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オンライン教育業界
はじめまして、こんにちは!
業界地図だいすき、おしばです!
今月も大手町さんの「ファイナンスラボ」の業界地図勉強会に参加させていただきました!!
決算書を読む力を鍛えるファイナンスラボ
【ありがとうございます!!!!!!!!!】
— 【#会計クイズ】大手町のランダムウォーカー (@OTE_WALK) September 4, 2020
発売開始から約5か月
ついに紙の本だけで8万部まで到達しました!
いつもお付き合いくださり本当にありがとうございます!
実は今だけkindleで半額フェアを行っているので、少しでも興味のある方はこの機にぜひ!!
↓https://t.co/w441KBNEb2 pic.twitter.com/Lu1gY9Zy0D
(会計の本なのにこんなに面白い本ないと思うので、絶対絶対おすすめです!
そして!
今回も特別ゲストに…
会社四季報 業界地図 副編集長 なかやまさんんん!!!
\大感謝/
— なかやま #業界地図 (@overk0823) August 27, 2020
多くの方々の支えにより今年も業界地図を発売できましたので6月1日から伸ばし続けたヒゲをそりアカウント名もそろそろ変えたいと思います
事前に予約いただいた方もこれから書店で買うよという方も本当にありがとうございます!
今日は在宅勤務のつもりでしたが予定変更。書店行脚です! https://t.co/YAX1clIQgw
新刊発売うれしいですね~!!!
早速拝読しましたが巻頭特集もおもしろく、新たに加わった業界もあって見応えたっぷりです!
ということで、新刊発売を祝して今回の業界地図勉強会!
参加させていただき嬉しい限りです!!
【プレゼンター】
・大手町のランダムウォーカーさん(出会い系業界)
婚活中の自分にとってはとても勉強になりました()
それにしても結婚相談所うまうまビジネスですね…。
マネタイズポイントを結婚相談所とマッチングアプリで比較すると収益化のカギが見えておもしろかったです。
・にしけいさん(飲食業界)
みんな大好きペッパーフードSを、財務指標使って解説していただき勉強になりました!
原価率高いなぁ→回転率を見てみる、指標間の相関を理解する、今後意識して分析したいと思います。
<大好きな、いごはちさん!>
今回お休みでしたが、noteに乳業メーカーのまとめをUPしてくださっています!
URLはのちほど!
私は業界地図2021年版の注目業界として掲載されている「オンライン教育業界」を調べてみました!
■オンライン教育業界
普段、専門学校や個人レッスンなどで簿記の教えていますが、まだまだ運用管理から授業進行までアナログな部分が多く…。
教育ICT化って「具体的にどうなるん!?」と、あまりイメージが掴めていなかったので気になり調べてみました!
■業界の概要
業界地図2021の最新号では注目業界として紹介されています。
お天気マークも快晴ですね^^
市場規模はまだまだ途上ですが、今後は新規参入も増え一気に拡大していくのではないかと予想しています。
オンライン教育業界が注目される理由として、新型コロナウィルスによる遠隔授業ツールとして需要が高まっていることはもちろん、政府がICT教育を推進すべく掲げている「GIGAスクール構想」が大きな要因です。
児童1人に対して1台のパソコンを配備することで、
・生徒管理や授業進行を円滑化
・場所や学年を問わず学べる
・ビッグデータを活用しよりよい教育環境に
など教育の質を高めるメリットがあります。
現状と将来を比較すると…
しかし現時点では道半ばのPC普及率
コロナによって普及率が加速するのか注目です。
■どんな事業を行っているのか?
オンライン教育業界に属する企業は、下記3つの事業のうちいずれかに特化、もしくは併せ持っています。
※「その他」の中にはセキュリティソフトの販売なども入ります。
つぎに、販売相手です。
※教育機関…小・中・高・大・専門学校
相手が誰なのかによって、どう財務諸表が変わるのか?を見ていきたいと思います。
■おしば注目の2社
①教育ICT全般:チエル(株)
②デジタル教材:(株)すららネット
教材の出版社として有名な「旺文社」の100%子会社として設立されたチエル。
システムや教材などいずれかに特化する企業が多いなかで、システムもコンテンツも保有しているのがチエルの強みです。
教育機関が相手の場合、入札制度で導入が決まるのが特徴的です。
・教育機関が導入したいシステムなどを公募
・入札権をもつ販売代理店が提案
要件に当てはまり、金額が一番低い企業に発注するという仕組み。
入札権を得るにはカテゴリーや地域などに登録が必要であったり、競合の情報など入札制度をよく知っている必要があります。
そのため、チエルも全国的に営業拠点を置き、販売代理店との関係を構築しながら導入校を増やしています。
また、教育機関が相手ということで、年単位や複数年単位で一気にキャッシュが入ってくるのが特徴です。
業績も順調で、2019年6月には高校生向けの大学進路相談会などを開催している昭栄広報社を買収したこと、そして新製品の販売好調に伴い過去最高の売上と営業利益をマークしています。
昭栄広報社を買収したことでチエルの事業内容に「進路部門事業」が新たに加わり、今後どう影響をもたらしていくのかが注目です。
注目のもう1社は「すららネット」
「すらすら解ける~」みたいな意味かと思いきや、すららネットの教材を導入している学習塾によるとカッチョイイ由来でした。
個別指導塾の経営経験もあり、教育の問題点を現場で見た湯野川社長。
日本だけでなく「世界の教育格差を根絶したい!」という理念のもと、低学力の児童でも短期間で成績を上げることができるコンテンツを開発販売しています。
優秀な人をさらに伸ばすというイメージが強いe-ラーニングですが、低学力の児童に目を向けて、海外展開も行っている同社の強いメッセージ性がとても素晴らしいと思いました。
販売相手は学習塾が大きな割合を占めていますが、学校も伸びているのが分かりますね。
個人塾の開業支援なども行っています。
すららの販売ルートは①BtoBtoC(学習塾・学校)と、②BtoC(個人)によって変わります。
塾や個人小規模が相手ということで規模が比較的小さく、月額料金が毎月入ってくるのが特徴です。
すららネットも順調に業績を伸ばしていますね。
■2社のB/S比較クイズ
2社の特徴をおさらいしたところで、B/Sクイズです!
