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天気業界
■自己紹介
こんにちは!
業界地図オフ会を主催している、おしばと申します!
専門学校や企業研修で簿記を教えています。
今月の #業界地図オフ会 は9/27(日)15-17時ZOOM開催です!
— おしば┃業界地図オフ会 (@lumanabu) September 6, 2020
いつもテーマ業界を決めて調べてますが、、、
今回は2021年度版の中から、各自「推し業界」「推し企業」について調べたことを共有します(^ω^) https://t.co/yQWLri2BER pic.twitter.com/YRta3fops4
■業界地図オフ会とは?
「大好きな業界地図をみんなで読めば深堀できて楽しめるのでは!?」ということで今年の1月から毎月開催している勉強会です!
東洋経済さんの業界地図2021から気になる業界や企業をピック!
各自調べたことを発表し合うので、いろんな視点と考えが飛び交って楽しいです^^
※今回から視聴のみOKになりました!
9月のテーマは…
新号が発売されて1回目のオフ会でしたので、自由テーマで各自気になる業界や企業をシェアし合いました!
■今回のプレゼンター
がぱけんさん:タイヤ業界
世界首位の日ブリヂストンと2位の仏ミシュランが2強の業界。
新車生産台数と稼働率が重要な数値であること、販売型からサービス提供型へシフトする各社、原料の半分を占める天然ゴムの闇(えっ)など勉強になりました!
未来の球体タイヤすごい…!!!
上野先生:加工食品業界
小さいところで差をつける加工食品業界。
日清食品のIR資料からコロナ自粛中の即席めん売上の大きさが計り知れました。「特需」だと安易に位置づけずに新しい生活スタイルが「定着」していくことを考えると今後も安定的に売り上げ継続するのか、定着した場合に新たな需要が生まれるものがあるのか…とても考えさせられました。(世界の即席めん売上気になる…)
日清食品ホールディングスの四半期分析。巣ごもり需要で増収増益。4年間の業績ハイライトでは、売上は横ばい、営業利益がやや上昇傾向でしたが、今期は相当業績よくなりそう。やはり一番目立っているのが日清食品ブランドの事業です。売上収益10.7%増、セグメント利益87.0%増 #30分企業分析 pic.twitter.com/COTlhfnzQI
— 上野 雄史(Takefumi Ueno) (@UenoTakefumi) September 22, 2020
マルハニチロの四半期分析。漁業・養殖業、商事、海外、加工、物流の事業で構成される総合食品会社。コロナ禍においては減収減益になるものの、下げ幅は少ない。売上高と原価の減少幅がほぼ同一。固定費が少ないことが分かる。有利子負債の比率も小さく。健全性に問題はない。#30分企業分析 pic.twitter.com/UY41dCHCAU
— 上野 雄史(Takefumi Ueno) (@UenoTakefumi) September 23, 2020
■おしばプレゼン「天気ビジネス」
最近テレビCMでよく見るあの会社…
天気ビジネスってどんなビジネスなん…?
という疑問から調べてみました!
ウェザーニューズの有価証券報告書によると世界の気象サービスの市場規模は6,000億円ほど
法改正が行われる前までは、気象予報士が気象庁と異なる予報をしてはいけなかったのですが、1993年の改正後に民間の企業会社は増加しました。
ウェザーニューズ社長によると、民間気象会社は意外と多く存在していました。
民間気象会社の中でも世界最大規模を誇る「株式会社ウェザーニューズ」!
(コンテンツ名はウェザーニュースで、会社名はウェザーニューズだったのか…
私も日ごろお世話になってますが、個人客としては「とにかく当たる!」ということが魅力的です。
気象痛や花粉予報など、天気にまつわる有益な情報を提供してくれるウェザーニュース。
そんなウェザーニューズ設立のきっかけは「貨物船の転覆事故」でした。
創業者の石橋氏はもともと商社マン。
海外から木材を調達することを強みとする優良企業で、木材をいかに安く仕入れるかを課せられるロジスティクス担当をしていました。
そんなある日、円滑な積み下ろしができる港へと入港先の変更指示をした船が、急な天候不良により転覆…。
若い船員15名が亡くなるという痛ましい事故が発生。
正確な気象予報情報があったらこのような事件は起きなかったのでは…と、商社を辞め、アメリカのベンチャー企業で海洋気象情報の提供を行う「オーシャンルーツ」の日本法人へ転職。天気ビジネスの世界へと足を踏み入れました。
29歳という若さで日本法人のトップに就任。
しかし、船舶だけでなく「すべての人」に役立つ気象予報をしたいと、オーシャンルーツ社からMBOという形で「株式会社ウェザーニューズ」を設立したのでした。
天災ではなく人災だと思い行動を起こし、世界最大級の民間気象予報会社にまで成長するとは壮大なストーリーです。。。
そんなウェザーニューズの事業内容を見てみましょう。
船舶、小売り、交通、スポーツなど幅広い分野に対して、付加価値の高い気象予報サービスを提供しています。
たとえば…
雨によるイベントの中止など天候に左右されやすい小売り業界。
ピンポイントで予測精度の高い情報に基づき、どんな商品をどれくらい準備したら廃棄ロスが抑えられるのか、といった役立つ情報やシステムを開発し提供しています。
(気象予報サービスの可能性ってすごい…
このようにただ情報を提供するだけではなく、「あなたの気象台」と掲げているように顧客の気象リスクを情報収集し、その対策を提案することで成長している会社です。
販売相手は2つ、①BtoBと②BtoSです。
船舶気象、航空気象、環境気象、スポーツ気象など対企業に対してシステム開発や、気象予報の提供サービスを行っています。
もともと船舶気象を強みとしたBtoB企業なので、こちらがメインのビジネスとなっています。
もう1つはBtoS。
いわゆる、BtoC(個人)のビジネスです。
お天気アプリの「ウェザーニュース」で有料会員からの月額利用料や、広告収入を得ています。
ところで、なぜ「S」なのでしょう?
