【オリックス】球団・球場経営は順調?
こんにちは!
業界地図だいすき、おしばです!
毎月テーマ業界を決めて、各自調べてきたことを掘り下げる「業界地図オフ会」を開催しておりますが、今回は番外編として「オリックス研究」をっっ!
1つの「企業」に焦点を当てた勉強会を実施しました!
■オリックス概要
やる気MAX!オリックス!で知られる「オリックス」
多角化企業として知られていますが、こんなにたくさんの事業を手掛けているんですね。
リースに始まり、リースに関連する事業、そのまた関連する事業・・・というように隣接分野で事業拡大を行ってきました。
(すみだ水族館や、弥生会計、マンション管理の大京などもオリックスグループとは知らず!
オリックスは、日本で「リース」という事業を広めたパイオニアです。
所有が当たり前であった当時、「所有」ではなく「使用」に目を付けた新しい金融ビジネスでした。
「鯨が取りたかったら…捕鯨船をお貸しします」
という、ユニークな新聞広告は多くの人の目を引きました。
多くの事業を展開するオリックスですが、分野は3つ。
3分野を軸に、6つのセグメントに分けています。
さらに16個のユニットに分けられます。
(まだ細分化できそうなくらい事業もりもり・・・
多角化してるけど、業績はいかがでしょうか?
設立年以外はずっと継続黒字です。
景気の影響を受けやすい体質ながらも、黒字を維持しているのは多角化に成功しているという証でしょうか。
セグメント別に見てみると、海外(主に航空機リース)が収益源になっているようです。
以上、簡単に概要を説明したあとに参加していただいた方々とともに、
①事業展開の経緯
②事業が属する業界での立ち位置
③今後の展望と課題
を発表していただきました!
事業投資(投資の状況や、数値に基づいたパフォーマンス検証など)、空港運営(運営する3つの空港の収益構造や、最新の技術投資など)、と自分では調べ切れていなかった情報を知ることができました!(感謝
私もそうですが、参加者の皆様も抱いた感想は「オリックスという会社は調べれば調べるほど沼る!」
本当に沼ります(一緒に沼りたい方、沼から救いあげてくれる方、絶賛募集中
■スポーツ事業
沼りがちなオリックスの事業の中でも、私はセグメント無視してスポーツ事業について調べてみました!
野球ファンとしては、オリックス=「野球」のイメージが強いですが、球団や球場の経営について調べてみると、オリックス球団のすごさに気付きました。
球団と球場両方の運営を行っています。
球団:オリックス・バファローズ(バッファローズじゃないよ!
球場:京セラドーム
※球場は、球団が保有しているのではなく、グループ会社のオリックスが保有しています。
オリックスの説明に入る前に、「球団」と「球場」経営の基本について簡単に触れておきます。
球団の主な収入源は4つです。
そしてコストで一番インパクトがあるのは選手年俸です。
球団によって幅がありますが、チームの年俸総額は15億~50億にもなります。
セ・リーグ(首都圏~広島)に比べて、パ・リーグは移動距離も長い(北海道~福岡)なので遠征移動費も嵩みます。
昔は「赤字経営」が当たり前、親会社が赤字補てんする、というイメージが強かった球団経営ですが、現在では8球団が黒字経営です。
つぎに、「球場」経営について。
球場の活用法は3パターンに分かれます。
①自前型(5球団):球団orグループ会社が球場を保有
②賃貸型(3球団):球場を借り、施設使用料を球場に支払う
(近鉄も年間10億円の施設使用料が経営を圧迫し手放しましたし、ソフトバンクも買収するまでは年間約50億を支払っていたともいわれています)
③折衷型(4球団):保有はしないが、営業権は所有
自前型だと、球場も収入源となります。
私も学生自体は東京ドームでアルバイトをしていましたが、球場内の売店の売上はすごいです。。。これが収入源になるのは大きいと思います。
野球だけに限らずスポーツ興行や、ライブ、結婚式、グルメイベント、展示会など様々な興行の収入もあります。
コストを見てみると、売店やスタッフの人件費、そして何よりも定期修繕や維持費などメンテナンスの維持にお金がかかります。
■オリックスの球団・球場経営
では、オリックスの球団・球場経営を見ていきましょう。
京セラドーム(旧大阪ドーム)という名称は、京セラとネーミングライツ契約を締結しているからです。
認知度UPや印象付けなど図るため、広告費として球場に企業名をつけられる代わりに、京セラはオリックスにお金を支払います。
2006年にオリックス側から京セラに打診したことで契約成立。
京セラ側も効果を実感しているようで、契約更新を続けています。
(3年ごとに更新のようですが、2017年以降は資料がみつかりませんでした・・・
ちなみにプロ野球参入のきっかけは、新社名「オリックス」の広告宣伝でした。
旧社名「オリエント・リース」から「リース」を抜くことで、BtoB企業というイメージからBtoC企業というイメージへと変えたい思いを込めた改名でした。
「ORIX」は、独創性を意味する「ORIGINAL」と柔軟性や多様性を象徴する「X(∞:無限大)」を組み合わせて生まれた名前です。理念である「"たえず先見性をもち創造性を追求する"積極的な姿勢」と「グループの有機的な結合」を表しています。-オリックス公式より( https://www.orix.co.jp/grp/company/about/brand/meaning.html )
はじめは広告宣伝目的だったものの、現在ではほぼ(?)黒字経営になり、収益性を高めることを意識しているようです。
ちなみに、オリックスはPL非公開ですが、BSは公開されており、利益剰余金▲800万円であることが分かります。
(収益力を高めている途中なのかな・・・
球団と球場を一体化して経営することに、球界でいち早く取り組みました。
なぜなら、球場と球団というのは相乗効果が非常に高いからです。
ファンを育成→選手プロデュースの飲食メニューを販売→球団&球場の売り上げになるなど、「球場と球団の両面でアプローチ」することで、売上の最大化を図れます。
その結果、あのソフトバンクホークスに次ぐ程の売上高を誇ります
(正直、おどろきました・・・
しかし、球団の成績は・・・
一番優勝から遠ざかっているのが、苦しい現状です。
では売上を支える収益源はなんでしょう?