こたえはスクロール↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
正解は・・・
■クイズ解説
この業界の特徴ともいえる「前受金」をポイントに見てみましょう。
まずチエルのB/Sから↓
年単位や複数年単位での契約・販売が多いところが特徴でした。
システムや教材を複数年で契約した場合、代金をサービス提供前に受け取ることになります。
受け取った時にはいったん「前受金(負債)」としておいて、その後サービス提供期間が経過するごとに毎年売上に移していると想定できます。
・サービスを提供する義務がある
・提供しなければ返還するかもしれない
ので負債というカテゴリーに属しています。
でもこの前受金は、将来の売上へとつながるお金でもあります。
キャッシュの動きは大きくなりますが、複数年契約をすることによって安定した売上になります。
そのため前受金の変動に注目すると、今後の売上予測に役立てることができます。
この安定した収益性を確保するためには「販売代理店との連携強化」が今後の成長のカギになるのではないかと思いました。
一方、すららネットはどうでしょうか?
月額料金が毎月チャリンチャリン入ってくるイメージでしたね。
学校への販売も行っていますので、ある程度の前受金もありますが、チエルと比較すると少なく、現預金の多さも際立っています。
導入校、利用生徒数ともに急速に成長していますね。
学校への導入が増えてたことでID数の伸びが特に目立ちます。
今後の成長のカギは相手によって変わります。
まず、学習塾・学校への導入。
やはり学校の方が規模が大きくなるので、導入者数を増やすならば、いかに規模の大きい学校へ広げられるかがポイントかと思います。
前受金の相手先を見ても学力の高い学校が目立つことから、「優秀な学生をさらに伸ばす」という点で導入をしているのでしょうか。
(「学力が高い学校ゆえ、置いてけぼりの学生をなくす」というニーズも考えられるのか・・・
一方、個人への販売。
日本だけに限らず世界的に低学力の学生を底上げすることで、教育格差を埋めていくというスタンスのようです。
今後も悩みの深い児童の味方として認知度を高め拡大を図ることで、さらなる成長が見込めるでしょう。
■まとめ
オンライン教育業界に限らず、同じように複数年契約や月額課金などのサブスク企業であれば同じような特徴がみられるかと思います。
今回は、だれに販売するのか?販売相手によって収益モデルがどう変わるのか?に着目し、「前受金」をポイントに説明させていただきました。
両社ともにコロナウィルスによる一斉休校などの状況を鑑みて無償提供をおこないました。
今後もウイルスや自然災害、地域による教育格差など引き続き課題がある中で、遠隔授業がスタンダードになるようなシステムやコンテンツを提供する企業はどんどん増えていくと思います。
ただ、ハード面は政府の後押しもあり進んでいくかもしれませんが、懸念されるのは教師など教える人間の対応力(ソフト面)です。
初めてのことは誰がやっても戸惑うものですから、不安なのは当たり前ですが、使い方だけでなく教育ICT化の目的を理解した上で企業・現場・政府とが一体となって子供たちの未来へとつなげていきたいですね。
教育現場の人間として、教育のICT化が進むなかで教育環境を見直しながら、将来的に教育の質向上につなげていきたいと強く思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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新刊を使ってやるのは初めてなので、業界縛りなしっ
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【本記事の参考文献をご紹介】
■東洋経済新報社/会社四季報業界地図2021
■文部科学省/GIGAスクール構想
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm
■文部科学広報第236号
https://www.koho2.mext.go.jp/236/html5.html#page=6
■チエルHPおよびIR資料
https://www.chieru.co.jp/ir/library/
■すららネットHPおよびIR資料
https://surala.jp/ir/library/index.html
■チエル社長インタビュー記事(投資家ネット)
https://bit.ly/2QYNd1N
■のぞみ学院HP
https://nozomigakuin.jimdofree.com/%E3%81%99%E3%82%89%E3%82%89/
■ニューズウィーク日本版2020.1.8付の記事
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/01/post-92085.php