今は違う。
確かにアイドル達は存在するけれど、そのディテールはずっとリアルだ。
掴もうと思えば掴めるほどに、エッジが立っているように見える。
彼女達は女神ではなく、立派に人間の女性なのだ。

やるべき事は理解済みであるが、やりたいことが分からない。
…未来が見えない世代にとって必要なのは目的じゃなく「夢」だろう。
それが例え奇天烈なものであろうとも、そこには明るさに満ちた世界がある。
例え嘘であっても、埋没している間だけでも癒される。
昔はそんな嘘が許され、そして愛されてきたのだ。

岡田有希子さんが自分で自分を壊した瞬間に、夢の国だったアイドル界も破壊された。
まるで天界から投げ出されたように足元の支えが消え、多くの人が地上に墜落てしまった。
彼女を責めるつもりなど毛頭無いけれど、それほどまでにそれは大きすぎる衝撃だった。
そしてその世界というものが、思うよりも遥かに大きなキャパシティを有していたのだと、多くの人が感じたに違いない。

あの悲劇をリアルに知ることの無い世代が、彼女の事を愛そうとするのは当然だろう。
新な世界として、彼らは彼女の紡ぎ出した空間を愛し、癒されている。
…今はそれだけで十分に嬉しいと思うし、伝えることが出来るならば、彼女に報告をしたいと思う。



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