見出し画像

Nissy Entertainment 4th LIVE ~DOME TOUR~ライブレポート③

2023.3.25に札幌ドームにて最終日を迎えた「Nissy Entertainment 4th LIVE ~DOME TOUR~」今回のドームツアーでは、名古屋・東京に続き札幌においても鑑賞した私が独断と偏見満載でツアーレポをお届けする。なお思いのまま書き綴ったところ13000字を超す長文となったためいくつかに分けてお届けする。


「Say Yes」のMVでは森の中を彷徨うNissyと池のほとりで絵を描くNissyがやがて一つになるように、生まれ変わるように、羊水を連想させる水の中、息を潜めて待ちながら終わる。
最新アルバムに収められていた映像「Reset」では繰り返し、Nissyというパフォーマーとそれを創ってきたプロデューサーNissyという2人が、パンデミックの影響で休まざるを得なくなり、そのうち時空の歪みに入り込んでしまい、すれ違う姿が楽曲を結ぶドラマ部分で描かれる。その中、コロナ禍で発表された曲の中には暗闇を進むような思いであったことが吐露されているようにも思えるものがある。恋愛のシチュエーションにのせて軽やかに歌いながら、その裏に巧妙に隠されたものが、暗に心に届いてくるような、切実な響きが「Say Yes」をはじめ彼の楽曲にはあるように思う。

さて。
ここで一息。コミカルなコーナーが登場。
ラジオ形式を模した「オールナイトNissy」が突如始まった。パーソナリティーは、ダンサーとしても活躍しているKazuki(s**t kingz)とShow-hey(RADIO FISH)。この2人はこれまでもNissyダンサーとして長らくツアーにも参加しているし、振り付けもいくつか担当している。自身のYouTubeチャンネルも持っているし、慣れ親しんだ3人による友達同士のようなトークはこの時間にふうっと一息つくのにちょうどいい。
内容はファン(?)からの質問にNissyが答えるというもので、その合間にはご当地の名物なども紹介するのだが、札幌は追加公演のため映像が間に合わなかったか、名物の試食シーンはなし。その代わり質問はいつもよりも多く答えていたように思う。
(このやりとりはファンクラブ内のムービーでも公開されている)
Nissyは時々インスタライブでも質問を募集したりするのだが、ファンから突っ込まれるほどに回答が長い、そして真面目(笑)。このコーナーではさすがに尺の関係だろうか、編集だろうか、コンパクトであったが独特の解釈は彼ならではというものが多くあった。

そしてさらに続くのが、お笑い芸人のチョコレートプラネットが登場するコント。
「静かにしろ」という彼らのネタをNissyを交えた3人で繰り広げると言うものだが、急になぜここでコント?ライブ中にコント?その謎はNissyがMCで語ってくれる。
彼は自粛期間中チョコプラのこのネタをYouTubeで見て、すごく救われたのだと言う。「静かにしろ」は自粛期間以前より彼らの持ちネタとして披露されていたコントなのだが、静かにして、じっと家にいて、と言われることにストレスを感じているこんな時期でも、思わず笑ってしまった、そういうところに、エンタメの力を改めて感じたとのことだった。

エンターテイメントを披露する場が封印され、無力化してしまったこの時期、エンタメとはそもそも何のためにあるのだろう、どうすればいいのだろう、忸怩たる思いがあったのだと思う。そこでお笑いというエンタメの力を実感し、改めて人にエンタメは必要であると確信したのだろう。今回のツアーにあたって、「静かにしろ」はツアー全体のバランスや流れを見てどうにかここ、という場所を見つけられたのだと言った。Nissyの学生服姿もかなり萌えるが、時折変顔をしたり、自虐をつぶやいたりする彼のスマート過ぎないキャラクターがガッチリとコントにはまっていて心底笑った。

この軽快なやりとりののちには、恒例になったダンサーが率いるオープンカーが登場。その荷台にある箱からは寅年である着ぐるみの寅Nissyが顔を出す。このツアー中に年が明けて卯年になってからは、寅の着ぐるみにオプションとして兎の耳がつくようになった。着ぐるみダンサーたちも交え、ここからは振り付けレクチャーの時間。
これも恒例、次の楽曲「Dance Dance Dance」への長い助走である。

④へ続く


いいなと思ったら応援しよう!

玉置ゆう
サポートをいただければ、これからもっともっと勉強し多くの知識を得ることに使います。