#14 ブリコルールからの贈りもの
18時を過ぎた頃、インターホンが鳴った。
大きな荷物。
義母からだった。
嬉々として開ける息子の隣に座ろうとしたその時
またピンポーン
その後もなんと2回も続いて
うちの小さな玄関はあっという間に箱だらけになった。
こんなに重なるのも珍しい・・・
と夫と笑いながら中身を取り出し箱をせっせと畳んだ
義母は趣味でブリコラージュフラワーを作っている。
わたしの曖昧な知識で説明すると、
切り花でも生花でもなく、
花やグリーンの株を根からそっと分けて、水苔などで巻きながら
形作る、高度な寄せ植えの様だ。
小さめな花や葉をまるで野原の様にふわふわと植え
バスケットから溢れんばかりにデザインしたり
リース型にしたりしている。
以前からすごかったけど、意欲的にレッスンを受けては
どんどん腕を上げていて
尊敬してしまう。
好きというパワーは人をかくも成長させるのか
枯れた花をそっと捨てるのが辛くて
花はあまり買わないのだけど
贈られると嬉しくて
いつまでも眺めている。
夫の実家はもちろんお花だらけだ。
・・・
”ブリコラージュ”の語源はフランス語らしい。
0から形作る設計と異なり、
その場で手に入るものを寄せ集めて
最終的に新しいものを創造することをいうらしい。
またその職人をbricoleur = ブリコルールと呼ぶ。
ハッとした
これってわたしがやりたいことだ・・・
今この時代、全く新しいものを世に生み出すのは
もはや不可能なんじゃないかとすら思う
情報は世界中どこにいてもアクセスできて
今日のわたしのアイデアは
もしかしたら10年前にどこかの誰かがカタチにしていたって
全然不思議じゃない。
これが心地良いな、丁度いいな、という塩梅で物事を集める
フィルターの役割が
結局はこれからの人間に残された役割なのかな〜とか
届いたばかりの作品を眺めながら
思うのでした
しばし眺めて
わたしの栄養になってもらってます。
るる