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ところで、Hello KittyのTシャツを着て出かけてもいいでしょうか

外出について問うような題名ではあるけれど、これがGOTOキャンペーンについて語るものではないことを、予めご承知ください。

UNIQLOの靴下を紹介した舌の根も乾かぬうちに、またUNIQLO話をぶちこもうと思う。別に何ら利害関係もなければ、UNIQLOは私の存在すら知らないだろうからこんなことを日本の片隅でほざく自由が私にはある。

UNIQLOの優秀靴下を買ってすぐに退散しようと思ったけれど、Tシャツを何となく見てまわった。自宅には部屋着にもしがないだろう、ウエス候補のくたびれて色あせたTシャツが数枚存在している。しかも現役だ。

寝ている時に着るんだからいいだろう、別に誰も見てやしない。

この「誰も」に緊張する相手のいない悲しみが存分に潜んでいるが、そんなことはこの際どうでもいい。

ただ、やはりひと夏に数枚は新しい Tシャツをゲットしたいものだ。そうして、外着候補から降格したTシャツたちが部屋着になり、めでたくくたびれ切ったTシャツが現役を退ける。ところ天の理論が成り立つ。

UNIQLOは毎年様々なコラボTシャツを打ち出して話題になるが、その中でも一番気になったのは、村上隆とビリーアイリッシュのコラボTシャツ。

あの現代アート界の重鎮で、ルイヴィトンのバッグに堂々と、らくが・・・絵を描くのを許されるほどの世界的アーティスト村上隆のデザインシャツが安価で着られる。それもコラボの相手(題材とするターゲット)は、グラミー賞主要四部門を制覇した歌姫、ビリーアイリッシュだと言う。

気になる、強烈に気になる。

となかなかに迷いながらふと、隣に目を移すと、何とノーマークだったTシャツが目に入る。
吉田ユニさんとサンリオ界の重鎮ハローキティとのコラボTシャツだ。

文房具は何でもサンリオで揃えた世代の走りである。気になる、猛烈に気になる。

しかも吉田ユニさんと言えば、

このジャケットのアートデザインと言えばピンとくる方が多いのではないか。星野源をはじめ、木村カエラ、CHARAなどのCDジャケットを手掛けたり、ラフォーレ原宿のアートディレクションなど、奇抜で独特、しかも人の目を引くセンスとバランスで人気の高いグラフィックアーティスト。

こう言う、「可愛い×クールでセンスがいい新進気鋭のアーティスト」の組み合わせはグッとくる。大人の女っぽい。格好いい、感じがいい。

家族連れが多い中、大きな鏡を前にキティTシャツを何枚も体に当てる女、必死かよ。いや、必死だ。

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中でもキュートさよりもクールさが先行する、モノトーンプリントのこちらを最終的にカゴに入れてしまった。

これまでキャラもののUNIQLO Tシャツを何枚も持っていたけれど全て部屋着として買ったものだった。
ただ、今年買ったキャラものは全て「外着OK」にしている。自分に何があったのだろう。しまいには、状態のいいキャラTシャツ一枚を部屋着から外着に昇格させる始末。

もちろん、このキティちゃんTシャツは是非とも外着にラインナップしたい。こんなアラフィフがいてもいいだろう。ジーンズに合うだろうし、ちょっと尖りたくなったらテロテロ生地のボトムスなんかがあるといい。数日前にポチるのを悩んでやめたちょっと個性的なあのパンツを買ってもいいくらいだ。

自分に何が起きたのか。突如年齢関係なく「大人かっこ可愛い」を目指したくなった。ちょっと格好つけて言えば「今年のテーマ」ってやつ。

最近、頻繁に確認するタイの俳優さんのインスタやTwitterの配信にすっかり毒されている。

とりわけ、gunくんのインスタがかなり好き。そして彼のインスタを見ていると、「あ、お洒落って個性だし自由なんだ」と毎回思う。そう、毎朝毎夜覗く鏡の中の自分などすっかり忘れてオシャレ熱が急上昇していくのだ。

タイの俳優さんはとにかく自撮り(他人撮り)祭りだけれど、彼の場合、ハイブランドをかなり可愛く着こなしていて毎回唸る。

彼自身は子役から活躍するセレブリティなので、Tシャツにさらっとヴィトンのパンツを合わせていたりと、到底真似できるようなラインナップではないものの、こんな格好にも堂々とドヤ顔で立ち、様になっていると言う凄み。

こんなものをザクザク見ていると、俄然「あ、夏物買わなきゃ」と言う気分にさせられる。

何と言うか、表現ってこう言うことなのだと改めて考えさせられる。服に着られていなくて、自分の方が逆に洋服によって際立ってくる感じ。

もちろん、文章を書いたり、呟いたり、写真をせっせと撮ってコメントをつけたり、反応の乏しい自己表現をたらたらとし続けるのも立派な主張だけれど、自分に何を合わせるかって、割とわかりやすくその人自身を表すと思う。

名刺を交換する前の、何なら目と目があった瞬間の、数秒の印象を左右するもの。

久しぶりに会った気安い友人が、急にきらびやかなドレスをお召しになっていたらどうだろうか。これまでスーツ姿でビシっと決めていた人がいきなり白Tにジーンズで着たらどうだろう。

想像力を掻き立てられるし、「何があったのだろう」とか「こんな一面があったのか」とイマジネーションを総動員させられるだろう。人生のステージの変化すら感じる。

そういうことを相手に起因させることができるのがファッションだ。その時のその人の考えとか、見せたい自分とか、何なら世間に対する主張とか、そんなものが詰まっている、ことがあるのがファッションの面白さでもあり凄みだ。

とここまで熱く語ってはいるけれど、凡人の域を出ない、ここ数年はろくに洋服を買ったこともないような私である。説得力などあろうはずもないけれど、とにかくUNIQLOのキティTシャツは外着にしてもいいよね、と言うことを公明正大にここに宣言しておこうと思う。

青春を捧げたキティちゃんに、逆に着られてしまうようならば、今の私はそれなりの仕上がりなのだと自戒すべきなのだ。

ちょっとゆったり目に着たくてサイズをいつもよりワンサイズ上にした。

ちゃんとビッグTになるよう、痩せるのも課題の一つ。




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玉置ゆう
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