お天気アプリ「ウェザーニュース」の会員から毎日平均18万通も届く、天気実況。
この情報を活用することで予報精度を高めているほど有用なものです。
このように一方的に気象予報を提供するのではなく、参加型の気象予報になっているため「顧客」ではなく「サポーター」と呼んでいるそうです。
ウェザーニューズらしさを感じる呼称に魅力を感じます。
またこの参加型ができた理由が「桜の開花予想が当たらない!」と写真付きで送られてきたことがきっかけで、送ってくれる写真に価値があるのでは?と始めたという点も面白いですね。
ただやはり、BtoBの方が売上割合は大きくなっています。
世界最大級の民間気象会社ということで、事業展開をしている地域を見てみます。
依然、日本が大きいですが日本と海外の比率はおおよそ6:4。
中期経営計画によると2022年までに5:5を目指すようで、積極的に海外展開に投資しています。
また国内においては、広告媒体にもなるほど規模が大きくなったBtoCを伸ばすため積極的に広告投資を行っています。
ここからは業績を見ていきます。
2つの収益モデルで成り立っています。
継続的に収益を得られるトールゲート型ビジネスの割合が非常に多く、順調に推移していますね。
11期連続で最高売上を更新しており、順調さがうかがえますが、気になるのが利益率の低下。
同じように推移しているので、原価に理由があるのかと思い売上原価明細を見てみると、労務費と経費が上昇していました。
労務費は積極採用により拡大していますが、経費の増加要因は何でしょうか?
経費の内訳をみると「外注加工費」の伸びが著しいです。
海外展開を積極的に行う中で、海外向けのシステム開発に伴う外注加工費が増加しているそうですが、2019年5月期から少し落ち着きました。
中期経営計画によると積極投資に加えて、収益基盤の安定化フェーズに突入しているので、今後投資回収していくのかどうか注目です。
原価が多くを占めているので、原価の動きの方が影響は大きいものの、販管費も人件費と広告費が大きくなっています。
特に広告費といえば、最近はテレビCMで毎日のように見かけますね。
広告費が2019年から膨らんでいるには「BtoS」の戦略転換が関係しています。
以前は月額300円の有料会員から集める月額利用料がメイン収益でしたが、参加型の効果もあってか会員数が増加し、広告媒体として成り立つほどの規模になりました。
そこで、認知度UPとマーケティングテスト、両方の意味を込めておこなっているテレビCM。
121種類あるクリエイティブを、気象予報士とマーケティング担当者が打ち合わせした上で放送し、放送した地域のDL数で会員獲得とマーケティングテスト効果を測定しています。
ラクスルの広告サービス「ノバセル」は放送の5営業日前までクリエイティブ差し替えができるため、より正確にテスト検証できるそう。
(私も毎朝「関東にお住いのみなさ~~~~ん!」というCMの第一声に、思わず振り向いてしまいます
ということで、2019年までは投資フェーズで利益率が下がったものの、幅広い業界の高い専門性を持つ人材と情報力、そして独自の強力コンテンツを使って成長が見込まれるのではないかと予想しています。
安定的な収入源を多く抱えている点も好材料ですね。
【おまけ】積極投資を行ってきたということで、財政状態はどうでしょうか?
やはり継続的な収入があることが強みか、キャッシュが豊富で健全な財政状態でした。
最後に、今後の展望です。
航海・空港気象はコロナの影響で販売進捗は遅れる見込みですが、極端気象における独自サービスを投下することで成長予測。
積極的に行ってきた人材確保とシステム開発などの効果が見え始めることで、増収増益との見解を示しています。
中期経営計画を見てみると、収益基盤を安定するフェーズに突入しています。
航海気象は航海ごとに課金するモデルのため、隻数がKPIなんですね。
AIを使って更に精度を高めながら、海外へとフィールド拡大するウェザーニューズ、注目です!!
以上、天気業界(ウェザーニューズ)のシェアでした!
■10月の業界地図オフ会
最後までお読みいただきありがとうございました!
10月は「ご当地企業」をテーマに勉強会をZOOMにて行います^^
会社四季報 業界地図2021の巻頭特集「ご当地企業」から、お好きな県を選び、なぜその企業がTOP3に入っているのか?を分析し発表し合います!
※10/18(日)15~17時@ZOOMを予定
プレゼンターとして参加したい!視聴のみしたい!
などお気軽にご連絡ください^^
【参考文献】
■会社四季報 業界地図2021版
■ウェザーニューズ IR資料
■CM121種も天気で出しわけるウェザーニューズ
■20社のV字回復でわかる「危機の乗り越え方」図鑑
■気象庁 天気予報精度の検証結果
■日清食品グループ IR資料
■カンブリア宮殿