オリックスは「コアなファンを取り込み育てることに長けている」印象です。
その秘密は技術力にあるようで・・・
チケットやグッズの購入履歴をAIで分析し、販売促進に活用しています。
たとえば、
・ファンごとにに応援している選手のグッズをPRする
・ソフトバンクファンを割り出して、京セラドーム大阪でのオリックス対ソフトバンク戦の案内を出す
など。
その甲斐あって、チケット収入およびグッズ販売は順調に伸びています。
そして、驚きの「1円単位」で変動するダイナミック・プライシング!
対戦相手や天候などによってチケットの金額を変動させる「ダイナミック・プライシング」は、オリックス以外の球団も行っていますが、1円単位でできるのはすごいですね・・・。
いつも買えない高価な座席チケットも割安感から売れるため、売上げUPに繋がっているようです。
そして、オリックスの広告塔「バファローズポンタ」(だいすき!!
2016年3月~、ポンタカードでおなじみのキャラクター「ポンタ」が、オリックスを応援するTwitterアカウントを開設し、人気を集めています。
試合にバファローズポンタを持ち寄り、ファン同士が交流するなど、バファローズのマスコット的存在としてすっかり定着してきました。
(このぬいぐるみも完売する等グッズ売上にも影響ありそうです
毎試合後に更新されるツイート画像がおもしろくて、私も必ずチェックしています^^
※負けるとユニフォームを脱ぎます(謎
コアなファンを育てる魅力を、野球ファンである私の完全なる主観で選びました。
野球ファンは犬猫飼ってる人が多いのか?犬猫ちゃんもファンクラブに入れる!
犬猫も家族なので、一緒に応援できるのは嬉しいです!
(東京ドームで働いていた時も、ペット用のユニフォーム売れてました
球団応援歌が超絶かっこいいです!
「かっとばせ~」といった定番の歌詞ではなく、ロック調で口ずさみたくなる音楽です^^
チャンスのときにやるタオルを使った応援もおもしろいですね!
私もオールスターの時に全力でやりましたw
(タオルの売上にもつながりますよね
球場のスクリーンを活用した演出や、個性豊かなグッズも買いたくなります!
グッズや応援がおもしろいと、球場に行って応援したい気持ち高まりますからね^^
以上のように、ファンクラブ会員数を伸ばしながら、コアなファンを育て続けています。
ビジター戦でも熱い応援も見かけるたびに、一緒に応援したくなります!
課題となっている部分にも触れておきます
(ファンの方、お許しください・・・
魅力的な選手はたくさんいるのですが、野球ファン以外をも取り込むようなスター選手が長らく不在であることは、大きな課題かと思います。
来場者数を見ても、コアなファン以外が気軽に観戦しにくるような状況ではなく、選手も歓声を浴びることができる球団へ移籍をしたい気持ちもあるかもしれません。
そして、関西と言えば、「阪神」という大人気球団の存在は大きいです。
阪神の場合は、「勝っても負けても見に行きたい!」という熱狂的なファンだけでなく、「ちょっと見に行ってみるか」と思えるほどの知名度と人気を誇っています。
オリックスは、阪神のようにライトなファン層を獲得できるかが課題かと思います。
ただ、熱心なファンを抱えていることは安定的な収入にもつながる重要な点です。
今後は、
・注目選手の獲得
・ライトなファンの獲得
を目指すと、球団経営をより成長させることができるかもしれません。
最後に強みと今後の戦略です。
大きい資本力を持ち、天候にも左右されないアクセス抜群のドームを保有しています。
そして最新の技術とアナログ(対面で楽しませる力)を活用してファンを育てる力もあります。
この点を活かして、球団と球場の一体経営をより一層強く意識し高めていくことで収益力を伸ばしていけそうです。
多角化していることを活かして、球場周辺ではホテル運営や劇場運営も行っています。
(ホテルではオリックスの選手のグッズも展示しているよう
こうした地域を巻き込んだ施策で、新規ファンの獲得やより一層ファンとの距離を縮められるといいですね。
2020年シーズンは3か月遅れで6月19日に開幕。
コロナの影響でしばらくは無観客試合が続くと思われます。
無観客試合はチケット販売やグッズ売上、スポンサー収入などの球団収入が9割近く落ち込むと言われています。
オンラインやテレビを通じてファンと選手をつなぐ取り組みを実施しながら危機を乗り越え、オリックスにはプロ野球界を盛り上げる存在になってほしいと願っています。
以上、調査結果でした。
■最後に
野球愛を抑えながら書いたつもりですが、感情が入っている分析で申し訳ございません。。。
オリックスをきっかけにリース事業にも興味を持ち勉強中です!
来月シェアしようと思いますので、ご覧いただけるとうれしいです^^
最後までお読みいただき、ありがとうございました~!
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